マイホームを購入した後で、転勤やリストラ、病気など、いわゆる「不測の事態」が起きたときにマイホームを処分する方法は、2つしかありません。「売る」か「貸す」かの選択肢です。
とはいえ、売ることを考えてX年後の売却価格を想定するのは、プロにも困難なこと。そこで、売却価格に比べて変動が少ない賃料を想定してみましょう。マイホームを人に貸した賃料で、住宅ローンや各種費用をまかなうリスクヘッジ方法です。
このリスクヘッジには、簡単な計算式があります。
- 賃料の想定
インターネットや住宅情報誌などから、「同じ(近い)駅」「同様の築年数・間取り」の賃貸情報を多く集めます。誤差が小さくなるよう、サンプルはできるだけ多めに。 - 不動産業者から賃料推測
地元や大手の不動産業者に、自分の検討物件と同等条件ならいくらくらいで貸せるのか、賃料を訪ねてみましょう。 - 上記推定賃料を足し、0.475を掛けます。
A.賃貸情報から推測した賃料 円B.不動産業者から推測した賃料 円(A+B)×0.475= 円
2つの数字から平均を出し、5%割り引くという計算式です。
賃料とはあくまでも貸主側のオファー額であり、そのままの額で貸し出されることはほとんどありません。割引率は地域や物件によってまちまちですが、おおよそ5%程度と仮定しているのです。 - コスト算出
マイホームを人に貸した場合、貸している間にかかるさまざまなコストを割り出します。
C.住宅ローン 円D.修繕積立金 円E.固定資産税 円合計(C+D+E) 円
住宅ローンは、ボーナス払い併用なら月々均等にならした数字を、変動金利を利用しているなら、金利が上昇したことを想定して4%程度で入れてください。
一戸建てには管理費がかかりませんが、点検・メンテナンス費用は自分で積み立てなければなりません。目安として年間、建物価格の1%程度を見込んでおきましょう。
固定資産税は、年額を12で割って記載します。新築なら4年目以降は軽減措置が切れ、アップすることを忘れずに。
これ以外にもし、家賃収集をはじめとする賃貸管理業務を業者に依頼するならコストがかかります。その場合は目安として、0.5万円程度想定しておきましょう。 - 判定
想定賃料から上記コスト合計を引いてみます。
「想定賃料」-「コスト」プラス? or マイナス?
プラスになれば、人に貸してもお金が受け取れます。マイナスなら、人に貸すと費用の持ち出しが発生するということです。
マイナスを改善するには、頭金額を増やして毎月のローン額を減らすか、購入価格を下げて住宅ローン額を減らし、毎月のローン額を減らすという、大きく2通りの方法があります。
しかし、ここで出た数字がマイナスになることそのものが、悪いというわけではありません。大切なのは、不測の事態が生じた際に、自分のケースではこれくらいマイナスになる可能性がある、ということをあらかじめ把握し、納得しておくということなのです。
また、金融の自由化以降、今はありとあらゆる種類の住宅ローン商品が生み出されています。
ピンチに備える「返済休暇」付き住宅ローン(東京スター銀行の「スターフィット住宅ローン」)
出産や子どもの進学、収入減など家計がピンチの時には、最大7年の「返済休暇」。元金の毎月返済額を1円まで減らすことができる。
ガンと診断されたら住宅ローン残高がゼロに(三井住友銀行の「3大疾病保障付住宅ローン」)
3大疾病(ガン・急性心筋梗塞・脳卒中)で所定の状態と診断されたら住宅ローン残高ゼロ。ただし保険金が支払われるのは、「本人の経験・能力に応じたいかなる業務にもまったく従事できない状態(就業不能状態)となってから、13カ月経過後も同じ状態である場合」に限定される。
3大疾病に加え、四つの生活習慣病までカバー(三菱東京UFJ銀行の「7大疾病保障付住宅ローン」)
7大疾病で30日間(免責期間)、いかなる業務にも従事できない場合、31日目以降ローン平均返済月額が毎月保険金として支払われ、ローン返済をサポート。
将来的に心配な事態をあらかじめ想定したうえで、自分にぴったりあった住宅ローンを選びとることも重要なリスクヘッジなのです。








