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消費増税が住宅購入に与える影響

物品を購入するときやサービスの提供を受けるときの代金に課税される消費税は、住宅を購入する代金にもかかることになります。売主が課税業者(主に法人)から家を買うとき、家を新たに建設するとき、建物を増改築するときに発生する建築工事費や設計料なども課税対象です。

いずれも金額が大きいので、たった2%でも増税による影響は小さくありません。たとえば、購入金額3000万円にかかる場合、現在は3000万円×8%=240万円が消費税となりますが、税率10%になれば300万円が消費税となります。

過去の事例でみれば、2年前の2014年に消費税率が5%から8%になりましたが、その際、前年の2013年に起こった、増税前の駆け込み需要が注目されました。

そもそも消費税がかからない場合

しかし、住宅購入において、以下のように消費税がかからない価格やケースもあります。

  • ・個人が売り主である中古住宅
  • ・土地の購入分

大きなものでは、土地の購入金額は非課税です。建売住宅などで土地と建物を購入する場合でも、消費税が課税されるのは購入金額のうち「建物分の価格」に対してのみであり、土地の購入金額は非課税となっています。

たとえば、税抜き5000万円の建売住宅を購入するとして、そのうち2000万円が建物分、3000万円が土地分だとしたら、かかる消費税は2000万円×8%=160万円です。

住宅購入の際にはいろいろな費用が発生しますが、消費税が課税されるのは、不動産会社へ支払う仲介手数料や、登記にかかる司法書士への報酬、住宅ローンの借入金の一部などです。保険料や、たとえばマンションを購入したとしても管理費などは課税されません。

また、新築住宅ではありませんが、一般の個人が売り主である中古住宅を購入する場合も、消費税はかかりません。ただし、課税業者である不動産会社がリフォームなどを行って販売するような中古住宅は課税対象ですので、注意しましょう。

一番適した購入時期はいつなのか

数年後とはいえ消費税増税を控える今、住宅を購入するのは増税前がいいのでしょうか。それとも増税後まで待ったほうがいいのでしょうか。

新築住宅の場合

新築住宅の場合、建物代金に対して消費税がかかることになり、増税後に購入する場合は先の例のように数十万円の差が生じます。消費税のことだけを考えれば、増税前にと考えるのも無理のないことです。

一方で、住宅の価格相場についても考慮が必要です。

仮に、2019年の増税を見込んで2018年に住宅購入の駆け込み需要が発生した場合を考えてみましょう。その需要は本来であればもう少し先に発生していたであろう需要を“先食い”することになります。そうなれば、増税後しばらくは住宅があまり売れなくなる可能性があります。

すると、売り主にとっては物件がなかなか売れないということになります。住宅は数年スパンで買い替えるような買い物ではないので、最悪の場合長い間売れ残ってしまうということも考えられます。そうならないように、売り主は物件の値下げを考えるわけです。

値下げの動きが実際に市場に展開されるかどうか、また買いたいと思うような物件にも波及するかどうかは予測できませんが、もし本当に値下がりが起これば、消費税増税で生じた数十万円のプラス課税分を賄うことができたり、あるいはさらにいい買い物ができるかもしれません。

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中古住宅の場合

中古住宅の場合は、先にふれたように、物件の売り主が個人であれば消費税は課税されないので、増税の影響は受けないということになります。

課税業者である不動産会社が売り主の物件については、新築住宅と同じように建物分の価格について消費税が発生することになり、増税の影響を受けます。しかし中古住宅は、築年数が経っていれば経っているほど、建物部分の価格は下がっていくことが多く、取引金額に占める土地分の価格の割合が高くなります。その場合、増税の影響は新築ほどではないと考えられます。

したがって、増税は購入時期を左右するほどの影響力はないと思っていいでしょう。

まとめ

住宅をいつ購入するかを考えるにあたっては、つまるところ、一概に「増税前がお得」「いやいや、増税後がお得」とはいえません。今後の住宅市場は、建てられた住宅の売れ行きや世間の景気動向次第で変動していきます。

逆にいえば、「いいと思える物件が見つかったときが買い時」という考え方もできるわけです。消費増税に必要以上に振り回されることなく、いい物件と巡り合うための活動を続けていきたいものです。

専門家からのアドバイス

記事中にもありましたが、消費税は売主が個人の場合や非課税業者の法人、土地にはかかりませんので、消費税が8%から10%になろうと影響がありません。
また、5%から8%への増税のときの経験から考えても、増税後は需要が落ち、値引きなどでその分を補うことができることが多いため、焦る必要はあまりないというのが見解です。
逆に住まい給付金などの制度があるため、増税後の方が良い買い物ができる機会があるかもしれません。増税前にどうしても欲しいなど、買う理由がある場合は消費税が8%のうちに判断を下すべきだと思いますが、それ以外の方は焦る必要はないでしょう。

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監修:

畑中 学(はたなか おさむ)

Profile
不動産コンサルタント・武蔵野不動産相談室株式会社 代表 1974年東京都生まれ。設計事務所にて一戸建てや公団分譲地を手掛けた後、不動産会社へ移り最年少で店長になる等、7年間にわたり不動産の販売・企画・仲介を責任者として携わる。2008年に創業。家に関する相談を約800組受け、お金の面から多くの方に満足のいく家づくりと家の買い方をサポートしている。 「不動産の基本を学ぶ(かんき出版)」「不動産の落とし穴にハマるな(同)」「マンション・戸建 中古の選び方(日経ビジネス)」「お金持ち入門(実業之日本社 不動産編)」など著書は多数。