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マンション購入にはまとまった費用がかかる

マンションを購入する際にかかるのは、住宅と土地の購入費用だけではありません。マンションを購入してから入居するまでには、多くの「諸費用」が発生します。

住宅の購入価格に比べれば「諸費用」の一つひとつの金額は大きな金額ではないかもしれませんが、それらを合計すると、結構まとまった額になるものです。住宅ローンの借り入れや資金調達を考えるうえでは、それらの「諸費用」も考慮に入れる必要があります。

マンション購入時にかかる10の諸費用

登記費用

購入した不動産を登記する際、登録免許税を支払います。また、登記を行うにあたっては登記手続きを司法書士へ委託することがほとんどですが、その場合は司法書士に報酬を支払わなければなりません。

印紙税

マンションの購入時は、売り主と不動産売買契約を取り交わし、住宅ローンを借り入れる場合には金融機関とローン契約を締結します。これらの契約時には収入印紙を貼る必要があり、その金額を負担しなければなりません。

修繕積立基金(新築マンションの場合)

購入するマンションで将来大規模修繕が必要となるときに備えてあらかじめ支払っておく費用です。毎月支払う修繕積立金とは別に、入居前におさめることになります。このほか、管理費・修繕積立金の前払い分を購入時に支払うこともあるでしょう。

仲介手数料(中古マンションの場合)

売り主と買い主を仲介した不動産会社に支払う手数料です。法律で上限金額が定められており、「(物件価格×3%+6万円)×1.08(消費税分)」で計算できます。

融資事務手数料

住宅ローンを借り入れる際に金融機関に支払う事務手数料です。なお、不動産会社に斡旋を依頼す場合は、斡旋手数料もかかることがあります。

保証料

住宅ローンを借り入れる際に保証会社に支払う費用です。金利に上乗せすることを選べる金融機関もあります。その場合は支払う必要はありません。

不動産取得税

不動産を購入したり新たに建築したときなどにかかる税金です。一定の条件を満たすマイホーム購入時の税額は、基本的に「(固定資産税評価額-控除額)の3%」で、築年数の浅い物件ほど控除額が大きくなります。

固定資産税

毎年1月1日時点の不動産所有者に課される税金です。年の途中で購入した場合は、引き渡し日以降の期間について売主との間で精算をします。当然、入居後も毎年支払うことになります。

火災保険料(地震・家財保険)

住宅ローンを借り入れる場合、火災保険は任意で加入します。ただし、金融機関によっては必須になることもありますので、各々確認をして下さい。なお、地震保険や家財保険は火災保険に入っていないと付保できませんので、地震保険だけ加入したい・・というのは難しいです。

引っ越し・家具購入費用

家族での引っ越しであれば引っ越し費用は相応の負担になります。新居の設備や費用によっては、カーテンやカーペット、照明など、さまざまな買い替えが必要となるでしょう。

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一般的に新築マンションのほうが諸費用は安い

「諸費用」としてかかる金額は条件によって異なりますが、新築物件の目安は購入価格の2.5%~5%とされます。それに対して、中古物件の場合は5%~8%です。一般的な広さの物件で比較すると、築年数が経過している物件のほうが諸費用として必要になる額は高くなる傾向にあります。

同じエリアやスペックの物件を比べた場合、新築に比べて中古のほうが物件の購入価格を安く抑えやすくなりますので、中古物件は人気があります。しかし、こうした諸費用も含めて計算すると、かえって新築物件のほうが安くおさまることもあるのです。

さらに、中古物件の場合、購入と合わせてリフォームが必要となることもあり、その場合にはリフォーム費用も見ておく必要があります。新築物件にも修繕積立基金という出費がありますが、そうした点もふまえて資金を準備しておくことが重要です。

専門家からのアドバイス

諸費用については、売主が消費税課税業者なら消費税がかかりますので、その分もかかるか見ておきたいところです。新築なら個人で分譲ということは多くありませんので、ほぼ消費税はかかります。諸費用が足りなくならないように、きちっと計算をして用意をしておきましょう。

また、多くの金融機関での諸費用ローンは、仲介手数料や登記費用などは含まれても、家具や引っ越し代は対象外のことも多いので注意が必要です。よく確認をしましょう。

おわりに

大きな買い物であるマンションの購入は、どうしてもギリギリの予算で考えがちですが、こうした諸費用の出費はばかになりません。そして、住宅ローンの借り入れ自体に必要になる費用もあることから、手元資金で確保しておく必要があります。購入を決めたあとに困ることのないよう、住宅購入を総合的に考え、余裕をもって資金計画を立てるようにしましょう。

「@nifty不動産」では、全国の物件情報をさまざまな条件で一括検索できるスマートフォンアプリがあります。新築マンションや中古マンションそれぞれを対象として一括検索することも可能です。いろいろな物件情報を見て、資金計画に役立ててください。

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監修:

畑中 学(はたなか おさむ)

Profile
不動産コンサルタント・武蔵野不動産相談室株式会社 代表 1974年東京都生まれ。設計事務所にて一戸建てや公団分譲地を手掛けた後、不動産会社へ移り最年少で店長になる等、7年間にわたり不動産の販売・企画・仲介を責任者として携わる。2008年に創業。家に関する相談を約800組受け、お金の面から多くの方に満足のいく家づくりと家の買い方をサポートしている。 「不動産の基本を学ぶ(かんき出版)」「不動産の落とし穴にハマるな(同)」「マンション・戸建 中古の選び方(日経ビジネス)」「お金持ち入門(実業之日本社 不動産編)」など著書は多数。