不動産の基礎知識 住宅取得日記
住宅取得日記

神様といっしょ!トンマ家漂流記

レベッカの日記

2006年 07月 20日

第2回 トンマ家の竹

壺絶賛のかげで

備前焼の壺は廊下に置くと、想像以上にすばらしく、わが家の家計から考えると、ちょっとお高い買い物ではあったが、「色がいい」「形もなかなかだ」「ひびが入っていなかったら、とても手が届かない逸品だ」などとイチイチくだらないことまで身内で褒めあい、近年にない掘り出し物と認定された。

しかし、その一方で、骨董屋が吐いた何気ないひと言、「この家はいけない」発言は、おろしたての服についた黒いシミのように、何かの折に思い出され、口には出さないものの、長く母と私の胸にチクチクと持病のような痛みを与え続けた。


オヤジのもうひと言

骨董屋のオヤジもただ、「この家はいけない」と言い放って帰ってしまったわけではない。何かが見える者の礼儀なのか、彼は一応の心遣いをした。

壺を玄関に運び込んだあと、もう一度、玄関の周辺を見て回り、「この家はいけない」発言にショックを隠しきれない母と私の顔を代わる代わる見ながら、オヤジは手を振って自らの発言を打ち消した。「ああ、大丈夫、大丈夫。あのね、ほら、奥さんのところは庭の隅に竹がありますでしょう。あれが大切。竹はね、悪いものから守ってくれる、清めてくれる植物だからね。特にこの家の場合、あの位置にあることはいいことだから、動かさないようにね。」

壺の梱包を解き、帰り支度を始めてからも、そのオヤジは私たちと目が合うと「大丈夫、大丈夫」と言い続け、連れのオヤジとこそこそと何事か話をして、「では、これで」と帰っていった。


竹頼み?

庭の竹? そんなもの、あったっけ? 私はその竹を確かめに庭に出た。それは、玄関から延びる犬走りのはずれに置かれたコンクリート製の土管に植えられていた。植物好きの母が選んだのだろう、細いキンメイチクという竹だ。正月のおせち料理の飾りに、と葉を2,3枚取った記憶がよみがえった。

一般に竹は生命力が強く、根が張って周囲に何も植えられなくなるため、土管の中などに植えることが多い。わが家の竹も土管の中で程よく茂っていた。

それからというもの、「この家はいけない」発言を心の底にしまいこんで、意識して土管の竹に水をやるようになった。何しろ、わが家を守ってくれる竹である。庭の木々とは別格だ。

竹も十分その期待に応える働きをしてくれていたに違いない。しかし、やがてわが家に竹では防ぎきれない大波が襲い掛かってきた。

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