不動産の基礎知識 住宅取得日記

住宅取得日記

第38回
 まかり間違えば
挿絵
まかり間違えば…

間取り集を間にはさんでの、夫婦間での意見のすり合わせ、そんなに簡単に行くわけはありません。
A:あ、この間取りいい!
B:あー、でもこの位置にドアがあるのはちょっと…
A:こんな書斎があればいいなあ
B:まあ、書斎くらいはあってもいいけど、そんなに広いのは無駄よね。
A:庭を囲む廊下で行く離れって・・・いいよね?
B:確かにいいけど、その分施工面積が広くなって、お金がかかるじゃない!
と、まあ、こんな調子。賢明なる方には、AとB、いずれが私で、いずれが女房か、説明は不要なことと思います。

そのうち、私も女房も、だんだん不機嫌になってきて、ついには、ほとんど口をきかない日もある始末。幸いなことに、なんとか今も夫婦でいますが、一歩間違えば…..ってことを、ちょっとは考える日もありました。

でも、そんな我々の危機的状況を救ってくれたのは、甲社の営業担当のAさん。間取りの提案を持ってきては、私と女房から「あーでもない、こーでもない」と文句をつけられて帰っていきます。おかげで、離婚の危機をはらんでいた私と女房のフラストレーションは、哀れAさんに向かって放出され、無事、離婚の危機は回避されたのでした。Aさんこそ、大迷惑だったでしょうが、それで契約ができたのですから、まあ、良しとしてもらいましょう。


家造りのノウハウ

実は、我が家の間取りの基本的なところは、第910回「入れ物の大きさ」で書いたとおり、すでに決まっていたのです。実際のところ、それをどう並べるのかということだけで、これだけもめてしまいました。
今は、パソコンで間取り設計ができるソフトも市販されています。私もそれを買ってきて、自分の思いを設計したりしてみました。しかし、結果として、ほとんど役には立ちませんでした。理由は簡単。家作りのノウハウをもっていないから。
家の強度をだすための柱や窓、壁の制約。水周りの組み合わせ方や配管の問題、いろいろある制約が分かっていないと、どんな設計をしても“砂上の楼閣"でしかないのです。

そういった意味で、実際にお客の“思い"を“カタチ"にしてくれる営業担当者の力量は大切です。第1819回「営業担当者って?」で書いたとおり、メーカーにおいては、設計の良し悪しは、設計担当者で決まります。できること、できないことをちゃんと整理し、我々の勝手な思いを実際の設計につなげていく、その過程というのは“ミゴト"ではありました。そういった意味では、Aさんなくして、今の我が家はなかったといえるでしょう(まあ、違った形で、もっといいものが建った可能性も否定はしませんが)。

とにかく、我が家の間取りは、Aさんが我々夫婦の“フラストレーション"を一手に引き受けてくれる形で、すすんでいくのでした……。
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