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■ A社の見積もり
「おはようございます。お電話いただきましたA社です。」 インターホンが鳴り、引越しの見積もりに、ます、やってきたのはA社。 玄関で名刺をもらい、家の中に招き入れます。担当は若く、物腰も丁寧です。 今まで、引越しを何度かして来ていつも思うのですが、引越業者の見積もりに来る人というのは、みな、物腰も柔らかく、丁寧な人が多いような気がします。まあ、営業だから当然のことと言われれば、それまでなのですが。
狭いマンションですので、応接スペースなどありません。ダイニングテーブルで、引越し先等の確認を行います。
■ 引越し日
「引越しのご希望日は、3月29日でよろしかったでしょうか?」 子供の終業式、また新しい学校への転入手続き等を考えると、この日が一番スケジュール的に望ましいので、電話での申し込み時に伝えてあったのでした。 「ええ、その日が希望です。ただ、荷入れについては、翌日にしたいので、荷出しは午後からでもかまいません。」
現在のマンションと新築の我が家は、県境をまたぐといっても、高速道路を使えば、車で2時間程度。朝一番で荷出しを行えば、その日に荷入れをすることは、物理的には可能と思われます。
しかし、今、住んでいるマンションは、会社が社宅として借り上げているもの。当然、私たちの後に入ってくる人がいます。社宅なので、出たあとハウスクリーニングをしてもらえるなんてことは無く、我々が掃除した状態で、後の居住者、しかも同じ会社に勤める人が入ってきます。これまでも、少しずつ掃除はしてきていますが、やはり、荷物を出したあと、もう一度丁寧に掃除をしておきたい。そのためには、荷出だし日と荷入れ日は別の日にしたいというのが希望です。
「いえ、お宅様の場合、荷出しと荷入れは同じ日でお願いできないでしょうか。日を変えるとなると、トラックを丸々遊ばせることになるので、この時期、あまりやりたくないもので。」 もちろん、規定上は、割増料金さえ払えば可能のようなのですが、3月末から4月はじめは引越しの集中期。トラックを遊ばせることなく、1件でも多くの引越しをしたほうが儲けとなるような口ぶりでした。
■ アルバイト
「ところで、作業は何人で、そのうちアルバイトの数はどれくらいになるのですか?」 「そうですね。作業は4人で、うちの社員が一人で、残りの3人がアルバイトになります。」 「新築の家だし、傷つけられるのはいやですから、全員とは言いませんが、もう少し、正社員の数を増やしてもらえませんか。」 「この時期は、引越しが非常に多いので、皆さん、大体この構成でやらせていただいています。もちろん、当日の都合で、多少、変更されることはありますが….。」
このほか、2〜3要望事項をいってみたのですが、言い方はやわらかいものの、すべて断られてしまいました。
■ 少しは希望を聞いてほしい
これは、この見積もりにきた担当者の固有の性格なのか、それともA社の営業方針なのかわかりませんが、とにかく、すべてA社の都合に合わせろということのように聞こえました。
この時点で、女房も私も、すっかりこの会社に頼む気は失せていました。いくら大手で名が通っている会社でも、客の要望にまったくこたえようとしない会社に頼みたくはありません。そのようなこちらの雰囲気を相手も感じたのか、説明の口調もだんだん冷めたものになってきました。
そして各部屋を回り、大体の荷物の量をみると、見積書を作成して、 「この時期、すぐに希望日は埋まってしまいますので、早めにご連絡をお願いします。」 と言って、帰っていきました。
その後、女房と私は、 「まだ、明日のB社があるよね。」 と、明日に望みをつなげたのでした。
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