■ 結城家・土地選びのポイント 前回、うちのオットの半端じゃないこだわり振りに触れたが、そのオットが土地探しでこだわった点は
1. 環境の良い落ち着いた住宅街であること
2. しき地面積が30坪以上あること
この二点だった。
反対に、駅から近いかとか、生活に便利か、というのはうちの場合、判断基準に入らなかった。
なーんだ簡単じゃん、とお思いかもしれませんが、予算から逆算すると、
えっへん、なかなかないんだよね、これが。
あ、べつに自慢するところじゃないけど。
山の反対側に拡がっているニュータウンなら、この条件を余裕で満たすのだけれど、オットは、「ニュータウンはいやだ」とのたまった。まったく。
まずはじめは、週末にどっさり入る、新聞の折り込みチラシから見ていった。
ところが『掘り出し物発見!』と思って資料をFAXしてもらうと、そういう土地は間違いなく“へんな"土地だった。
たとえば、車が敷地まで入っていけないとか、敷地面積のうち、私道が大部分を占めているとか。
そのうちにある不動産屋さんから頻繁に情報が入るようになり、一箇所、“破産物件"というのが掘り出し物価格で密かに売りに出ているのを聞き出したけれど、躊躇している間に売れてしまったり。
あと、斜面地、というのも、掘り出し物価格だ。でも宅地造成して敷地を平らにしないといけなかったりするので、不動産屋さんでは、まともな土地とは見られていないらしい。

ところがうちは、夫婦とも建築士なのです。
敷地によっては、造成に多大な費用を掛けずに、斜面を利用して家を建てるのぐらい、考えつくんです。
という訳で、高台の、半分平ら・半分斜面になっている敷地を見つけたときは、予算より安かったのに敷地面積は予定の倍ほどもあり、即・交渉を開始した。
斜面といっても崖とまではいかなくて、歩いて上り下りは出来る傾斜角度だったので、飼っている犬の遊び場になるし。
さっそく図面を揃えて、知り合いの工務店に工事見積もりを出してもらって、役所に建築確認申請を出して、そのへんの資料をぜーんぶ銀行に出して。と、計画はトントン拍子に進むかに見えたのだけれど。
結局、そのあと売り主側が『裏の山も一緒に買ってください』と言ってきて、そんな余分なお金など一切ない私たちは、その土地をあきらめるしかなかった。
■ 土地選定の決めて・ツルの一声 そうして紆余曲折の末、ようやく見つけた土地は、予算をずいぶんオーバーしていた。
しかも敷地面積は28坪と、希望に満たなかったのに、なぜその土地を選んだか?
実はその土地とは、私の実家の隣だったのだ。
お隣りさんが相続の関係で敷地の一部を不動産業者に売ったもので、分譲住宅の予定地として、しばらく前から売りに出ていたのだ。
でもバブル崩壊以降、実家周辺でも土地の価値は下がり続け、割高感からその土地は、売れないままに2年ほど経っていた。
そしてあるとき、私たちが土地探しであちこち廻っているのを知っている実家の母がオットに、
「隣に住んだら、いいのに」とふと漏らした言葉が、彼を決心させたのだった。
でもその土地は建築条件付き。
建物と土地がセット価格で販売され、上に建つ建物の基本の間取りや仕上げ材などの仕様は決められており、設計も施工も、業者を指定されているという条件での売り出しだった。
それではオットはもちろんだが、私だって設計のプロとして、食指は動かない。
でも母の一言で、オットが「ちなみに、建築条件をはずして、土地だけで売ってくれないのか聞いてみるか?売れ残ってることだし」と言い出した。
くだんの不動産屋さんを通じて問い合わせてみたところ、しばらくしてオーケーの返事が返ってきた。
その土地は道路から段差なくフラットで、斜面地でもなく、駅からもなんとか徒歩圏内で、つまり私たちが見てまわったどの土地よりも条件がよかった。
ただし、値段は予算を600万円もオーバーしていた。
ふつうの庶民ならそこで、あきらめると思いませんか?
ところがどっこい。
オットはその土地を購入することを決心してしまった。
そりゃあ、実家が隣だと何かと助かるだろうし、よく『隣の土地は借金してでも買え』と言うらしいけど。
でも銀行から借りられるお金も、夫婦合わせても上限が決められていた。
で、オットにどうするつもり、と聞くと、
『建物の建設費用にかける予算を削り、かつ、がんばって稼いで自己資金をひねり出す!!』と宣言した。
うーん、やっぱり結城家、前途多難だ.....。