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住宅ローンケース別借り方特集:DINKS・ご夫婦のケースDINKSのための住宅ローン攻略法

新築マンション購入者の「3割弱」がDINKS世帯

 さて、ケース1でシングル女性が新築マンションの主要な購買層として安定してきていることを紹介しましたが、実はDINKSも例外ではありません。【表1】は首都圏新築マンション契約者の割合をライフステージ別にまとめたものです。見てお分かりの通り、3割弱(28.0%)がDINKS世帯であることが分かります。調査対象が「首都圏」かつ「新築マンション」なので、一戸建てを含めた全国レベルで見れば、その割合は低下するかもしれません。しかし、価値観の多様化の影響か、私のところへ住宅相談にいらっしゃった方の中には「子供は生まないつもりです」と公言する人もいました。一見すると、すごい覚悟の表れなのですが、実は、資金計画を立てる際には重要なポイントとなってきます。それでは、ここから核心部分に入ることにしましょう。

【表1】ライフステージ別の新築マンション契約者割合(2006年)

シングル世帯

夫婦のみ世帯

子供あり
世帯

シニアカップル世帯

その他

シングル
男性

シングル
女性

夫婦のみ
共働き世帯
(DINKS)

夫婦のみ
専業主婦世帯

6.7%

5.1%

28.0%

8.8%

42.8%

1.7%

6.8%

※リクルート「首都圏新築マンション契約者動向調査」

 

「収入合算して住宅ローンを組む場合には、細心の注意が必要
DINKSが返済プランを立てるには、大きく2つの点に注意が必要となります。1つが収入合算して住宅ローンを組む場合の取り扱い、そして、もう1つが出産を含め、奥様が働き続けるか否か、中長期的なビジョンを持った資金計画を心がけるという点です。

 まず、第一点目についてですが、共働きであるDINKSはそれぞれが単独ではなく、収入合算して住宅ローンを組む傾向が強いとされます。そのため、特に「税制」や「名義」に配慮しないと、思わぬ失態を招くことがあります。予備知識を持つことが「勝ち組」への近道となるのです。

 

贈与税対策

最も基本的な注意点ですが、2人の出資割合とマイホームの名義が同比でないと贈与税の対象となります。たとえば、5000万円の住宅に対して4000万円をご主人、1000万円を奥様が出資すれば、ご主人と奥様の持ち分割合は4:1にする、という具合です。また、ご主人の年収が600万円、奥様が同300万円(2:1の割合)の場合、借入金額が3000万円とすると、ご主人が2000万円(3000万円の3分の2相当)、同じく奥様は1000万円(3000万円の3分の1相当)を各自で借り入れていると考えるのが自然です。

さらに、結婚後に2人で貯蓄した資金を頭金として出資した場合、たとえば実際はご主人の収入が生活費となり奥様の収入をすべて貯蓄に回していたとしても、税務上は年収割合によって案分するのがセオリーとされます。結婚前の貯蓄は「実額」によって計算して問題ありませんが、結婚後は「夫婦共有の財産」とみなされるからです。複雑なケースでは前もって税務署などへ相談しておくと、さらに安心感が増すことになるでしょう。

連帯債務と連帯保証

次に 奥様が「連帯債務者」となるのか「連帯保証人」となるかにも気を配ることが必要となります(【表2】参照)。というのも、収入合算によって夫婦ふたりで「住宅ローン控除」の適用を受けようとした際、奥様が「連帯保証人」となると同減税が受けられなくなってしまうからです。「連帯債務」の関係であれば問題ありませんが、「連帯保証」では夫婦ふたりで住宅ローンを借りているとみなされないのです。「住宅ローン控除」がご主人と奥様でそれぞれ受けられないのは残念です。民間銀行からの融資では「連帯保証人」として扱われるケースが多いので、ローンを申し込む前にあらかじめ確認しておくことを忘れないようにしましょう。

 

名義を持ち続ける限り、住宅ローンの支払い義務は消滅しない
そして2番目のポイント、奥様が働き続けるか否か、中長期的なビジョンを持った資金計画を心がけることも重要です。もし、返済途中で収入合算している奥様が会社を退職したら、その後のローン返済はどうなってしまうのか想像してみると分かりやすいでしょう。

 結論から申し上げると、出産などを機に奥様が退職(無収入)しても、名義を持ち続ける限りローンの支払い義務は消滅しません。払える・払えないは別にして、今まで通り返済を続けなければならないことになります。説明するまでもありませんが、名義を持つということは同時に返済義務を負うことです。「借りたものは返す」という常識に基づけは、いたって自然な発想なのです。

 だからこそ、ローンを組む前段階で「退職(休職)の可能性」や「将来的な家族計画(出産予定)」を考慮しておかないと、思わぬ失態を招くことになりかねないのです。「(退職後)ご主人に自分の返済分を肩代わりしてもらえばいい」などという甘い考えは捨てなければなりません。これはこれで、ご主人から奥様への贈与とみなされ、贈与税が課せられることになります。住宅ローンはおおよそ30年近くにも及ぶ長期返済……このことを肝に銘じ、DINKSにふさわしい資金計画を立ててもらいたいと切に願うばかりです。

 

【表2】(参考)連帯債務と連帯保証についての補足説明

連帯債務

連帯保証

同じ内容の給付について、債権者(金融機関)に対して債務者がそれぞれ独立して全部弁済をしなければならないという債務を負担し、債務者(ご夫婦)のどちらかが弁済すればもう一方はもはや弁済しなくてよいという債務

保証制度は本来の債務者の債務に関して第三者が担保する制度。保証人は本来の債務者(主たる債務者)が債務を履行できない場合に限って債務を履行する義務を負い、債権者は債務の履行をより確実に受けることができるようになる。そして、連帯保証とは主たる債務者と連帯してその債務を保証することをいう。

※フラット35を利用して収入合算すると「連帯債務者」として扱われ、一方、民間金融機関を利用すると「連帯保証人」として扱われるのが一般的。

 

文提供:平賀 功一(住宅コンサルタント)


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