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住宅ローンケース別借り方特集:ファミリーのケースファミリー向けの住宅ローン攻略法

ワークライフバランスの浸透で、ファミリーがマイホームを買いやすくなる(?)
 読者の皆さんは「ワークライフバランス」という言葉をご存じでしょうか? ワークライフバランスとは直訳すれば、仕事(ワーク)と生活(ライフ)の両立や調和(バランス)という意味。1980年代、女性の社会進出が顕著になった米国で生まれた考え方とされています。

今回なぜ、冒頭でこの言葉を取り上げたかというと、近年、日本にもようやくこうした発想が受け入れられるようになってきたからです。積極的に自社に取り入れる企業も散見されるようになりました。これまでの日本社会は男性=仕事、女性=家庭といった固定概念(役割分担)が蔓延し、柔軟な働き方を選択できる雇用環境が未整備でした。少子化が急速に進んだのも、その背景には特に女性に対して「仕事」と「家庭(子育て)」のどちらを選ぶのか?……つまり、“二者択一”を迫ったことが大いに関係しています。

そこで、仕事と私生活の「共存」を可能にすることで、二者択一からの呪縛(じゅばく)を解消。もって、男女ともに育児参加できる働き方を推進することで、少子化を食い止める動きが本格化し始めました。もちろん、日々の暮らしに「ゆとり」をもたらそうという狙いもあります。過剰労働を抑止する意味合いも含まるのです。今後、女性が働きやすい社会環境が醸成されていくことは間違いないでしょう。ファミリー世帯が子育てと並行してマイホームを取得しやすい土壌の構築につながると期待されます。

 

最も支出がかさむライフステージが「ファミリー世帯」
 ところが、このように日本でも企業と家庭のあり方が欧米化(=仕事と私生活の共存)する中、育児環境が改善の方向へ向かう一方で、今もって子育てにかかる費用がマイホーム取得の足かせ要因となっている現実は否定できません。一体どのくらいの教育費が実際にかかるのか、以下に調査データをまとめてみました。

 

【表1】小学校〜高校までに必要な教育費 (単位:円)

 

学校教育費

学校給食費

学校外活動費

総計(1年間)

公立小学校

54,515

40,798

218,848

314,161

中学校

公立中学校

132,603

36,701

299,469

468,773

私立中学校

956,233

3,100

315,435

1,274,768

高 校

公立高校

342,152

----------

174,179

516,331

私立高校

769,458

----------

265,231

1,034,689

※ 上表いずれも文部科学省「子供の学習費調査」(平成16年度)
※ 学校外活動費:学習塾やスポーツ・レクリエーションなど    

 

【表2】大学進学に必要な教育費 (単位:円)

 

授業料・課外活動費など

住居費・生活費など

総計(1年間)

自 宅

国立大学

648,200

363,900

1,012,100

公立大学

696,300

341,600

1,037,900

私立大学

1,320,600

421,200

1,741,800

下 宿
間借りなど

国立大学

624,400

1,191,100

1,815,500

公立大学

647,000

1,104,500

1,751,500

私立大学

1,311,600

1,181,200

2,492,800

※独立行政法人 日本学生支援機構「学生生活調査」(平成16年度)

 

 見てお分かりのように、子供を「公立」の学校に通わせるか「私立」に通わせるかで、親の負担は大きく異なってくることが見て取れます。また、大学では自宅から通学させるのか下宿させるのかでも教育費に開きが生じています。ちなみに、年間150万円を支払ったとすると、住宅ローンに換算して約3250万円(金利3% 35年元利均等返済)を借りて返済しているのと同じ負担になります。教育費が「住宅取得費」「老後の生活費」と並ぶ3大支出と呼ばれる所以(ゆえん)が、具体的な金額を目の当たりにすることで実感として感じられることでしょう。

 

「マイホーム難民」にならないための3つのポイント
 このように、ライフプランの立案においては「教育費」と「住宅取得費」を切り離して考えることがいかに危険であるかがご理解いただけたと思います。それでは、どのような対策を立てればいいのか?……次に挙げる3点が重要ポイントとなります。


 

 

まず、1番目の「柔軟性のある資金計画を組む」とは、絶えず金融環境が変化する中で「金利上昇リスク」あるいは「利息の過払いリスク」(利息を余分に払いすぎてしまうリスク)を上手に吸収できる返済プランを立てることを指します。具体的には、「繰り上げ返済の自由度」「金利タイプの変更のしやすさ」「元利均等返済・元金均等返済への変更の可否」が該当します。循環的に上下を繰り返す住宅ローンの市場金利に対し、常に最適なローン条件を確保できるようにする狙いがあります。“借りたら借りっ放し”ではダメだということです。

 次に「余裕資金の確保を忘れない」とは、住宅ローンの返済と並行して貯蓄も行なってほしい、ということです。よくありがちなことですが、住宅取得の準備段階では頭金を貯めるために毎月、預貯金に励むものの、いざ返済が始まるとローンの支払いで手一杯となり、貯蓄をやめてしまう傾向があります。無理もないのかも知れません。しかし、最も支出がかさむライフステージだからこそ、ファミリー世帯には「余裕資金の確保」を怠ってほしくないのです。余裕がないと、もしもローン返済につまずいた際、住宅だけではなく生活費や教育費にも「負の連鎖」が及びます。“マイホーム難民”の危険すらあるのです。決して脅かすつもりはありませんが、かわいいお子さんと共倒れしないためにも、ゆとりのある家計状況が欠かせないのです。

 そして最後、「万が一のことを想定しておく」とは(百歩譲って)もし、ローン返済につまずいた場合にどのような救済策が用意されているか、そのセーフティーネットの中身を知っておこうというものです。【表3】にフラット35のケースをまとめてみました。あくまで、万が一の時の予備知識として、頭の片隅にとどめておくといいでしょう。「ご利用は計画的に!」……この精神を忘れないでください。

 

【表3】フラット35 返済方法の変更に関する情報

困窮の状況

具体的な対応例

収入の減少等により、返済方法を変更したいという状況の場合

  1. 振込み期日の変更
  2. ボーナス払い月の変更
  3. 「毎月払いとボーナス払いの併用」から「毎月払いのみ」への変更(その逆の変更も含む)
  4. 毎月払い分とボーナス払い分の金額内訳の変更
  5. 元金均等返済から元利均等返済への変更(その逆の変更も含む)

返済の継続が危ぶまれるほどの場合

  1. 返済期間の延長・元金の支払猶予期間の設定
  2. 遅れている返済分を今後の返済に追加し、延滞を解消させる
  3. 一定期間における返済額の減額

※住宅金融支援機構のホームページより引用

 

文提供:平賀 功一(住宅コンサルタント)


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