注文住宅の相場は?平均価格や坪単価の目安・予算別の戸建てのイメージ

そこで、本記事では、土地のありなし別に注文住宅の価格相場を紹介します。内訳や予算の決め方・予算別の注文住宅のイメージについても説明するため、注文住宅の建築を検討している方はぜひ参考にしてください。



注文住宅の価格相場

注文住宅の相場は?平均価格や坪単価の目安・予算別の戸建てのイメージ

注文住宅には、土地なしと土地付きの2つの注文方法があります。土地なし注文住宅とは、土地を自分で用意した後に住宅の建築を依頼する注文方法です。一方、土地付き注文住宅とは、建築会社や施工期間などの条件が定められている土地を購入する注文方法であり、建築会社を自分で探す必要はありません。

注文住宅の価格は、土地なしと土地ありで大きく異なります。土地なし注文住宅の価格相場は3,300万〜3,900万円であり、土地付き注文住宅の価格相場は4,000万〜5,100万円です。以降で詳しくみていきましょう。

注文住宅の平均価格

住宅金融支援機構がフラット35の利用者を対象に実施した調査結果をもとに、土地なし注文住宅の価格や住宅面積・坪単価目安をまとめました。

価格 住宅面積 坪単価目安
全国 3,572万円 123.8㎡(約37坪) 約96万5,000円
首都圏 3,899円 123.8㎡(約37坪) 約105万3,000円
近畿圏 3,778円 127.1㎡(約38坪) 約99万4,000円
東海圏 3,650円 123.5㎡(約37坪) 約98万6,000円
その他地域 3,372円 123.1㎡(約37坪) 約91万1,000円

参照:住宅金融支援機構「2021年度 フラット35利用者調査」

土地なし注文住宅で建設に必要な資金の平均は3,572万円であり、首都圏、近畿圏、東海圏の順に高くなっています。住宅面積の平均は近畿圏、首都圏、東海圏の順に広く、坪単価の目安は首都圏、近畿圏、東海圏の順に高くなっています。

土地付き注文住宅の平均価格

住宅金融支援機構がフラット35の利用者を対象に実施した調査結果をもとに、土地付き注文住宅の価格や住宅面積・坪単価目安をまとめました。

価格 住宅面積 坪単価目安
全国 4,455万円 111.4㎡(約34坪) 約131万円
首都圏 5,133万円 107.2㎡(約32坪) 約160万4,000円
近畿圏 4,658万円 112.7㎡(約34坪) 約137万円
東海圏 4,379万円 114.5㎡(約35坪) 約125万1,000円
その他地域 3,980万円 112.8㎡(約34坪) 約117万円

参照:住宅金融支援機構「2021年度 フラット35利用者調査」

土地あり注文住宅で建設に必要な資金の平均は4,455万円であり、首都圏、近畿圏、東海圏の順に高くなっています。住宅面積の平均は東海圏、近畿圏、首都圏の順に広く、坪単価の目安は首都圏、近畿圏、東海圏の順に高くなっています。

土地なし注文住宅と比較すると、建設に必要な資金の差は約880万円です。坪単価目安では、約35万円もの差があることがわかります。

注文住宅の価格の内訳

注文住宅の相場は?平均価格や坪単価の目安・予算別の戸建てのイメージ

注文住宅の価格は、主に土地代と建物代、諸費用の3つで構成されています。土地代を除いた注文住宅の価格の中で大半を占めるのは、本体工事費です。注文住宅の価格に大きく影響するため、内訳に加えて、費用を抑えるコツも併せて確認しておきましょう。

土地代

土地を所有していない場合、土地を購入するところから始めなければなりません。土地代とは土地を購入する際にかかる代金であり、立地や面積・形状などによって変動します。

土地代を抑えたい場合には、土地の購入代金が下がるように条件を見直しましょう。具体的には、エリアを見直したり、面積を狭くしたりする方法があります。また、形状が整っていない不整形地を選ぶのもひとつの手です。

建物代

建物代とは、建物を建築するために必要な代金であり、本体工事費だけではなく、付帯工事費も含みます。

本体工事費とは、建物本体を建設するための費用です。一般的には、土地代を除いた注文住宅価格の約70%を占めています。

本体工事
工事項目 概要
仮設工事 建築に必要な足場や仮設トイレなどの工事
基礎工事 建物全体を支えるために必要な土台の工事。工事の種類には、ベタ基礎と布基礎がある。
木工事 木材の加工・組み立て・取り付けをおこなう工事。
内外装工事 屋根や外壁などの外装と床や内壁などの内装を仕上げる工事。
設備工事 電気の配線や空調・水道の配管などを取り付ける工事。

付帯工事費とは、建物本体の建設以外で発生する費用です。一般的には、土地代を除いた注文住宅の価格の約20%を占めています。

付帯工事
工事項目 概要
地盤調査・改良 地盤の状態を確認するための調査。調査結果で問題が出れば、改良工事をおこなう。
インテリアや電気設備の設置 照明やエアコン・コンセントなどを設置する工事。
ガス管や水道管の引き込み ガス管や水道管を敷地内に引き込む工事。
外構工事 外堀や庭・ガレージなどを整備する工事。

建物代を抑えたい場合には、延べ床面積の縮小や部屋数の減少・窓数の減少などがおすすめです。ロフトは床面積に含まれないため、階数を増やさずにロフトを設置すると、さらなるコストダウンを期待できます。

諸費用

諸費用とは、土地代や建物代以外でかかる費用です。一般的には、土地代を除いた注文住宅の価格の約5〜10%を占めています。

諸費用
費用項目 概要
印紙代 売買契約書に課税される税金。
登録免許税 土地や建物の登記手続きに課税される税金。
不動産取得税 土地や建物を取得した際に課税される税金。
固定資産税・都市計画税 土地や建物の所有にかかる税金。
仲介手数料 不動産会社に支払う手数料。
司法書士の報酬 登記の手続きなどを司法書士に依頼する場合に支払う報酬。
消費税 仲介手数料や司法書士の報酬に課税される税金。
保険料 火災保険や地震保険・団体信用生命保険の加入でかかる費用。

諸費用を抑えたい場合には、複数の保険会社で火災保険料を比較検討しましょう。保険会社によって保険料には差があり、長期で契約した場合には大きな差となります。また、司法書士の報酬も依頼する司法書士によって差があるため、比較することがおすすめです。

注文住宅の購入予算の決め方

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注文住宅の購入予算が年収に見合っていない場合、住宅ローンの審査に通らなかったり、家計に大きな負担がかかったりします。注文住宅を購入するのであれば、適切な予算を設定することが重要です。

注文住宅の購入予算は、住宅ローンの借入可能額から導き出せます。住宅ローンの借入可能額は、購入する不動産の金額が支払える範囲内であるかどうかの判断目安になるからです。

住宅ローンの借入可能額は、年収に年収倍率を掛けることで算出できます。年収倍率とは、年収に対する住宅の購入額の比率を表した数値です。

年収倍率(%)=住宅の購入額÷年収
 

住宅金融支援機構が実施した「2021年度 フラット35利用者調査」によると、注文住宅を購入する場合の年収倍率は6.8倍です。

たとえば、年収が400万円の人が住宅ローンを利用する際の借入可能額の目安は、約2,700万円です。頭金を用意して借入額を減らさなければ、3,000万円を上回る住宅の購入は難しいでしょう。また、年収が800万円の人が住宅ローンを利用する際の借入可能額の目安は約5,400万円であり、6,000万円を上回る住宅の購入が難しくなります。

「住宅ローンシミュレーション」で試算してみよう

注文住宅の相場は?平均価格や坪単価の目安・予算別の戸建てのイメージ

想定した返済金額をもとに、いくらぐらいの物件を購入することができるのか試算してみましょう。

住宅ローン設定

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※au金利優遇割適用後の変動金利(全期間引き下げプラン)
※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。

【予算別】建てられる注文住宅のイメージ

注文住宅の相場は?平均価格や坪単価の目安・予算別の戸建てのイメージ

注文住宅の形状や坪数・設備などは、予算によって大きく異なります。全国平均よりも予算の低い1,000万円台や2,000万円台でも建築可能ですが、形状やデザインにこだわることは難しいでしょう。3,000万円台や4,000万円台の予算になると、形状やデザイン・設備にこだわれます。土地ありなしによっても特徴が異なってくるため、予算別に建てられる注文住宅のイメージを確認していきましょう。

1,000万円台

注文住宅を1,000万円台の予算で建築する場合、土地のありなしに関わらず、シンプルな形状や間取りとなります。外壁や屋根を複雑な形状にすると、使用する材料が増えて費用が高くなるため、正方形や長方形の形状が多い価格帯です。

土地付き注文住宅を1,000万円台で建築したい場合、価格の低い土地を探して、価格の安い建築会社に依頼する必要があります。坪数の目安は7〜15坪です。一方、土地なし注文住宅は、土地が付いている場合よりも建物に充てられる費用が多く、自由度が高くなっています。坪数の目安は10〜21坪です。

注文住宅の予算1,000万円台は、「20代で年収が低いけれど、家を持ちたい」「住宅ローンを短期間で返済したい」方におすすめです。少しでもデザインにこだわりたい場合は、間取りやデザインをシンプルにして、ウッドデッキなどのオプションをつけるとよいでしょう。

2,000万円台

土地付き注文住宅を2,000万円台で建築する場合、シンプルな形状や間取り・設備となります。坪単価の目安は15〜23坪です。

土地なし注文住宅を2,000万円台で建築する場合、間取りや形状はシンプルでありながらも、設備にこだわることが可能です。坪単価の目安は21〜31坪となっています。

注文住宅の予算2,000万円台は、「予算を抑えながらも、設備にこだわりたい」方におすすめです。すべての希望を叶えようとした場合は、予算を超える可能性が高いため、優先順位をつける必要があります。

3,000万円台

土地付き注文住宅を3,000万円台で建築する場合、形状や間取りはシンプルで、設備に少しこだわることが可能です。坪単価の目安は23〜30坪となっています。

土地なし注文住宅の予算3,000万円台は全国平均価格であり、希望する家を建てやすい価格となっています。坪単価の目安は31〜42坪です。

注文住宅の予算3,000万円台は、「外装や内装・設備にこだわりがある」方におすすめです。希望を通しやすい価格であるものの、全ての希望を通すことは難しいため、優先順位をつける必要があります。

4,000万円台

土地付き注文住宅の予算4,000万円台は全国平均価格です。希望する家を建てやすい価格となっており、外装や内装・設備にこだわれます。坪単価の目安は31〜38坪となっています。

土地なし注文住宅を4,000万円台で建築する場合、形状や間取り・設備の理想を叶えやすくなっています。坪単価の目安は42〜52坪です。

注文住宅の予算4,000万円台は、「将来を見据えて、高性能な住宅を建築したい」「二世帯住宅を建築したい」方におすすめです。

まとめ

土地なしの注文住宅の価格相場は3,300万円〜3,900万円であり、土地付きの注文住宅の価格相場は4,000万円〜5,100万円です。坪単価の目安は、土地なしで約96万円、土地ありで約131万円となっています。

注文住宅の購入予算が年収に見合っていない場合、住宅ローンの審査に通らなかったり、家計に大きな負担がかかったりするため、適切な予算を設定することが重要です。年収に年収倍率6.8倍を掛けることで、予算の目安になる住宅ローンの借入可能額を算出できます。本記事で紹介した予算別の注文住宅のイメージを参考にして、どのような注文住宅を建築するか検討してください。

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