日当たりや風通しがよく開放的な空間を演出しやすいことから、中二階住宅が注目されています。
ただし室温管理が難しく、建築費用が高額になりやすい一面も……。
今回は、中二階住宅のメリットやデメリットを徹底解説します。
中二階住宅がおすすめなケースまで説明するので、ぜひご覧ください。
真似したくなるような中二階住宅のおしゃれな実例についてもまとめているので、中二階住宅を検討中の方は必見の記事ですよ!
- 中二階住宅とは?ロフトとの違い
- 中二階住宅のメリット
- 中二階住宅のデメリット
- 中二階住宅がおすすめなケース
- 中二階住宅にかかる費用の目安
- 中二階住宅のおしゃれな実例3選【Instagramより】
- 開放的な空間を作りたいなら中二階住宅がおすすめ
中二階住宅とは?ロフトとの違い
中二階とは、1階と2階の中間に設けられるスペースを指します。
「1.5階」や「スキップフロア」と呼ばれることもありますよ。
▶参考記事:
スキップフロアで後悔した?実際に住んでいる人の声と、和室やキッチンなど間取り実例をご紹介
中二階と同じく、段違いのスペースを意味する「ロフト」とは何が違うのでしょうか。
実のところ、中二階とロフトの違いに明確な定義はありません。
一般的には中二階は居住目的、ロフトは収納目的で使用されることが多いです。
またロフトはほとんどの場合、天井の高さを1.4m以下にして作られます。
名称 | 目的 |
---|---|
中二階 | 居住を目的とする |
ロフト | 収納を目的とする |
中二階住宅のメリット
中二階住宅のメリットを6つご紹介します。
・日当たり・風通しがよい
・家族とコミュニケーションが取りやすい
・開放的な空間が生まれる
・収納スペースが増える
・デザインの自由度が高い
・床面積を有効活用できる
以下で、詳しく説明していきましょう。
日当たり・風通しがよい
日当たり・風通しがよいのが、中二階住宅のメリット。
通常、階段部分は閉ざされた空間になりやすいです。
間仕切りの壁をなくして中二階にすることにより、風や日光が遮られなくなります。
また、中二階を作ると階段部分の面積が広がって日光があたる面積が増えます。
リビングに接する階段部分に中二階を作れば、リビングの採光を取り込みやすいですよ。
家族とコミュニケーションが取りやすい
1階と2階で生活空間が分かれる二階建てよりも、中二階住宅のほうが家族とコミュニケーションを取りやすいです。
適度な距離感があり、プライバシーとコミュニケーションのバランスがよいのが中二階住宅の特徴。
たとえば二階建ての場合、1階で家事をしていると2階の子ども部屋の様子が確認できません。
中二階住宅ならば、1階から子どもの様子を自然と見守れます。
開放的な空間が生まれる
高さ制限がせまい土地で二階建てを建てると、天井が低くて圧迫感が生まれがち。
中二階住宅は縦の空間を活用しているので、吹き抜けができて開放的な空間を実現できます。
中二階は、1階と2階をつなぐ間取りです。
結果として床面積を広げなくても、部屋が広く見える効果がありますよ。
収納スペースが増える
子どものおもちゃをしまったり使わない季節家電を片付けたり、収納スペースはいくらあっても足りなく感じるものです。
中二階の下部分を利用すれば、収納スペースを作れます。
中二階の広さによりますが、奥行きがある3〜4畳ほどの収納スペースができます。
大きな家具も収納できるので、片付ける際に非常に便利です。
デザインの自由度が高い
中二階を作ることで、デザインの自由度がぐっと広がります。
リビングに接する部分に作った場合、中二階がリビング内のアクセントになるでしょう。
中二階住宅は「自宅をカフェのようなおしゃれ空間にしたい」と思っている方にぴったりです。
床面積を有効活用できる
土地の面積がせまくなりがちな都心部では、いかに床面積を有効活用できるかが重要です。
壁で部屋を仕切ると、その分部屋はせまくなってしまいます。
中二階は壁を設置せずに空間を仕切れるので、うまく床面積を節約できますよ。
中二階住宅のデメリット
中二階住宅のデメリットは、以下の通りです。
・固定資産税がかかるケースがある
・室温管理が難しい
・老後に暮らしにくくなる可能性も
・建築費用が高くなる
・設計や工事に専門知識が必要
デメリットを理解したうえで、中二階住宅を検討しましょう。
固定資産税がかかるケースがある
中二階住宅は、固定資産税がかかるケースがあります。
固定資産税の計算方法は以下の通り。
・固定資産税=評価額(課税標準額)✕標準税率
床面積によって家屋の評価額が異なるので、中二階が床面積として計上されると固定資産税が高くなります。
中二階が床面積とされるのは、以下の条件を満たした場合です。
・中二階スペースに関して、床から天井までの高さが1.4メートル以下
・設置されているフロアの床面積に対して、中二階の面積が2分の1未満
具体的に、2階の床面積が60平方メートルの場合で考えてみましょう。
・高さが1.4メートル以下
・面積が30平方メートル未満
上記の条件であれば、固定資産税はかかりません。
ただし、自治体によっては条件が異なるので注意してください。
室温管理が難しい
上下階とつながる中二階は、スペースが広がる分だけ室温管理が難しいです。
冬場は温かい空気が上に行くので1階が寒くなり、夏場は冷たい空気が下に行き2階が暑くなりがち。
空気の体積が大きくなることで、冷暖房を付けてから適温になるまで時間がかかります。
そのため、中二階住宅では空調設備に以下のような工夫が必要です。
・断熱性能や気密性能にこだわる
・シーリングファンやサーキュレーターを設置する
壁や屋根、窓などの材質を工夫すると、断熱性・気密性が向上しやすいですよ。
老後に暮らしにくくなる可能性も
年齢を重ねるごとに、誰もが階段の上り下りを負担に感じやすいですよね。
中二階住宅にすると上下階に移動することが多くなるので、老後は暮らしにくくなるかもしれません。
リビングや水まわり、寝室といった生活に必須となる間取りは、できるだけ1階に集約しておきましょう。
現段階では寝室を2階に設けたとしても、将来的に1階に寝室を設置できるようにスペースを確保しておくと安心です。
建築費用が高くなる
中二階住宅は構造が複雑なので、建築費用が高くなります。
柱や壁で支える通常の住宅とは異なり、中二階住宅は耐震性を確保するのが難しいです。
つまりコストをかけて、耐震性が確保できる頑丈な建物にしなければいけません。
「予算がオーバーしてしまった……」と後悔しないために、中二階は費用がかかることを把握しておきましょう。
設計や工事に専門知識が必要
特殊な構造の中二階住宅では、設計や工事に専門知識が必要です。
経験によって仕上がりに差が生じるので、中二階住宅の施工実績が豊富な会社に依頼するのがおすすめ。
自分好みの中二階住宅を作ってもらうには、施工事例を確認することが大切です。
また、モデルルームやオープンハウスを見学するのもよいですね。
中二階住宅がおすすめなケース
中二階住宅は、以下のようなケースにおすすめです。
・土地に高低差がある
・ワークスペースを確保したい
・子どもの遊び部屋がほしい
なぜおすすめなのか、具体的に解説していきます。
土地に高低差がある
中二階住宅は縦の空間を活用できるので、土地に高低差がある場合におすすめです。
土地に高低差があると、建物がせまくなりがち。
さらに高低差を解消するための造成工事には、高額な費用がかかります。
土地によっては、完全にフラットにすることが難しいケースもあるでしょう。
「造成工事は費用がかかるけれど、できるだけ広々とした空間にしたい」と悩んでいる方は、部屋を広く見せる効果がある中二階住宅を検討してみてください。
中二階を作ることで、高低差が自然に解消されて敷地を有効活用できますよ。
土地を確保しづらい都心部の場合も、中二階住宅は向いています。
ワークスペースを確保したい
在宅勤務の普及により「ワークスペースを確保したい」と考えている方は、多いのではないでしょうか。
在宅用の部屋を用意できなくても、中二階を活用すればワークスペースを設けられます。
プライバシーを守りつつ、開放的な空間で仕事に集中できるのが魅力ですね。
1階・2階とは高さが異なるので生活感が映り込みにくく、Web会議がはじまっても問題ありません。
子どもの遊び部屋がほしい
中二階スペースは家族間のコミュニケーションが取りやすいため、子どもの遊び部屋にぴったりです。
1階にいても2階にいても、中二階にいるお子さんの様子をチェックできます。
家事をしながらコミュニケーションが取れて、中二階は子育て向きのスペースといえますね。
中二階をキッズスペースにすることでリビングにおもちゃが散らかりにくいのも、うれしいポイントです。
中二階住宅にかかる費用の目安
中二階住宅を検討するために、どれくらいの費用がかかるのかを知っておきましょう。
ただし中二階の広さや階段の段数などによって費用が異なるので、一坪あたりの価格を割り出すのは難しいです。
一般的には、通常の平屋の建築にかかる費用に加えて100〜200万円必要となります。
場合によって費用に差が生まれるため、業者に建築費用を確認してみてください。
複数社に見積りを依頼すると、見積りの費用が妥当なのかをチェックできます。
業者ごとに見積書を比較すると、施工費用をおさえやすいですよ。
中二階住宅のおしゃれな実例3選【Instagramより】
中二階住宅のおしゃれな実例を3つピックアップしました。
・実例①中二階の下を収納スペースに
・実例②家にいながらカフェ気分を味わえる中二階住宅
・実例③いつでも家族とコミュニケーションできる中二階住宅
「中二階を作って家をおしゃれにしたい」と思っている方は、ぜひチェックしてください。
実例①中二階の下を収納スペースに
中二階の下部分を収納スペースに活用している実例です。
突っ張り棒とカフェカーテンで、収納スペースを作成しています。
奥行きがあるので、大量のおもちゃを収納できるんだとか。
中二階スペースでは、ハンドメイドや読書を楽しんでいるようです。
実例②家にいながらカフェ気分を味わえる中二階住宅
こちらの実例は、家にいながらカフェ気分を味わえる中二階住宅です。
仕事中に気分を変えたくなったときは、ワークスペースから中二階に移動するんだそう。
こちらはカフェテーブルを出した様子。
カフェテーブルのあるおしゃれな空間だと、いつもより仕事がはかどりそうです。
中二階からもテレビを見られるように、間取りを工夫していますよ。
中二階の下部分はキッズスペースになっていて、絵本ラックやおもちゃを置いています。
一番作ってよかったスペースは「中二階」とのことです。
実例③いつでも家族とコミュニケーションできる中二階住宅
中二階にいながら、いつでも家族とコミュニケーションできる実例です。
キッチンからも、リビングからも中二階の様子が見えるのがポイント。
今は、旦那さんの趣味スペースとして活用しているそうです。
将来的には、お子さんの勉強スペースにしたいんだとか。
中二階があることで空間が立体的になり、アクセントが効いたリビングになっています。
開放的な空間を作りたいなら中二階住宅がおすすめ
今回は中二階住宅のメリットやデメリット、おすすめなケースについて解説しました。
中二階住宅は家族とコミュニケーションが取りやすく、デザインの自由度が高いです。
ただし中二階スペースの高さや面積によって、固定資産税がかかる場合があるので注意しましょう。
縦空間を活用できる中二階住宅は、土地の高低差があるケースにおすすめです。
ワークスペースや子どもの遊び部屋がほしいという方も、ぜひ中二階住宅を検討してみてください。
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