トランクルームとレンタル収納スペースの違い
ものを預けるサービスは、基本的にどれも同じと考えていませんか。実は、「トランクルーム」と「レンタル収納スペース」には、大きな違いがあります。
トランクルームはものを預けるサービス
トランクルームは、スペースを借りるのではなく、物品を預け、保管してもらうサービスです。よって賃貸ではなく寄託契約となります。
国土交通省に営業倉庫登録をしている会社だけが「トランクルーム」という名称を使うことができ、国交省の定める「標準トランクルーム約款」にしたがって営業しています。
営業日時が決まっており、庫入れや庫出しは会社が行い、預ける物品はすべて種類や数量を記載した申込書を作成しなければなりません。自由に出し入れできないことに不便を感じるかもしれませんが、そのぶん荷物一つひとつについて、しっかり管理してもらうことができます。破損や紛失についての補償もしてもらえます。
レンタル収納スペースは場所を借りるサービス
レンタル収納スペースは、不動産会社などが営む場所貸しのサービスです。賃貸借契約を結び、収納する荷物の管理は利用者が行います。
庫入れや庫出しは自由ですが、収納物の補償はされない場合が多いでしょう。
活用方法
四季に合わせて荷物を預ける
四季のある日本では、それぞれの季節にあったものが必要になります。人も家も、春には春の装いがあり、夏には夏の装いがあるといった具合です。
そのため、たとえば春先、役目を終えたコートやこたつを収納しなければならないものの、場所が確保できず途方に暮れるという経験は、大なり小なり誰もが思い当たるのではないでしょうか。
そのほかにも、夏に出番の多いキャンプ用品や、海水浴のためのパラソルや浮き輪などは、家の中においておくととても場所をとります。
したがって、夏物と冬物を交互に入れ替えるように工夫すれば、二度手間にならないうえスペース節約になりますね。
行事用品を預ける
ひな人形や五月人形、鯉のぼり、クリスマスツリー、正月飾りなどは、楽しい行事ですが、それらに使用するものは年に一度しか活躍しません。
それ以外の期間は預けておけば、子どもが珍しがって遊んで壊すといった被害にあうこともないでしょう。
アルバムなど過去の思い出や遺品を預ける
古いアルバムや子どもの頃の成績表、賞状類など、「使わないけれど捨てられない」というものは、意外に多くありますよね。
このような思い出のあるものは思い切って預けてしまえば、部屋も気持ちもスッキリします。両親の遺品を家に持ち込めないときなどにもおすすめです。
バイクやタイヤ、工具など屋外系の家財を保管する
今まで一軒家に住んでいた人が違う物件に引っ越す場合、とくにマンションに引っ越す場合は高確率で、収納に困ることになるでしょう。
めったに乗らないバイクや替えタイヤ、工具類などは、今までは家の空いたスペースにおいておけばよかったものの、これからはそうもいきません。これらをまとめて預けられれば、新生活で困ることはなくなります。
利用するときの注意点
維持費と家賃を照らし合わせて賢い決断を
引っ越しを機にトランクルームやレンタル収納スペースを借りようと考えている人は、もう少し広めの物件を検討範囲に入れてみましょう。もしかしたら、トランクルームを借りるよりも、倉庫代わりのスペースを確保できる物件に住むほうが、安上がりかもしれません。
家の中にすべて収まれば、わざわざ倉庫へ出向いたり荷物を送ってもらったりという手間が省けます。意外に予算内でよい物件が見つかることもあるかもしれません。
空調設備の有無を確認する
「ものを預けるだけ」といっても、会社によってサービスはさまざまです。安いトランクルームを見つけた!と思ったら、そこは空調設備が一切なく、屋外型のコンテナボックスだったということもありえます。
屋外型は、もともとが屋外で保管するようなものには向いていますが、衣類など湿気でかびるようなものを預けるには向いているとはいえません。
空調設備に関しては、必ず確認をするようにしましょう。
セキュリティ対策のレベルを確認する
大事な家財から目を離すことになるので、セキュリティがしっかりしているところに預けないと、盗難の危険性があります。また、火災の被害にあった場合は、民家より発見が遅れてしまうことは目に見えていますよね。
とくに宝飾品や有価証券など高価なものを預けたいと思ったときは、セキュリティや防火のシステムに気を配り、物品補償があるところを利用するようにしましょう。
利用できる時間帯を確認する
自分で荷物を出し入れするレンタル収納スペースは、保管物を出し入れする時間に制限がありません。しかし、基本的に倉庫会社が立ち会うトランクルームにおいては利用時間が設けられています。
仕事帰りなどに気軽に立ち寄れるからと近くのトランクルームを選んだのに、仕事が終わったときにはすでに閉まっているという事態もありえますので、注意したいところです。
おわりに
とくに貴重なものを預けたいのならトランクルーム、単にかさばるものを預けておきたいだけなら安価で自由度の高いレンタル収納スペースなど、収納するものや目的に合わせて収納場所を選択しましょう。
引っ越しの荷物をレンタル収納スペースやトランクルームに預けるなら、引っ越し時に収納場所へ立ち寄ってくれる引っ越し会社を見つけましょう。自分で一社ずつ問い合わせるよりも、はるかに効率的ですよ。