市街化調整区域とは?市街化区域との違いは?住宅の売買や土地購入にも建設許可申請がいる?の画像01


また、両親から引き継いだ土地が「市街化調整区域」だった場合は、住宅を建築することができるのかという心配もありますね。
さらに、「市街化調整区域」と指定された土地の場合、既に建っている家であっても、リフォームをする時には許可が必要なこともあるのです。

そもそも市街化調整区域とはなんのためにあるのでしょうか?
調べてみても、難しくてよくわからないという方のために、市街化調整区域についてわかりやすく解説をします。

市街化調整区域とは?市街化区域との違いを分かりやすく解説

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市街化調整区域とは何なのでしょうか?
都市計画法の第七条に詳しく記載されているので紹介しておきますね。

第七条
都市計画区域について無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があるときは、都市計画に、市街化区域と市街化調整区域との区分(以下「区域区分」という。)を定めることができる。
ただし、次に掲げる都市計画区域については、区域区分を定めるものとする。

一 次に掲げる土地の区域の全部又は一部を含む都市計画区域
イ 首都圏整備法第二条第三項に規定する既成市街地又は同条第四項に規定する近郊整備地帯
ロ 近畿圏整備法第二条第三項に規定する既成都市区域又は同条第四項に規定する近郊整備区域
ハ 中部圏開発整備法第二条第三項に規定する都市整備区域

二 前号に掲げるもののほか、大都市に係る都市計画区域として政令で定めるもの
2 市街化区域は、すでに市街地を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とする。
3 市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域とする。

【引用:都市計画法第七条二より抜粋】

ちょっとこれではわかりにくいですね。もう少し具体的に見ていきましょう。

市街化調整区域とは…
市街化を抑制する地域のことで、住宅や施設などを積極的に作って活性化を行わない地域のことです。市街化を目的とはしていませんので、人が住むために必要な一般的な住宅や商業施設などを建築することが原則として認められていません。

市街化区域とは…
市街化を活性化する地域のことで、住宅街や商業施設などがある市街化された区域、またこれらを概ね10年以内で市街化を進める区域です。つまり市街化区域であれば、住宅なども許可なく建築することができます。

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市街化調整区域とは、少し乱暴ですがざっくり言うと、「お店や住宅などを積極的に作ってはいけない、田舎のままにしておくエリア」というイメージです。この区別は都道府県ごとに管理されていて、市街化調整区域に建てる建物を建てる場合は、原則は一部を除いて、都道府県の許可を得なければなりません。

東京都であれば河川敷を除き23区の土地は市街化区域ですが、郊外の農地が広がる場所の中は市街化調整区域の場所もあります。
詳しくは市区町村の都市計画課で都市計画図を見ることで確認できます。市区町村によってはホームページで閲覧可能なので、検索してみるのもよいでしょう。

なんとなくイメージができたでしょうか?

ちなみに、この2つの区域の他に「非線引き区域」というものもあります。簡単に説明すると、市街化区域にも市街化調整区域にも区分しないエリアのことです。将来的に計画的に市街化する区域ではありますが、現時点ではなにも決められていないエリアになります。

市街化調整区域でも建設許可があれば建設できるものもある

市街化調整区域は、原則として人が住むための住宅や商業施設などは建築できないのですが、絶対住んではいけないのかというと、そういうわけでもありません。

市街化調整区域内であっても、地方自治体に申請し建築許可が下りれば、住宅を建てることが可能となります。では、どんな基準を満たせば建築することができるのでしょうか。都市計画法34条に定められている開発許可の主な基準を見てみましょう。

都市計画法34条による開発許可の主な基準

概要 具体例
第1号 開発区域に住んでいる人の生活のために必要な施設 店舗・修理業・理美容院・学校など
第2号 鉱山資源・観光資源などの施設、第1種特定工作物に関わる施設 遊園地・ホテルなどの施設や、ゴルフコースなど
第3号 特別の自然的条件を必要とする施設
第4号 農林水産物の処理や貯蔵・加工などに必要な施設
第5号 特定農山村地域における農林業等活性化施設
第6号 中小企業の共同化や集団化の事業に使う施設
第7号 現在ある工場の事業を効率化するために必要な施設 (原則として既存工場に隣接する土地であること)
第8号 危険物(火薬類)の貯蔵または処理に供する施設
第9号 道路の円滑な交通を確保するために必要な施設 ドライブインやコンビニ、ガソリンスタンドなど
第10号 地区計画または集落地区計画の区域内における開発
第11号 市街化区域に隣接・近接していて一体的な日常生活圏を構成していると認められる地域で、環境保全に支障がないと認められるもの 住宅など(おおむね40~50棟以上の住宅が一定間隔で集まっていることや、上下水道が整備されている、道路に接しているなどの一定条件が必要)
第12号 条例で区域・目的または予定建築物などの用途を限り定められたもの 線引き前土地所有者の親族の自己用住宅、住宅の増築又は改築など
第13号 もともと居住用や業務用を目的としていた土地であり、一定期間内に建築が完了できるもの 自己用の住宅など
第14号 市街化区域では困難であり、著しく不適当と認められるもので、開発審査会で許可を得られた施設 農家等の親族の自己用住宅(農家分家住宅など)、寺や納骨堂、ゴルフ練習場、老人ホームなど

※地方自治体によっては異なる場合もありますので、実際に建築可能かどうかについては必ず確認をして下さい。

家を建てることができるのは、第11号~14号となっている区域ですね。自分が購入したい土地、家を建てる土地がどのような区域になっているかは、地方自治体などで調べることができますので、まずは確認してみるのが良いでしょう。

市街化調整区域は建売住宅の売買やリフォームにも建築確認申請が必要?!

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市街化調整区域では、住宅や事業用の建築物を開発・建築するためには、個別に審査をうけて許可を得る必要があります。そのため、市街化調整区域の売買は市街化区域に比べて大変です。

土地の売りたい場合に許可を申請するのは買主ですが、売主もその土地が開発できるのかどうかという点を把握しておけば、土地の正しい価値を知ることができ、正当な値付けが可能になります。

また、今ある住宅や事業用施設を建て替える場合でも、申請して許可を得る必要があります。建て替えだけでなくリフォームも申請の対象となりますので、ご注意を。

市街化調整区域は地目が宅地でも建設確認申請がいる?!

市街化調整区域では、地目が宅地(既存宅地)となっている場合でも建設確認申請が必要です。

2001年5月18日に都市計画法の改正が行われ、既存宅地制度は廃止されました。
それ以前は建築物の新築や増改築などについては申請が必要なかったのですが、現在は市街化調整区域の場合、たとえ地目が宅地となっていても必ず建設申請許可が必要となるのです。

市街化調整区域の新築・住宅リフォームは、住宅ローンが通りにくい傾向がある

市街化調整区域に限らず、住宅の建築やリフォームの時には金融機関でローンを組むことがほとんどですね。しかし、市街化調整区域の場合にはリフォームであっても住宅ローンが通りにくい傾向にあります。

市街化調整区域は住宅ローンを組む金額によっては、ローン申請が却下されてしまうこともあるのです。地目が農地の場合には、さらに難しくなるでしょう。

なぜ、市街化調整区域は住宅ローンが通りにくいのでしょうか?これは、市街化調整区域は担保の価値が低いため、ローンの支払いが滞って担保を差し押さえした時に、ローンの残高を賄うほどの価値で売れないということになりかねないからなのです。

そのため、市街化調整区域の土地を安く手に入れたとしても、住宅ローンが組めずに住宅を建築できないというリスクがあることを覚えておく必要があります。

市街化調整区域はインフラが整っていない場合がある

市街化調整区域は、電気・ガス・水道などのインフラが整っていない場合もあります。もし市街化調整区域の土地を安く手に入れたとしても、自己負担で電気を引いたり、水道・ガスを通したりしなければならない場合があります

公道が隣接しているのであれば、水道やガスは通っている可能性もありますが、下水道についてはないことが多いため、浄化槽の設置も必要となり、住宅建築の費用がかさんでしまう点に注意が必要です。

市街化調整区域は土地購入費用や固定資産税が安いなどのメリットもある

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市街化調整区域の土地購入についてのデメリットを見てきましたが、メリットも多くあります。どのようなことがあるか見ていきましょう。

市街化調整区域は土地購入の坪単価が安い

市街化調整区域は、市街化区域に比べると格段に土地の価格が安くなっています。そのため土地購入の費用が抑えられ、予算が少ない人でも土地購入をすることができますし、余った予算を家の建築費用に回すことができます。

たとえば、市街化区域で坪単価が25万円だったとしても、市街化調整区域であれば坪単価が10万円以下ということも少なくありません。かなり土地購入の費用が抑えられますね。

市街化調整区域は固定資産税が安くなる

市街化調整区域の土地価格は安いので、土地の評価額も低くなります。土地に対しての固定資産税は土地の評価額に1.4%をかけた金額です。
つまり、市街化調整区域は土地評価額が低いため、固定資産税の負担も少なくて済むということになるわけです。

毎年かかる税金負担を軽減できれば、生活を圧迫することもありませんね。

都市計画税については負担なし

固定資産税は土地や建物をもっていると必ず毎年支払わなければなりませんが、市街化調整区域の土地にかかる都市計画税については支払いの必要がありません。

都市計画税とは、その土地に暮らす人が必要な学校や道路などを整備していくための税金です。こうした整備については、市街化区域で積極的に行うものですが、市街化調整区域では抑制されています。

そのため、市街化調整区域では都市計画税を負担する必要がないのです。

市街化調整区域は騒音なし!大きな庭やガレージ付きも夢じゃない

市街化調整区域は土地の価格が安いので、市街化区域と同じ金額の新築でも、圧倒的に土地が広くなります。たとえば、市街化区域が50坪としたら同じ金額で100坪程度の広さを手に入れることができます。大きな庭やガレージ付きの戸建ても夢ではありません。

土地の広さについては、地方自治体によって1つの敷地につき最低敷地面積を設けています。つまり、市街化調整区域での建売住宅などは、市街化区域に比べて土地が広くなるのです。

また、市街化区域に比べると大きな道路も少ないですし穏やかな環境ですから、騒音などに悩むこともありません。静かな暮らしを望む人にとっては嬉しいメリットですね。

市街化調整区域の調べ方は?専門の不動産屋を利用しよう

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市街化調整区域について調べる方法としては、地方自治体に確認する方法があります。しかし、難しい用語が多く不動産の素人にはわかりにくかったり、素人が判断してその土地の用途を勘違いしてしまったりと、難易度が高いのです。

そのため、市街化調整区域の開発許可などについて調べるのであれば、専用の不動産業者を利用するのがオススメです。

市街化調整区域の不動産の売買は、複雑で制限が多いので、素人が簡単にできるものではありません。不動産屋によっては、取り扱いをしないところもあるのです。そのため、市街化調整区域を取り扱っている専用の不動産屋を利用するのが安心です。

市街化調整区域に得意な不動産屋を見極めて、探すことが大切です。

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