しかし、素人の方で間取り図を作成した経験はそうないでしょう。
そのため、初めての間取り図作成ではプラン集を参考にしても、何に注意すればいいのかわからなくなりがちです。

そんな方のために、こちらでは間取り図作成の基礎から住宅間取りのプラン集実際に注文住宅を建てた方からのアドバイスをご紹介します。
注文住宅を建てようと考えている方にとって、有益な情報ばかり集めましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

間取り図を作る上でどんなことに注意したらいいのか、事前に知っておこう!
経験者からのアドバイスもきっと役に立つよ!



家の間取り図の作成前に、見方や不動産用語を知っておこう

間取り図の作成の基礎~住宅間取り図プラン集・体験談あり~の画像02

注文住宅で理想の家を建てるためには、間取り図の見方や不動産用語を知っておく必要があります。

間取り図にはアルファベットの略語で表される部分がありますので、間取り図を制作する前に代表的なものからマイナーなものまで、なるべく広く知っておきましょう。

以下が、間取り図によく用いられる不動産用語の一覧です。

間取り図の不動産用語
LDK リビング・ダイニング・キッチン
UB ユニットバス・お風呂
WC 水洗トイレ
CL クロゼット
WCL ウォークインクロゼット
SCL シューズインクロゼット
SR サービスルーム・納戸(※)
RF ロフトや中二階の収納スペース
PS パイプスペース
CF クッションフロア
SB シューズボックス
W 洗濯機置き場
R 冷蔵庫置き場
MB メーターボックス

(※)建設基準法で居室にできない部屋

LDKやWCなど多くの方が知っている略語もあれば、RFやCFなど見慣れない略語も多いのではないでしょうか。

WCLはWICと表記されたり、WやRも「洗」や「冷」と表記されたりすることもあります。
特定の表記だけではないケースがあることも覚えておいてください。

LDK(リビング・ダイニング・キッチン)について解説

ここからは、間取り図を作成する際に重要度の高い箇所について詳しく説明していきます。

まずはLDK。リビングとダイニング、キッチンが一体化している間取りのことです。
DKとLDKの違いがイマイチわからないという方も見受けられますが、DKは「食堂兼台所」であり、LDKはそれに居間が加わっています

そのため、「3LDK」の間取りであれば、リビング・ダイニング・キッチンの他に3つの部屋がある物件を指します。

また、「4LD・K」のように、特定の場所が独立している場合には、略語の途中に点が書かれます。
「4LD・K」ではキッチンが独立している間取りのことを意味しますので、覚えておいてください。

UB(ユニットバス)について解説

次に、ユニットバスを表すUB
ユニットバスと言うと、「トイレとお風呂が一緒になっている間取り」をイメージする方が多いのではないでしょうか。

トイレとお風呂が一緒になっている間取りも確かにユニットバスですが、バス・トイレ別でもユニットバスとなるケースが考えられます。

ユニットバスとは本来、浴槽と壁、床、天井が一体化している間取りのことを指し、2点型と3点型に分けられます。
洗面台と浴槽が一緒になっているものが2点型ユニットバスで、そこにトイレが加わると3点型ユニットバスとなります。

ユニットバスの詳しい説明は、以下の記事でもお伝えしていますので、ぜひ間取り図を作成する前に一度目を通してみてください。

<関連記事>ユニットバスとはトイレ付き風呂ではない?!

収納スペースは種類が沢山ある

間取りを考える際に注意したい収納スペースですが、一言に「収納スペース」としても種類がたくさんあります。

人が入れるスペースのあるWCLと入れないほどの広さであるCL、土足のまま入れるSCLに、独立した物置場所である納戸
靴箱を意味するSBに、ロフトや中二階の収納スペースであるRFも挙げられます。

SBは玄関付近に用意するのが一般的ですが、CLの数はいくつにするのか、WCLのように人が入れるほどの広さを用意するのか考えなくてはいけません。
いくつもの収納スペースの中から、自身の生活スタイルに合わせて間取り図を作成しましょう。

PS(パイプスペース)の場所って実は重要

間取り図の中でもあまり見慣れない略語の代表がPSではないでしょうか。
PSはパイプスペースの略で、水道管やガス管などの配管が設置されている場所を差します。

実は間取り図を作成する上で、PSの位置は非常に重要な意味を持ちます
普段の生活で意識することの少ない部分ですが、配管が近くにあるとトイレの水を流した際などに少なからず音が聞こえます。
そのため、寝室近くにPSを設置してしまうと睡眠を妨げられる可能性があり、思わぬストレスの元になるのでご注意を。

理想の家の間取り図制作で意識したい7つのポイント

間取り図の作成の基礎~住宅間取り図プラン集・体験談あり~の画像03

理想の家の間取り図を制作するためには、間取り図の作成に取り掛かる前に意識したいポイントがあります。

具体的にそれらのポイントを意識した間取り図も後程ご紹介しますが、重視したいポイントは7つ

イメージしづらい点はハウスメーカーが公開しているプラン集を参考にすると、よりイメージが湧きやすくなりますよ。

ポイント①方角や土地の形状

間取り図の制作でまず意識したいポイントは、方角や土地の形です。

方角や土地の形(周囲との立地関係)は、陽当たりに大きく影響します。
また、風水の観点からみると、方角は自身やご家族の運気アップに繋がる大切な要素。
陽当たりと併せて、気になる方は検討してみてください。

ポイント②風通し

2つ目のポイントとして意識したいのが風通しです。

窓の配置によって風通しの良さが変わります。
しかし、どれだけ風通しが良くても、ゴミ捨て場からの悪臭が室内に入ってくるようでは理想的な間取りとは言えません。
周辺環境との兼ね合いを考えた上で、風通しの良い間取り図を作成する必要があるでしょう。

ポイント③水回りの集約

間取り図を作成する際には、水回りはなるべく近距離に配置するように心掛けましょう。

キッチンの近くにトイレを配置するのはあまりイメージできない方もいるかもしれませんが、キッチンの隣にお風呂場を配置し、その隣や近辺にトイレを置くのであれば想像しやすいのではないでしょうか。

それらの水回りが散らばっていると、湿気に悩まされたり、寝室や居室で頻繁に水の流れる音が聞こえてきたり…。
水回りの分散は生活動線にも影響するので、避けた方が無難です。

ポイント④家族構成と必要な広さ

自身で間取り図を作成するとなると、家をどの程度の広さにするのか悩む方も多いでしょう。
その場合には、必要な広さは家族構成から考えてみてください

家族構成は今現在の家族構成だけではなく、将来まで見通して計算に入れるのが大切です。
子どもが独立した後や、両親の介護が必要かなど、20年後、30年後の未来も想像して、過不足のない広さを選びましょう。

ポイント⑤家の面積と土地の広さ

注文住宅を購入する際には土地の広さから家の面積まで考える必要がありますが、特に気を付けたいのが、土地に対する家の建築面積や高さです。

建築基準法で定められている北側斜線制限や建ぺい率・容積率など、注文住宅を購入する際に耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

建ぺい率:敷地面積に対して建築面積が占める割合
容積率:敷地面積に対して延床面積が占める割合
北側斜線制限:北側にある建物の陽当たりを確保するための制度

それぞれの具体的な数値をはじき出すのは難しいかもしれませんが、家を建てる際には、これらの制限を受けるということを覚えておきましょう。

ポイント⑥生活動線

水回りの配置でもお伝えしましたが、間取り図を作成する際には生活動線に留意してください。
生活動線とは、簡単に言うと「その家に住む方の動く道筋」。
生活動線が整っていると自宅内でストレスを感じることが少なくなり、快適な生活が送れるでしょう。

しかし、家族内で生活スタイルが大きく異なる場合には、事前にそれぞれの生活スタイルを考えた上で生活動線を決めなくてはいけません。
家族で活動する時間帯が異なる場合、他の家族が休んでいる時に生活音が伝わってしまう間取りでは、心身ともに休まりませんので注意してください。

ポイント⑦家具の配置やコンセントの位置

間取り図を作成する段階で、家具をどのように置くか、コンセントはどこにあるのが理想的かまで考えておきましょう。

家具の配置やコンセントの位置などを事前に決めておかないと、せっかく間取りにこだわって家を建てても、配線などでごちゃごちゃしてしまいがち。
結果として家が手狭に見えてしまうので、できる限り具体的にシミュレーションして、家具の配置やコンセントの位置を決めておきましょう。

住宅の間取り図プラン集~例をもとにシミュレーション~

間取り図の作成の基礎~住宅間取り図プラン集・体験談あり~の画像04

間取り図で意識したい7つのポイントをおさえたら、実際に住宅の間取り図プラン集から間取り図作成のシミュレーションをしてみましょう。

以下で4つの間取り図をご紹介します。
家族構成や年齢、面積、階数などがそれぞれ異なりますので、自身の置かれている状況に近い間取り図を参考にしてみてください。

間取り図①平屋30坪(夫婦+幼稚園児1人)

間取り図の作成の基礎~住宅間取り図プラン集・体験談あり~の画像05

まずは平屋30坪の間取り図ですが、家族構成は夫婦に幼稚園児の子どもが1人。
こちらの間取り図でピックアップしたいポイントは以下の通りです。

・家事動線が短い
・子どもとコミュニケーションが取れる
・子どもが増える将来も考えられている
・風通しが良い

リビングの広さや開放感が印象的な間取りですが、キッチンや洗濯機置き場の位置にも注目してください。
近くに勝手口があることから、ゴミ捨てや洗濯干しなどが、近距離の移動で済ませられる配置となっています。

そして、玄関から必ずリビングを通って子ども部屋に行く配置になっていますので、子どもとコミュニケーションを取りやすい環境が作られています。
さらに、部屋は仕切りで区切ることも可能で、将来子どもが増えても部屋数が足りなくなる心配はありません。

風通しも良く、生活動線がはっきりしていることから、家具の配置なども想像しやすい間取り図ではないでしょうか。

間取り図②2階建て3LDK(夫婦+幼稚園児1人+小学生1人)

間取り図の作成の基礎~住宅間取り図プラン集・体験談あり~の画像06

こちらは2階建ての3LDK、家族4人で暮らす33坪の間取り図。
こちらでピックアップしたいポイントは以下の通りです。

・家族間のコミュニケーションが取りやすい
・水回りが集約している
・わかりやすい生活動線

玄関から自宅に入ると、それぞれの自室に向かうために必ずリビングを通るため、家族間のコミュニケーションが乏しくなる心配はありません。
また、対面タイプのキッチンなので、炊事をしながらコミュニケーションが取れるのも嬉しいですよね。

そして、家の北側に水回りが集約している点も理想的。
2階にあるトイレも北側であり、それぞれの部屋から可能な限り離されていることから配管の騒音に悩まされることもないでしょう。

ご夫婦は1階の寝室とリビングで生活を送り、子どもはそれぞれ自室があることから、生活動線もわかりやすくすっきりしています。

間取り図③2階建て4LDK(夫婦+中学生以上の子供2人)

間取り図の作成の基礎~住宅間取り図プラン集・体験談あり~の画像07

こちらは2階建ての4LDK。
家族4人構成は前項と同様ですが、子どもが2人とも大きくなっています。
こちらの間取り図でピックアップしたい点は以下の通りです。

・家事動線を最大限効率化している
・工夫された収納スペース
・コミュニケーションが取れる生活動線
・2階踊り場も活用

キッチンの近くにパントリー兼家事スペースがあり、洗面所も近いことから、広い自宅内を家事のために動き回る必要がありません。
家の間取りが広くなるほど家事の負担が大きくなりがちですが、こちらの間取りではその負担を最大限減らせるよう配慮されています。

また、収納スペースも充実しています。
2階にある納戸だけでなく、玄関横に広い収納スペースがあることから、靴はもちろんコートや物置として使うことも可能です。
納戸によって2階の子ども部屋が多少狭くなってしまいますが、踊り場に勉強机を配置することでその不安も解消しています。

それぞれの部屋に向かうために必ずリビングを通る点も、家族間のコミュニケーションが取れる良いポイントと言えるでしょう。

間取り図④二世帯住宅50坪(夫婦+子供+親夫婦)

間取り図の作成の基礎~住宅間取り図プラン集・体験談あり~の画像08

最後に50坪の二世帯住宅の間取り図。
こちらの間取りでピックアップしたい点は以下の通りです。

・玄関から分離している二世帯住宅
・親夫婦が過ごしやすい間取り
・将来的に世帯間通路の確保も可能

玄関が2つあり、親世帯と子世帯で完全に分離している二世帯住宅の間取り。1階が親夫婦、2階が子ども夫婦の生活空間となっています。

1階はリビングと併せて陽当たりのよい和室を配置することにより、親夫婦が日中を過ごしやすい間取りになっています。
また、和室は玄関側からも直接入れる構造なので、来客があった際にはすぐに和室へ招待できるでしょう。

さらに、玄関正面の収納スペースから子世帯へ繋がる通路が確保されているので、将来的には両世帯を一つにすることも可能です。

実際に注文住宅の間取り図を作成した人からアドバイス

間取り図の作成の基礎~住宅間取り図プラン集・体験談あり~の画像09

注文住宅の間取り図作成は、意識しなければならないポイントがたくさんあることから、制作途中に「何が正解なのか」わからなくなってしまう方も少なくはありません。
そんな時は、実際に注文住宅の間取り図を作成した方の意見を参考にしてみてください。

ここからは、注文住宅を作った経験のある方からのアドバイスをご紹介します。

住んでからのイメージをシミュレーションすることが大切

間取り・設備・外壁の色など、考えたり選んだりする事がすごく多くかなり苦労しました。
私が家を建てる時に一番大事だと思うのは「住んでからのイメージをシミュレーションする事」です。
例えば、最近家を建てた友人の家を拝見させてもらう、住宅展示場に足を運ぶ、モデルハウスを見に行くなど。
「自分のスタイルに合った家をイメージする事」が、注文住宅を建てる時に大事だと私は思います。
【東京都・38歳・夫婦と子供2人(82.5平米・4LDK・2000万円)】

間取りを考えれば家事短縮に繋がる

実際に住んだ時のことをイメージして、優先するべき項目と削除できる項目を一つずつ整理してから、間取りを決めていくといいと思います。
うちの場合一番作って良かったのはランドリールームです。
洗濯する時間も気にしなくていいので、家事が楽になりました。
室内に物干しできるので通行人や来客者から見えることもないし、花粉なども気になりません。
あと、ランドリールームの横を和室にしており、乾いた洗濯物をランドリールームから和室にポイポイっと投げてそこで畳んでいます。
和室にファミリークローゼットがあり、畳んだ洋服を移動なしで収納できるので、かなり家事動線が短縮できて重宝しています。
【長崎県・34歳・夫婦と子供2人(112.2平米・4SLDK・2400万円)】

子供の年齢や祖母との同居を見据え、全員が気持ちいい間取りに

祖母との同居が決まっていたので、バリアフリーで過ごしやすい動線にこだわりました。
まだ現役バリバリの祖母なのですが、車いすや寝たきりになる可能性も視野に入れて祖母の部屋から考え始めました。
1階はトイレや風呂まですべて引き戸にすることで、歩いての移動だけでなく車いすでも動きやすくなるようにしました。
リビングの隣に祖母の和室を作ることで、寝たきりになったときにでも扉を解放しておくことで家族の顔が見えることを意識しました。
まだ子どもたちが小さいこともあり、家全体で収納スペースを多く設置しました。
キッチン周りだけでなく階段下や洗面所まで、様々な場所に収納スペースを作っています。
リビングには吹き抜けを設け、規格いっぱいの大きな窓を取り付けることで光がたくさん入り込む作りになりました。
【佐賀県・27歳・夫婦と子ども2人と祖母(133.8平米・4LDK+S・金額未公開)】

ニフティ不動産で理想の家を建てよう!

間取り図の作成の基礎~住宅間取り図プラン集・体験談あり~の画像10

注文住宅の間取り図作成における基礎知識や意識したいポイント、具体例などご紹介しましたが、理想の家を建てたい方はぜひニフティ不動産を活用してください!

ニフティ不動産では注文住宅を建てたい地域から、ハウスメーカーのカタログを一括で請求できます。

また、過去に施工された注文住宅の間取り図が掲載されているので、WEB上からいつでも注文住宅の具体例をチェックすることが可能です。

さらに、首都圏限定ではありますが、注文住宅に関するお金の悩みなどを無料で相談できるアドバイザーサポートまであります。

理想の家を建てるために、まずニフティ不動産を覗いてみてください。

ニフティ不動産で住まいを建てる 注文住宅 はこちらから


また、一戸建てに関するコラムもありますので、注文住宅を作る前に、そちらもぜひ参考にしてみてくださいね。

戸建てに関するお悩みコラム一覧はこちらから

アプリなら新着物件を見逃さない!ニフティ不動産アプリ

部屋を借りる!賃貸版はこちら

住宅を買う!購入版はこちら