擁壁(ようへき)とは?種類・トラブル回避・擁壁工事費用を解説の画像01

ここでは、擁壁の種類擁壁工事の費用目安などを解説します。
擁壁がある土地に住宅を建てようと考えている方は、リスクやポイントをしっかり確認しましょう!



高低差がある土地に建てられた住宅は、見晴らしが良くて素敵♪
でも、確認しておくべきチェックポイントがたくさんあるよ!

擁壁(ようへき)とは傾斜がある住宅の崩壊を防ぐ基礎

擁壁(ようへき)とは?種類・トラブル回避・擁壁工事費用を解説の画像02

擁壁とは、崖や建物などが崩壊しないために造られる壁のことです。
街並みを眺めてみると、道路よりも高い場所に建てられている家の下に、コンクリートブロックや石などを使った壁状の構造物を見ることがあるでしょう。それが擁壁です。

擁壁とブロック塀や土留との違い

擁壁とブロック壁、土留との違いを簡単にまとめたものが、こちら。

・擁壁:崖や建物の崩壊を止める構造物
・ブロック壁:外からの視線を遮る・隣家との境目を作るなどが目的の構造物
・土留:崖などの崩壊を防ぐための土木工事

擁壁とブロック壁には、目的の違い(崖や建物の崩壊を止めるために造られたか否か)があります。

擁壁と土留には、壁状の構造物そのものを指すか、工事のことを指すのかの違いがあります。「崖などの崩壊を防ぐ」という目的は同じです。

擁壁の種類は3種類~強度が何よりも重要~

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擁壁にはいくつかの種類があり、住宅(建築物)の重さに耐えられる強度が何よりも重要です。
ここでは、宅地造成等規制法施行令の第六条で定められている「擁壁の種類」を解説します。

擁壁の種類 詳細
鉄筋コンクリート造 コンクリートに鉄筋が埋め込まれている構造で、耐震性がある。
無筋コンクリート造 鉄筋が入っていないコンクリートの擁壁。
練積み造 ブロック同士を重ねて積んでいき、その間をコンクリートで埋める工法。
最も多く見かける擁壁で、主に間知石(けんちいし)や間知ブロックを用いる。

鉄筋コンクリート造と無筋コンクリート造は「RC擁壁」とも呼びます。

この擁壁の種類は宅地造成等規制法に記載されているものですが、地方自治体の条例によっても変わってきます。必ずお住まいの自治体に確認をしておきましょう。

建築基準法における擁壁も知っておこう

建築基準法には、擁壁について以下の記載があります。
擁壁を造ったり、擁壁のある土地を購入したりする際は、擁壁の状態に問題がないか確認しておきましょう。

第百四十二条 第百三十八条第一項に規定する工作物のうち同項第五号に掲げる擁壁(以下この条において単に「擁壁」という。)に関する法第八十八条第一項において読み替えて準用する法第二十条第一項の政令で定める技術的基準は、次に掲げる基準に適合する構造方法又はこれと同等以上に擁壁の破壊及び転倒を防止することができるものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いることとする。
一 鉄筋コンクリート造、石造その他これらに類する腐食しない材料を用いた構造とすること。
二 石造の擁壁にあつては、コンクリートを用いて裏込めし、石と石とを十分に結合すること。
三 擁壁の裏面の排水を良くするため、水抜穴を設け、かつ、擁壁の裏面の水抜穴の周辺に砂利その他これに類するものを詰めること。
四 次項において準用する規定(第七章の八(第百三十六条の六を除く。)の規定を除く。)に適合する構造方法を用いること。
五 その用いる構造方法が、国土交通大臣が定める基準に従つた構造計算によつて確かめられる安全性を有すること。

【引用元:建築基準法施行令

材料や作り方についてはこちらで確認できますが、「該当不動産の擁壁の強度はこれさえ満たしていれば大丈夫なの?」と疑問に思いますよね。こちらについては、残念ながら素人判断では無理です。
それではどうすればいいのか…次の章で詳しく解説します。

擁壁トラブルやリスクを回避するための注意点

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擁壁の強度が基準を満たしているのか、事前に確認しておきたいところですが、こちらは業者に頼んで地盤調査を実施しないと分かりません

ちなみに、擁壁の耐用年数は20~50年です。
仮にこれから購入しようとしている土地や中古不動産の擁壁に、目視して以下のようなことがあれば、擁壁工事の費用や補修のリフォーム費用がかかる可能性があると思っておきましょう。

擁壁チェックリスト
✔擁壁にヒビ割れや変形(ふくれているなど)がある
✔擁壁の隙間が白くなっている
✔擁壁に水抜き穴がない
✔擁壁の水抜き穴に土や草が詰まっている
✔擁壁の表面から水が出ている(湿っている)
✔擁壁の表面にコケが生えている

上記のチェックリストによって、
・擁壁のひび割れや変形→強度が低くなっている可能性がある
・擁壁の隙間が白くなっている→擁壁の背面がひび割れしている可能性がある
・排水に問題がある→擁壁に水圧がかかり、変形や崩壊の可能性がある
このような危険性が考えられます。

しっかりと基準をクリアして頑丈に造られた擁壁でも、年数が経過するにつれて徐々に劣化していくものです。
また、新しい擁壁であれば全て問題ないというわけでもないので、必ず上記ポイントを確認するようにしましょう。

擁壁に何か気になる箇所があって補修したとしても、根本的な解決にならないことが多いです。擁壁を一から工事するには数百万~数千万の費用がかかる場合もあります。 「引き渡し後に擁壁の問題が見つかった」という事態を避けるためにも、事前チェックが必須ですよ。

擁壁の地盤調査が重要な理由

擁壁のある土地を購入する場合、地盤の状態を正確に把握しておくことがトラブル防止につながります。
擁壁をチェックして擁壁自体に問題がないと判断された場合でも、地盤が不安定では安心できません。本当に安全なのかを確認するには、地盤調査が必要です。

現時点で擁壁自体に問題がない場合でも、住宅を建てることによって擁壁に近い部分の地盤が緩む可能性があります。
また先述したように、擁壁のある中古住宅を購入するとき、売買契約をしてから擁壁の作り直しが必要になったら、トラブルになるのは目に見えていますよね。
地盤調査は今後安心して生活するために重要なのです。

擁壁工事の費用目安と助成金について

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ここからは、擁壁工事の費用目安と助成金について解説していきます。
擁壁にはいくつかの種類があると先述しましたが、一般的に費用が高くなるのは「鉄筋コンクリート>無筋コンクリート>練積み造」の順になります。

擁壁工事の内容 費用目安
擁壁そのものを作る工事費用 数百万円~数千万円
擁壁のやり直し工事費用 3~13万円/㎡
一部修復などのリフォーム工事費用 1~2万円/㎡

これほどまでに費用差があるのは、擁壁の種類や設置環境で工事内容が変わってくるためです。
この他、擁壁の面積・高さによっても費用は大きく変わるので、素人判断せずに擁壁工事業者に見積もりを出してもらいましょう。

擁壁工事の費用、補助金や助成金が出る自治体も

場合によっては大きな費用がかかる擁壁工事。
しかし対象となる工事内容や擁壁の種類であれば、自治体によっては補助金や助成金が出ることもあります。
まずは、施工担当者や不動産業者に補助金・助成金について相談してみると良いでしょう。

擁壁トラブルを回避して快適なマイホームを

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擁壁とはどのようなものか、おわかりいただけたでしょうか?
高低差のある土地に建っている家は見晴らしや風通しが良く、外からの目線が気にならないなどメリットがたくさんあります。

しかし、擁壁工事にかかる費用はとても大きなものです。
擁壁がある場所に家を建てるのであれば、地盤調査を必ずおこないましょう。
擁壁工事が別途必要な場合には、見積もりとあわせて助成金の有無も調べておくと◎!
擁壁の種類によっても工事費用が大きく変わるので、複数の業者に見積もりを依頼してみてくださいね。

事前に擁壁について正しく理解することで、擁壁トラブルを回避して快適なマイホームを手に入れましょう♪

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