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今回の記事では、床の間とは何かや床の間の飾り方、有効活用する方法などを紹介します。床の間をうまく活用して、住まいを快適にしましょう。



床の間とは?

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床の間とは、和室の一角にあり、畳よりも一段高く造られた場所のことを指します。正式名称は「床(とこ)」といい、身分の高いお殿様が座る場所や仏壇の形式が変化したものが起源と言われています。
ここでは、床の間の役割や部材、代表的な形式などを解説します。

床の間の役割

床の間の役割は、掛け軸や生け花などを飾って季節感や風情を演出し、お客様に楽しんでもらうことです。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

●掛け軸や生け花などを飾る

一般的に、床の間には掛け軸や生け花などを飾ります。日本には昔から床の間に季節ごとに掛け軸を飾り、四季の移ろいを楽しむ文化がありました。

また、「とこのま」の言葉遊びから「とこしえ(永久・永遠)」を想起して、神聖なものや大切なものを飾る場合もあります。雛人形や五月人形、月見団子といった季節のものを飾ったり、工芸品や盆栽などをアレンジするのもよいでしょう。

●来客をもてなす

床の間は、江戸時代の頃からお客様をおもてなしする場所として、庶民の家にも作られるようになりました。
そのため、座敷飾りで来客に喜んでいただくことも、床の間の役割の1つです。来客の好みに合わせた掛け軸や生け花などを床の間に飾れば、おもてなしの気持ちを伝えることができます。床の間にお客様の好きな花や作家、思い出のエピソードなどに沿った飾り付けをすれば、会話のきっかけになることも。

また、旅館に宿泊した際、きれいな座敷飾りを見て旅行気分が高まった人も多いのではないでしょうか。旅館の床の間には、まさに宿泊客を歓迎する気持ちが込められています。

床の間を飾ることで奥ゆかしい和の雰囲気を演出できます。和室の床の間を飾り、客間として利用してみてはいかがでしょうか。

床の間の部材

床の間には様々な部材(材料)があります。ここでは、床の間の代表的な部材を6つ紹介します。

床の間の部材①床柱

床柱は、床の間と床脇(※1)の間にある化粧柱(※2)のことです。

※1 床脇:床の間の隣に設けるもの。天袋と違い棚、地袋(床に接して設けられる戸棚)で構成されている。
※2 化粧柱:壁のなかに隠れず、表に見えている柱のこと。

床柱は、室内にあるほかの柱よりも立派な見た目なことをしていることが多いです。正式には、木材の中心を切った時にあらわれる直線的な木目が特徴である柾目(まさめ)のヒノキ角材を面取りして使用します。

床の間の部材②床板

床板は、床の間に敷く板のことです。格式の高い床の間には、畳を使用することがあり、床畳とも呼ばれます。

床の間の部材③床框(とこがまち)

床框は、床の間を正面から見た際に、床板を隠すために用いる化粧横木のことです。床框のなかには、竹や陶器を使用した特殊なものもあります。

床の間の部材④前板

前板は、床の間と部屋の畳部分をつなぐ板のことです。

床の間の部材⑤小壁

小壁は、天井と落し掛け(床の間の上部に使用する木材)をつなぐ壁のことです。小壁は天井から30~50cmほどの高さであることが多いです。

幅が狭い床の間で、小壁の面積を取りすぎると圧迫感が生じる可能性があります。開放感のある床の間にしたい場合は、小壁の面積を小さくしたり、小壁を作らずオープンにしたりすると良いでしょう。

床の間の部材⑥廻り縁

廻り縁とは、天井と小壁の間に貼り付ける板のこと。お部屋に高級感を出すだけでなく、天井と壁の隙間を隠す役割を持ちます。

床の間の代表的な8つの形式

床の間には、本格的なものから少し砕けたものまで様々な形式があります。ここでは、床の間の代表的な8つの形式について詳しく解説します。

床の間の形式①本床

本床は、もっともポピュラーで基本的な床の間の形。旅館や料亭などの和室にある床の間を想像するとイメージしやすいでしょう。

床板に床框を取り付けることで、畳よりも一段高くした床の間のエリアを作ります。そして壁面に床柱を立て、上部には小壁を設けます。この様式は、室町時代に誕生した住宅様式である書院造りでよく見られるものです。

床の間の形式②蹴込床

本床を少し簡易的な作りにしたのが蹴込床(けこみどこ)。
床框をつけずに、床板に蹴込板を取り付けることにより、畳よりも一段高くした様式のことです。
蹴込板とは、床の間の床板と畳寄せの間に垂直にはめている板のことをいいます。一段高くするために使われる板が装飾を施した床框か、シンプルな蹴込み板かで床の間の印象が変わります。

床の間の形式③踏込床

踏込床は、一般的な床の間のような段差を作らず、畳と同じ高さに床板を設置する形式の床の間です。ほかの様式の床の間と比べると、カジュアルな印象を与えます。

床の間の形式④袋床

袋床は、床の間の前方部分に袖壁と呼ばれるものをつけた様式です。袖壁には、下地窓という小窓がついていることもあります。飾り方にいろいろな工夫ができそうな床の間です。和モダンな雰囲気を演出したい方にもおすすめです。

床の間の形式⑤洞床

洞床は、床の間の前方部分を袖壁で覆っており、洞穴の入り口のように見えることが特徴であり、茶室でよく見られる様式です。

床の間の装飾が見にくくなっています。見えない空間を楽しむことを目的とした遊び心のある造りです。

床の間の形式⑥釣床

釣床は、部屋にへこみがなく、天井部分に小壁を設けている様式のことです。小壁の真下部分は、床板や床框などを取り付けておらず、高さもなく、畳のままです。

床の間の形式⑦織部床

織部床は、天井の廻り縁に織部板と呼ばれる化粧板を取り付けただけの様式です。釣床と同様、部屋にへこみがないことが特徴であり、床板や床框なども取り付けておらず、畳のままです。小壁がない分、釣床よりもさらに簡素な造りになっています。

床の間の形式⑧置き床

置き床は、床板部分が台座のようになっており、移動させられる様式です。どこにでも床の間を設置できる点が魅力であり、さまざまなサイズのものが通販サイトで販売されています。マンション住まいで和室が狭い方でも気軽に床の間を設置できます。和室に趣を添えたい方は、置き床を購入してみてはいかがでしょうか。

床の間の飾り方は?

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床の間を装飾する際は、季節を感じさせることが重要です。また、床の間でのマナーやタブーとされていることも認識しておきましょう。

季節を感じさせる飾り方

床の間は、季節を感じさせるものを飾ることをおすすめします。季節感を取り入れることにより、四季の移ろいや和の趣を表現することができ、空間を彩れます。

床の間の飾り方に決まりはありません。そのため、アイデア次第でセンスを感じる空間を演出できます。

先述したとおり、基本的には、掛け軸・生け花・書画などを飾ります。ほかには、日本の伝統文化である工芸品や盆栽、香炉を飾ることもおすすめです。これらの飾り物や置物で季節感を取り入れてみましょう。

例として、旬の花・鏡餅・雛人形・五月人形などを飾ることが挙げられます。季節に合わせて装飾し、四季折々の趣を楽しみましょう。

床の間でのタブーとマナー

床の間には、タブーとされていることやマナーがあります。

タブーとされていることは、床の間に上がったり、荷物を置いたりすることです。床の間には、神様がいるとされており、格式の高い神聖な空間とも考えられています。床の間に上がったり荷物を置いたりすることは、神様に失礼に当たるため避けましょう。

また、荷物を置くことで、綺麗に飾りおもてなしをするという本来の床の間の役割からかけ離れてしまいます。

格式高く神聖な床の間を飾り、おもてなしをすることは大切ですが、飾り物などを設置する場合は、床板を傷つけないように丁寧に扱ってください。

次に、マナーですが、床の間に来客を招く際には、上座に座ってもらいましょう。
床の間に一番近い場所が上座となるため、来客や目上の方には上座に座ってもらう必要があります。 反対に床の間から一番遠い場所が接待する側や目下の人が座る場所である下座です。

床の間をおしゃれにするポイントは?

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床の間をおしゃれにするポイントとして

・照明を使用すること
・飾り棚を設置すること
・余白を作ること
・アクセントクロスを使用すること

が挙げられます。それぞれ詳しく解説するので、床の間の飾り方に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

照明を使用して空間を目立たせる

床の間をおしゃれにするためには、照明を使用して空間を目立たせてみましょう。掛け軸の裏からライトを照らしたり、床板に照明を置いたりすることにより、アイテムや床の間の存在感が増しておしゃれ度が上がります。

床板に置く照明は、シェードの素材が和紙や不織布のものを選ぶと奥ゆかしい和風の雰囲気を演出できるためおすすめです。

飾り棚を設置する

床の間の壁面に飾り棚を設置することもおしゃれにするポイントのうちの1つです。飾り棚により壁面に立体感が出るため、印象が変わりデザイン性が高くなります。

例えば、2枚の棚板を高さの異なる段違いに設置した違い棚に小物や花などを飾ることでセンスのあふれる空間を作り出せます。

アイテム数を少なめにして余白をつくる

床の間をおしゃれに見せるためには、アイテム数は少なめにして余白をつくることも大切です。飾り物や置物をたくさん設置することにより、メリハリがなくなり、それぞれのアイテムの良さが引き立たなくなる恐れがあります。アイテム自体の存在感を出すためには、1つか2つだけにしてシンプルに飾りましょう。

また、アイテム数を減らすことにより、床の間に余白ができます。「余白の美」という言葉があるように、意図的に何もない余白部分をつくることにより、美しさを醸し出せます。

アクセントクロスを使用する

床の間の壁面にアクセントクロスを使用することもおすすめします。床の間のある部屋全体のアクセントとなり、おしゃれな雰囲気を作り出せます。アクセントクロスは、色だけではなく素材にもこだわりましょう。

色はアースカラーや伝統色を選ぶと和の雰囲気に合います。アースカラーとは、大地や海などの自然物をイメージした色のことです。伝統色とは、古くから日本に伝わる色のことであり、繊細で美しい印象を与えます。

素材は、珪藻土や漆喰などがおすすめです。自然素材であり、和の雰囲気と相性が良く、高級感が出ます。

床の間を有効活用する方法は?

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床の間を有効活用するためには、リフォームすることも1つの手です。リフォームすることにより、床の間のタブーを気にする必要もなくなるため、自由に使えます。

床の間のおすすめの活用方法として、収納・ディスプレイ・作業・運動スペースへリフォームすることや仏壇を置くことなどが挙げられます。それぞれ詳しく解説するので、床の間を有効活用したいと考えている方はぜひ参考にしてください。

収納スペースとして利用する

床の間を収納スペースとして利用することが人気を集めています。物が増えて収納場所に困っている方やもともと収納スペースが少なくて悩んでいる方におすすめです。

例えば、突っ張り棒をつけることにより、クローゼットとして使用できます。ほかには、3段ボックスや棚を設置することにより、小物や本を収納しても良いでしょう。

生活感が気になる方は、ロールスクリーン・カーテン・扉などをつけて目隠しすることで、すっきりさせられます。

ディスプレイスペースとして利用する

ディスプレイスペースにリフォームすることも床の間を有効活用する方法のうちの1つです。趣味グッズを飾って楽しみたい方や見せる収納をしたい方におすすめです。

壁に飾り棚を設置してみてはいかがでしょうか。 フィギュア・靴・レコード・食器などの趣味グッズやコレクションをきれいに並べることにより鑑賞楽しめます。自分のお気に入りが詰まった素敵な空間となるでしょう。

作業スペースとして利用する

床の間の横幅や奥行きが広い場合は、作業スペースとして利用できます。机を置いて書斎やテレワークする場として使用してみてはいかがでしょうか。床の間を利用することにより、スペースが区切られているため、半個室のようになり、作業に集中して捗らせることができます。

より作業を捗らせるためには、壁紙も変えてみましょう。リラックスしながら作業に取り組みたい方はブラウンやベージュなどの落ち着いた色、やる気を出したい方はイエローやオレンジなどの元気が出る色、集中力を高めたい方はブルー系がおすすめです。

運動スペースとして利用する

床の間をリフォームして運動スペースとして利用することもおすすめします。自宅に筋トレ器具やフィットネスバイクを置いてる方のなかには、部屋の圧迫感や窮屈さに悩んでいるという方もいるのではないでしょうか。床の間のデッドスペースを有効活用することにより、部屋に置く必要がなくなるため、悩みを解決できます。

仏壇を置く

リフォームせずに床の間を有効活用したい場合は、仏壇を置くという方法もあります。基本的には、仏壇は仏間に置くため、仏間がない方におすすめの有効活用方法です。

仏壇を床の間に置くことは、タブーであると考えている方が多いようですが、実際には問題ありません。床の間は格式高い神聖な場所でもあるため、仏壇を置くことで、ご先祖様に敬意を表すことにもなります。

リフォームして有効活用した実例

リフォームして有効活用した実例を見ていきましょう。ここでは3つの実例を紹介します。床の間のリフォームを検討してる方はぜひ参考にしてください。

実例①部屋全体を子供部屋にして、収納棚を設置

こちらの方は、床の間を飾る機会が少なかったため、部屋全体を子供部屋にして、床の間には可動式ブックシェルフを設置しています。タブレット学習の端末や本、工作道具などを収納しているとのことです。

床の間のスペースを利用することにより、くぼみにブックシェルフを設置できるため、部屋に圧迫感や窮屈さを与えることなく、すっきりした印象となります。

実例②木材のベッドを設置することで、畳と相性抜群

こちらの方は、1畳ある床の間を活用することができなかったため、ベッドを設置しています。ベッドの素材を木材にすることにより、畳との相性が抜群です。間接照明も置いており、和の雰囲気を損なうことなく活用できています。

廃材を使用してDIYしているとのことで、ベッドボードも作る予定のようです。DIYが好きな方は挑戦してみてはいかがでしょうか。

実例③収納可能なソファベッドを設置

こちらの方は、床の間に収納可能なソファーベッドを設置しています。ソファベッドの下に2つの引き出しを作ることにより、空間をさらに有効活用できている点が魅力です。ゆっくりくつろぐためののソファー・お昼寝するためのベッド・子供が遊ぶため空間などさまざまな目的で使用できるスペースに変化しています。

床の間を有効活用して快適な住まいにしよう

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今回の記事では、床の間とは何かをはじめとして、飾り方、有効活用する方法などを紹介しました。床の間は、掛け軸や生け花などを飾り、来客をおもてなしする役割があります。床の間を飾る際は、季節感のあるものを取り入れて、四季折々の趣を楽しみましょう。

床の間を使用する機会がなく、デッドスペースになっている方は、思い切ってリフォームして有効活用することをおすすめします。自分に合った活用方法を見つけて、快適な住まいにしましょう。

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