さらに、冷蔵庫を処分するのに費用がかかると言われても、すぐに納得して支払いを決断するのは非常に困難です。
実は、冷蔵庫は無料、または、安い費用で処分できます。
なぜなら、冷蔵庫を捨てるのではなく、売却や譲渡をすれば、捨てる場合に発生する費用を支払わずにすむからです。
ここでは、冷蔵庫を無料で捨てられない理由や3つの処分パターンとともに、それぞれのケースで発生する費用情報を順序だててお伝えします。
この記事を読み終わる頃には、冷蔵庫の処分方法における検討の優先順が整理され、冷蔵庫を無料ないしは安く処分できるようになります。
- 冷蔵庫が粗大ゴミとして処分できない理由
- 冷蔵庫を処分する3つのパターン
- 冷蔵庫を売却する3つの方法
- 冷蔵庫を譲渡する2つの方法
- 冷蔵庫を引き取ってもらう5つの方法
- まとめ:冷蔵庫は無料や安い費用で処分可能
冷蔵庫が粗大ゴミとして処分できない理由
冷蔵庫は家電リサイクル法により、粗大ごみとして捨てられません。
家電リサイクル法は、家電4品目(冷蔵庫・テレビ・エアコン・洗濯機)から部品や材料をリサイクルして、資源の有効活用やゴミの削減推進を図っています。
そのため、冷蔵庫を捨てるためには、指定された方法に従って手続きをしなければなりません。
参考:経済産業省「家電リサイクル法とは」
冷蔵庫を捨てる場合には、法律で指定されたリサイクル料金として最低でも3,700円以上がかかり、さらに必要に応じて運搬料金も発生します。
このことから、現在利用中の冷蔵庫が不要になった場合には、処分方法を慎重に考えましょう。
冷蔵庫を処分する3つのパターン
冷蔵庫の処分パターンは3種類に分類されます。
・売却する
・譲り渡す
・引き取ってもらう
もし、売却できると、リサイクル料金や関連費用の支払いなくなるだけでなく、思わぬ収入を得られる可能性があります。
また、冷蔵庫を必要としている人に譲ることができれば、やはりリサイクル料金を払う必要はありません。
そして、最後の引き取ってもらうパターンは、家電リサイクル法に基づいて捨てるパターンに該当します。
冷蔵庫を処分するための出費を抑え、あわよくば無料で済ませたいならば、売却→譲渡→引き取りの順番に検討しましょう。
冷蔵庫を売却する3つの方法
中古の冷蔵庫を業者や個人に売って、買い取ってもらえる環境が整っています。
家電リサイクル法の対象となっている家電4品目の中古市場は拡大傾向だからです。
環境省の調査によると、家電4品目の中古市場は2012年時点で408億円でしたが、2021年には推定813億円とほぼ2倍に成長しています。
特にリユースショップやフリマアプリでの購入の伸びがその成長源です。
参考:環境省「令和3年度リユース市場規模調査報告書」
そこで、ここからは、個人でもできる、冷蔵庫を買い取ってもらえる3つの方法をご紹介します。
複数の方法を試して、買い取ってもらえる可能性を高めましょう。
買い取り専門店を利用
家電の買取専門サービスに依頼をすると、リサイクル料金の支払い回避に加え、思わぬ臨時収入を得られる場合があります。
ネットで検索をすると複数の専門店が表示されます。
対応エリアも全国を対象としている専門店も多く、住んでいる地域を気にせず利用可能な冷蔵庫の売却方法です。
ただし、売却したい冷蔵庫が使用不可能だったり、10年以上前の型式だったりすると、買い取り価格がつかない場合があります。
また、回収してもらい時期が直近の場合、希望通りに対応してもらえないことがある点も要注意です。
買取サービスの利用を検討するならば、まずは売りたい冷蔵庫の情報を伝えて概算確認しましょう。
リユースショップを利用
街でリユース品を販売しているお店に買い取ってもらうことも検討すべき案の1つです。
例えば、家電のリユース品も販売しているセカンドストリートだと、10年以内の型式の冷蔵庫を買い取ってもらえます。
買取基準 | 買取不可な状況 | 買取不可の場合の対応 |
---|---|---|
製造から10年以内、かつ、使用可能 | 製造から11年以上経過、または、動作不良や故障している 電源コードの表皮が破れている |
処分・引き取りは実施無し |
もし、処分したい冷蔵庫が買取基準に合致、かつ、買取不可な状況でなければ、買い取ってもらえる可能性が高いです。
また、冷蔵庫を店舗に持ち込めない場合は、自宅まで出張して無料で見積対応してくれるため、ためらわず問い合わせしましょう。
リユースショップが自宅から遠くにあると、距離の問題で出張してもらえないケースがあります。
そのため、買取基準に合致をしても、買い取ってもらえない場合は、別の方法に切り替えましょう。
フリマアプリを利用
フリマアプリを活用すれば、個人間で冷蔵庫を取引できます。
例えば、フリマアプリのトップシェアのメルカリでは、冷蔵庫を出品できます。
また、メルカリの公式サイト上では、冷蔵庫の出品する際のポイントが公開されており、個人では対応が難しい梱包サービスの利用も可能です。
参考:メルカリ「メルカリで冷蔵庫って売れるの?安心して賢く出品するための方法を解説」
フリマアプリの場合、商品を購入前に直接確認できないため、現物を受け取った購入者からクレームをもらう場合があります。
そのため、数多くの写真の掲載や、メッセージ機能を活用した心配事項の確認をして、購入者とのトラブル回避に努めましょう。
冷蔵庫を譲渡する2つの方法
処分したい冷蔵庫を買い取ってもらえない場合、次に考えるべきは冷蔵庫の譲渡です。
譲渡であれば、リサイクル料金の支払いを回避できるためです。
一方で、個人間で譲渡をするケースでは、個人で冷蔵庫を運搬しなければなりません。
もし、自分で運搬ができない場合は専門業者への運搬依頼が必要になりますが、その際に費用が発生する点は要注意です
まずは、周囲の知り合いや住まいの周辺に冷蔵庫を探している人がいないか確認してみましょう。
知人や友人に譲渡
周りの知人や友人に冷蔵庫を譲渡すれば、リサイクル料金無しに処分できます。
ただし、冷蔵庫の配送に費用が発生する場合があります。
冷蔵庫のサイズが大きくなると、自家用車に入らず運べません。
また、掴みづらい形をしているため、重さによっては素人が運び出すのは非常に困難です。
仮に、配送業者に運搬依頼をすると、その相場は1.5万円から2万円ほどかかります。
参考:ニフティ不動産「引越しで冷蔵庫を運ぶ方法と手順」
知人や友人に譲ることを検討する場合には、冷蔵庫の運搬がポイントです。
費用が発生するならば、その取扱いも含め事前に入念に会話をしてトラブル防止しましょう。
地元の掲示板サイトを利用
住まいの周辺地域で冷蔵庫を引き取りたい人を探すために、掲示板サービスを活用する方法もあります。
例えば、地元掲示板サービスの一つであるジモティで確認すると、無料での冷蔵庫の提供に関する書き込みが6万件以上もあります。
前述の冷蔵庫の運搬費用が心配されますが、引き取ってもらう際の運び出しや運送を譲渡の条件にすれば、費用負担する必要はありません。
仮に無料で譲渡しても、引き取ってもらえればリサイクル料金や運搬費用の支払は不要です。
そのため、周りの知り合いで譲渡先が見つからない場合には、地元の掲示板サイトで譲渡先を探してみましょう。
冷蔵庫を引き取ってもらう5つの方法
買取や譲渡が進まないと、処分したい冷蔵庫を引き取ってもらわなければなりません。
冷蔵庫は、家電リサイクル法で各種業者が引き取ることを義務化されているため、必ず引き取ってもらえます。
ただし、引き取りにはリサイクル料金や運搬費用、場合によって関連手数料が必要です。
さらに、同じ冷蔵庫でも、引き取ってもらう業者によって費用が異なります。
冷蔵庫を引き取ってもらう方法は5つです。
・新しい冷蔵庫を購入するお店に引き取りを依頼
・処分する冷蔵庫を購入したお店に引き取りを依頼
・専門業者に引き取りを依頼
・家電リサイクル受付センターに引き取りを依頼
・指定引取場所に持ち込む
冷蔵庫の処分方法が引き取ってもらうしか残っていないと、一定程度の費用発生は避けられません。
そのため、引き取ってもらう際の手間や、支払う費用を比較して、ベストな引き取り方法を選択しましょう。
新しい冷蔵庫を購入するお店に引き取りを依頼
冷蔵庫の処分と同時に新しい冷蔵庫の購入を予定しているならば、新しい冷蔵庫の購入先のお店に引き取ってもらえます。
家電リサイクル法により、リサイクル対象の家電を買い替えた場合に同じ家電の引き取りを求められた小売業者は、引き取る義務があるためです。
参考:特定家庭用機器再商品化法 第三章 小売業者の収集及び運搬(引取義務)
小売業者に引き取ってもらう場合には、リサイクル料金に加えて、運搬料金も発生します。
例えば、大手量販店で買い替えをした場合の引き取ってもらうために必要な料金は1台当たり4,240〜8,580円程度です。
家電量販店 | リサイクル料金 (税込) |
運搬料金 (税込) |
関連ページ |
---|---|---|---|
ヤマダ電機 | 170L以下:3,740~5,599円 171L以上:4,730~6,149円 |
2,200円 | 家電リサイクル回収のお申込について |
ビックカメラ | 170L以下:3,740~5,599円 171L以上:4,730~5,600円 |
1,650円 | 家電のリサイクル・引き取りについて |
ヨドバシカメラ | 170L以下:3,740~5,600円 171L以上:4,730~5,600円 |
500~2,750円 | 大型家電リサイクル回収 |
ケーズデンキ | 170L以下:3,740~5,600円 171L以上:4,730~5,600円 |
2,200円 | リサイクル回収について |
エディオン | 170L以下:3,740円~ 171L以上:4,730円~ |
250L以下:1,100~2,200円 251L以上:1,650~2,750円 |
家電リサイクル |
ノジマ | 170L以下:5,390~7,590円 171L以上:6,380~8,580円 |
商品を購入したら古い商品は処分できますか? | |
上新電機 | 170L以下:3,740円~ 171L以上:4,730円~ |
1,650~3,300円 | 家電リサイクル |
コジマ | 170L以下:3,740~7,249円 171L以上:4,730~7,799円 |
1,650円 | 廃家電のリサイクルについて |
2023年8月時点の情報
なお、買い替え時の引き取りは、通信販売の場合も適用されます。
買い替えするお店が下取りサービスをしていれば、下取り金額で引き取り料金をまかなえる場合もあります。
新しい冷蔵庫の購入時には、下取り金額も踏まえたお店選びをして、最終的な支出額を抑えましょう。
処分する冷蔵庫を購入したお店に引き取りを依頼
冷蔵庫を捨てるだけの場合でも、対象の冷蔵庫を購入した家電小売店に引き取ってもらえます。
家電リサイクル法では、過去に販売した冷蔵庫の引き取りを求められた小売業者は引き取る義務が明示されているためです。
参考:特定家庭用機器再商品化法 第三章 小売業者の収集及び運搬(引取義務)
引き取りの際に発生する費用は、買い替え時の引き取りのケースと同様に、リサイクル料金と運搬料金が発生します。
また、運搬費用は買い替え時よりも高くなる小売店もあります。
家電小売店での冷蔵庫の引き取りに必要な費用は1台当たり5,940〜12,149円程度です。
家電量販店 | リサイクル料金 (税込) |
運搬料金 (税込) |
関連ページ |
---|---|---|---|
ヤマダ電機 | 170L以下:3,740~5,599円 171L以上:4,730~6,149円 |
2,200円 | 家電リサイクル回収のお申込について |
ビックカメラ | 170L以下:3,740~5,599円 171L以上:4,730~6,149円 |
6,000円 | 家電のリサイクル・引き取りについて |
ヨドバシカメラ | 170L以下:3,740~5,600円 171L以上:4,730~5,600円 |
2,750円 | 大型家電リサイクル回収 |
ケーズデンキ | 170L以下:3,740~5,600円 171L以上:4,730~5,600円 |
5,500円~ | リサイクル回収について |
エディオン | 170L以下:3,740円~ 171L以上:4,730円~ |
250L以下:2,200~3,300円 251L以上:2,750~3,850円 |
家電リサイクル |
ノジマ | 170L以下:5,390~7,590円 171L以上:6,380~8,580円 |
商品を購入したら古い商品は処分できますか? | |
上新電機 | 170L以下:3,740円~ 171L以上:4,730円~ |
3,300円~ | 家電リサイクル |
コジマ | 170L以下:3,740~7,249円 171L以上:4,730~7,799円 |
1,650円 | 廃家電のリサイクルについて |
2023年8月時点の情報
処分した冷蔵庫を購入した家電小売店を覚えていても、遠くに住んでいると距離の問題で引き取ってもらえない場合もあります。
引き取りの可否は小売店が判断するため、購入先が分かるならば、まずは引き取り相談をしてみましょう。
専門業者に引き取りを依頼
買い替えをしなかったり、購入した小売店が分からなかったりする場合には、専門業者に依頼すると冷蔵庫を引き取ってもらえます。
何かしらの理由で家電小売店に引き取ってもらえない場合、住まいの自治体に問い合わせをすると、引き取り可能な業者を教えてもらえます。
自治体によっては、関連するwebページに複数の関連業者を掲載しており、すぐに専門業者に連絡もできます。
参考:一般財団法人家電製品協会「全国自治体家電リサイクル関連ページ検索」
ここで注意すべきは、無許可の業者に依頼をしてはならない点です。
家電リサイクル対象品目の引き取りは、自治体から一般廃棄物処理業の許可を得ている、もしくは、委託されている業者のみです。
無許可業者に依頼をすると、高額請求をされるトラブルに巻き込まれる恐れがあります。
参考:経済産業省「なぜ「正しい処分」しないといけないの?」
引き取りの際に発生する費用は、リサイクル料金と運搬料金に加えて、運び出し手数料などの追加費用が発生するケースもあります。
自治体から紹介される専門業者が複数ある場合には、複数社に見積依頼をして、少しでも安価に対応してくれる業者を選択しましょう。
家電リサイクル受付センターに引き取りを依頼
今の住まいが、東京都の23区の場合には、住まいの自治体の許可した業者とは別で、家電リサイクル受付センターに引き取りを依頼できます。
引き取りに必要な費用は、1台当たり6,897〜9,306円程度です。
金額自体は家電小売店に引き取ってもらう場合とほぼ同様です。。
しかし、家電リサイクル受付センターを利用する際、家電の取り外しや回収場所への運び出し作業は含まれていません。
そのため、処分したい冷蔵庫が大きい場合、その運び出し作業は素人ではとても手に負えない場合がある点を考慮しておく必要があります。
リサイクル料金 (税込) |
運搬料金 (税込) |
関連ページ |
---|---|---|
170L以下:3,740~5,599円 171L以上:4,730~6,149円 |
3,157円 | 家電リサイクル受付センター |
住まいが東京23区内で、かつ、冷蔵庫を自分で運び出せるならば、家電リサイクル受付センターによる引き取りも選択肢の1つになります。
指定引取場所に持ち込む
自宅近くに家電リサイクルの指定引取場所があれば、直接冷蔵庫を持ち込むと引き取ってもらえます。
指定取引場所に持ち込む場合のメリットは、必要な費用はリサイクル料金と郵便局での振込手数料のみで、運搬費用が不要になる点です。
一方、冷蔵庫が大きいと軽トラックをレンタルする必要があったり、持ち込み日時を指定引取場所の営業日に合わせたりと、手間暇がかかります。
参考:一般財団法人家電製品協会「使わなくなった製品をご自身で指定取引場所へ持っていく場合」
処分したい冷蔵庫が自家用車でも運搬可能で、指定引取場所に簡単にアクセスできるならば、直接持ち込んで運搬費用を浮かせましょう。
まとめ:冷蔵庫は無料や安い費用で処分可能
この記事では、冷蔵庫の処分方法と取りうる3つのパターンを解説しました
・買取サービスやフリマアプリで売却すれば、処分費用の回避に加えて、思わぬ収入もあり
・周りの人や地元の掲示板サイトを経由して冷蔵庫を求めている人に譲渡すれば、処分費用は不要
・業者に引き取ってもらうならば、複数業者から見積もりを取って、可能な限り安価方法を選択
冷蔵庫は、売却や譲渡できれば、家電リサイクル法で定められたリサイクル料金の支払は不要になり、処分費用を無料や非常に安くできます。
以前に比べて、家電の中古品市場は拡大しており、中古品に対する心のハードルは低くなりつつあります。
そのため、ゴミにしかならなかった中古冷蔵庫を引き受けてもらえるチャンスも拡大していると考えるのは妥当です。
ただし、売却や譲渡には時間がかかる場合があるため、早めに動き出さないと処分費用を浮かせるチャンスを逃しかねません。
業者に引き取ってもらい捨てる方法を最終手段として、まずは売却や譲渡での冷蔵庫の処分を試みて、出費を抑えましょう。
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