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今回は、ワーケーションのメリット・デメリットや導入事例を解説します。
ワーケーションを実践する際のポイントまで詳しく説明するので、新しい仕事スタイルを取り入れたい方の参考になれば幸いです。

実際にワーケーションを経験した方の体験談もご紹介します!
ワーケーションを実施したい方は、要チェックですよ!



ワーケーションは意味ない?経験者の体験談を紹介

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最初にワーケーション経験者の体験談をご紹介するので、参考にしてみてください。
実際の体験談はこちらです。

遠方の親族のもとで用事があり、息抜きをかねて秋田でワーケーションをしました。 2週間のうち観光は1日で、後は仕事です。
ワーケーションに向けて、ネット回線の有無・速度・料金を調べておきました
息抜きになりましたが、行き帰りの荷物が多く移動が大変でした。 花沢とことこ・自営業・静岡県・50代・女性

リフレッシュとリラックスを目的として、1泊2日のワーケーションを実施しました。 仕事で必要となるので、滞在先のインターネット接続が安定しているかを事前に確認しました。
滞在先によっては、ポータブルWi-Fiやモバイルデータプランを用意しなければいけません。
新しい環境で仕事をすることで、日常のストレスから解放され、心身ともにリフレッシュできたのでよかったです
ただし、予想外にインターネット接続が不安定だったり、速度が遅かったりしました
リモート会議やデータのアップロード・ダウンロードに支障が出ると、仕事がスムーズに進まないことも。
仕事と観光のバランスを考慮し、スケジュールをしっかり立てることが、ワーケーションを成功させるポイントだと思います。 ぺる・会社員・静岡県・20代・男性

人混みを避けたかったため、落ち着いている函館市の温泉をワーケーション先を選びました。 仕事1日、観光1日の1泊2日です。
私の場合は観光の最中も、チームメンバーに依頼した仕事の進捗が気になりました。
会社組織に属する方ならば、まとまった有休を取得して観光したほうが、じっくりと楽しめると思います
フリーランスや個人事業主の方に、向いている仕事スタイルかもしれませんウィッシュボーン・会社員・北海道・30代・男性

コロナでリモートワークになり、家でずっと作業しているのがきつかったのでワーケーションを取り入れました。 10泊のうち観光は3日、仕事は6日というスケジュールです。
昼間は仕事なので、朝・夕・夜に観光できるスポットを事前に調査しました
景色がよいコワーキングスペースがないかもチェックしておきましたよ。
仕事のストレスが発散されて、かなりリフレッシュできました。
ご当地の名物も食べられたので満足です。
いろいろと不安はあるかもしれませんが、一度やってみるとその楽しさが分かると思います。 匿名・自営業・福岡県・40代・女性

会社にワーケーションの許可を求めたところOKをもらえたので、親族が住んでいる台湾に息子と1ヶ月ほど滞在しました。 基本的に、平日は9時から17時までは仕事をして、その後は街をブラブラしたりプールや海で遊んだり。
Wi-Fi環境とデスク周りの環境を確認した以外は、海外出張と特に変わりませんでした
息子にとっては日本とは異なる新鮮な驚きがあり、食でも言葉でも刺激になったみたいです。
時間をかけて、息子と一緒に異文化体験ができたことが一番の思い出ですねぶらりたろう・会社員・北海道・30代・男性

ワーケーションとは?

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そもそもワーケーションとは「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語です
普段のオフィスを離れ、観光地や帰省先で休暇を楽しみながら仕事をするスタイルのこと。
ワーケーションの例をいくつかご紹介します。

・リゾート地に6日滞在し、4日間は仕事・2日間は観光をする
・遠方の帰省先にて土日祝は休暇を楽しみ、平日はテレワークで仕事をする
・家族で観光地に出かけ、日中は仕事を行い、それ以外は家族とリフレッシュをする
・地方移住のお試しとして、数日間地方でテレワークを実施する

ワーケーションは仕事をしながら適度にリフレッシュできるため、ワークライフバランスの改善に効果的です。
場所を選ばずに働ける、新しい仕事スタイルといえますね。

ワーケーションの2つのタイプ

ワーケーションは「企業主体」と「個人主体」の主に2種類に分けられます。

企業主体 個人主体
特徴 企業が主導して行き先や内容を決定する。合宿型の社員研修や社員旅行と似ている。企業が所有する施設を利用するケースも。 社員が個人的に行き先や内容を決定する。ホテルや旅館、帰省先から仕事を行う。
目的 社員同士のコミュニケーション。 長期間の旅行・帰省によるリフレッシュ。
メリット 会社主体のため業務調節が容易。他の社員の目を気にせず参加できる。 自由に計画を立てて好きな場所に行ける。家族と予定を合わせやすい。

それぞれの特徴を理解しておきましょう。

ワーケーションはいつから始まった?普及した背景について

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ワーケーションの意味を理解したところで、普及した背景について説明します。

ワーケーションの始まりは2000年代のアメリカ
デジタル機器の普及により、場所を問わずに仕事ができるようになったことがきっかけです。
有給休暇の取得率を向上させるため、ワーケーションという新しい仕事スタイルが誕生しました。

日本でワーケーションが認知されたのは2015年頃といわれています
大手企業が主導する形で導入され始め、少しずつ中小企業にも広まりました。
2018年には働き方改革関連法が成立し、日本社会では柔軟な働き方が推進されていきます。

その後、新型コロナウイルスの影響によるテレワークの増加をきっかけに、急速にワーケーションが普及しました
地域移住者を誘致する取り組みとして、ワーケーションに力を入れる自治体も増えています。

ワーケーションの導入状況

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ここからは、ワーケーションの導入状況をご紹介します。

観光庁が2022年3月に発表した「「新たな旅のスタイル」に関する実態調査報告書」によると、66.0%の企業がワーケーションを認知しているという結果になりました。
・「よく知っている」と回答した企業……21.8%
・「なんとなく知っている」と回答した企業……44.2%

加えて、ワーケーションの導入について、大手企業ほど導入率が高いことが判明しました。

【企業規模ごとのワーケーション導入率】

導入している 導入を検討している 導入していない わからない
全体 5.3 12.7 68.3 13.7
~9名 3.2 8.2 71.6 17
10~29名 8.7 14.5 66.7 10.1
30~49名 3.7 25.9 66.7 3.7
50~99名 7.1 21.4 57.1 14.3
100~299名 2.1 21.3 68.1 8.5
300名~ 13.5 16.2 62.2 8.1

ワーケーションを導入していない理由として、小規模企業の場合は「まずはテレワークの導入が優先である」と回答した割合が高いです。

参考URL:「新たな旅のスタイル」に関する実態調査報告書

ワーケーションのメリット

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ワーケーションのメリットは、主に6つあります。

・リフレッシュできる
・仕事の効率がよくなる
・新しいアイデアが湧く可能性がある
・ワークライフバランスの改善につながる
・長期休暇を取得しなくても旅行や帰省ができる
・家族との時間がとりやすい

いつものオフィスと違う場所で働くことで、仕事の合間に景色を楽しんだり、業務外の時間に観光できたりします。
新しい刺激で気分をリフレッシュすれば、オンとオフのメリハリが生まれ、生産性が向上するでしょう

「旅行や帰省をしたいけれど、チームメンバーに長期間フォローを頼むのは難しい……」と長期休暇の取得をためらっている方もいるのでは。
ワーケーションなら長期休暇を取得しなくても、旅先で仕事を進められるので、スケジュールが遅延する心配がありません
パートナーや子どもの休みと合わせてワーケーションを実施し、家族との時間を作るのもよいですね。

ワーケーションのデメリット

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ワーケーションのデメリットは、次の通りです。

・ワーケーションに不向きな人もいる
・作業環境を整えなければいけない
・セキュリティ面でリスクがある

ワーケーションを成功させるには、仕事と休暇のバランスを考慮した上でスケジュールを立てなければいけません。
そのため、自己管理が苦手な人はワーケーションが向いていない可能性があります
「慣れない場所が苦手」または「オフィス以外で集中できない」という人もワーケーションに不向きですね。

加えて、デスクやWi-Fi環境、PCなどの作業環境を整える必要があります。
Wi-Fi環境があっても通信が途切れたり、速度が遅かったりすると仕事に支障をきたす恐れも。

旅先では社用のPCやスマホを紛失しないように注意してください
フリーWi-Fiに安易に接続すると、悪意ある第三者に情報を抜き取られるリスクがありますよ。
ワーケーションを行う前にセキュリティリスクを把握し、対策を施しておきましょう。

ワーケーションを実践する際のポイント

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ワーケーションを実践する際のポイントを、5つピックアップしました。

・作業環境を整える必要がある
・ワーケーションに向き・不向きな人がいる
・会社の就業規則に違反しないかを確認する
・ワーケーションプランを活用する
・全てが経費となるわけではない

ひとつずつ見ていきます。

作業環境を整える必要がある

ワーケーションを実践するには、作業環境の整備が欠かせません
観光を目的としたホテルでは、机や椅子がデスクワークに適さない形状の可能性があります。

ワーケーションをする前に、最低限チェックすべきポイントをまとめました。

・デスクワーク向きの机や椅子が用意されているか
・コンセントの位置や数に問題はないか
・Wi-Fi環境の速度や料金は仕事に支障をきたさないか
・ポータブルWi-Fiやモバイルデータプランは必要か

滞在先で働き出してから焦らないように、事前の下調べが大切です。

ワーケーションに向き・不向きな人がいる

テレワークに対して「自宅で作業できて快適!」または「集中できない……」と感じる人がいるように、ワーケーションにも向き・不向きがあります
ワーケーションがおすすめな人の特徴は、以下の通りです。

・オンとオフの切り替えができる
・仕事のスケジュールを立てるのが得意
・旅行の計画を立てるのが苦にならない
・外出するのが好き
・新しい刺激を求めている
・息抜きをしたほうが業務がはかどる

「自分にワーケーションが向いているかわからない」という場合は、まずは近場のホテルで1泊2日するなど、短期間で実践するのがおすすめですよ。

会社の就業規則に違反しないかを確認する

会社員がワーケーションを実践する際は、会社の就業規則に違反しないかを確認しましょう
テレワークは可能でも、自宅以外の作業を認めていないケースもありますよ。

ワーケーションを許可していても
・取得可能な時期は閑散期のみ
・1日単位でしかワーケーションを取得できない
上記のような条件付きで設定している企業も多いです。

ワーケーションプランを活用する

ワーケーションの普及が進むなか、いくつかの宿泊施設サイトでは、旅先での仕事を前提とした「ワーケーションプラン」を提供しています
宿泊施設で仕事を行うことを前提とするので、自分で作業環境を細かく確認する手間が省けて便利です。

初めてのワーケーションで「何をチェックしたらよいかわからない」と不安な方でも、安心して利用できるでしょう。

全てが経費となるわけではない

注意点として、ワーケーションでかかった費用の全てが経費となるわけではありません。経費となるかの基準は「業務に必要な費用なのかどうか」

たとえば、コワーキングスペースの利用代・通信費は業務に不可欠な費用なので、ほとんどの場合は経費として申請可能です。
一方、休暇をかねたワーケーションならば、交通費・宿泊費は経費として計上できないのが一般的ですね。
なお、取引先への訪問をかねた宿泊の場合は、交通費・宿泊費が経費として認められる傾向にあります。

ワーケーションの行き先の選び方

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基本的に、ワーケーションは「自分が興味のある場所」に行くのが一番です
好きな場所を訪れることで、効率よく気分転換できるでしょう。
釣りや写真、温泉、食べ歩きなど、趣味をメインに目的地を選ぶのもよいですね。

作業環境を重視するならば、積極的にワーケーションの誘致に取り組んでいる地域・施設を選ぶのがおすすめ
たとえば、長野県は早い段階からワーケーションに注目しています。
軽井沢町や松本市など複数の自治体で「信州リゾートテレワーク」を推奨しており、ビジネスパーソンのニーズに応える施設が多数存在しているんです。

参考URL:信州リゾートテレワークのご案内

ワーケーションの事例3選

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最後に、ワーケーションの事例を3つご紹介します。

・日本航空株式会社
・ユニリーバ・ジャパン
・株式会社野村総合研究所(NRI)

以下で詳しく解説しましょう。

ワーケーションの事例①:日本航空株式会社

日本航空株式会社
従業員数:13,869名(2020年時点)
ワーケーションの導入時期:2017年

2015年から働き方改革に取り組み始めたものの、有給休暇の取得率が課題に。
対策として、休暇利用中に仕事を行う、休暇型のワーケーションを導入しました。

「長期休暇の取得への抵抗感」や「復帰後の業務量増加に対する不安」を軽減でき、有給休暇取得率のアップに成功しました。

参考URL:導入企業事例|日本航空株式会社

ワーケーションの事例②:ユニリーバ・ジャパン

ユニリーバ・ジャパン
従業員数:500名(2020年時点)
ワーケーションの導入時期:2016年

2016年より、働く場所や時間を自由に選べる「WAA(Work from Anywhere and Anytime)」を導入。
社員へのアンケートでは
・自分で使っていく時間を主体的に選択できるようになったことが大きい
・余計なストレスが軽減し、より仕事への意欲が増した
などの高評価を得ています。

参考URL:導入企業事例|ユニリーバ・ジャパン

ワーケーションの事例③:株式会社野村総合研究所(NRI)

株式会社野村総合研究所(NRI)
従業員数:6,353名(2020年時点)
ワーケーションの導入時期:2017年

平日は通常の業務を行い、週末は休暇を取る仕組みで、2017年から企業主体のワーケーションを実施しています。
徳島県三好市にある古民家に滞在するため、通称「三好キャンプ」と呼ばれ、年3回実施されます。
「業務的なモチベーションを維持すること」と「働く環境を変えることによる気付きや発見」がワーケーションの主な目的です。

参考URL:導入企業事例|株式会社野村総合研究所(NRI)

ワーケーションで気分リフレッシュ!仕事の効率もアップするかも?

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今回はワーケーションの体験談やメリット・デメリット、導入事例をご紹介しました。
ワーケーションを取り入れれば、長期休暇を取得しなくても遠方への旅行・帰省が可能となります。

ただし「自分でスケジュールを立てるのが苦手」または「慣れない場所では集中できない」という方にとってはワーケーションが向かない可能性も。

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