アシダカグモはゴキブリ対策になる益虫!放置がおすすめ?駆除したい時の方法も解説の画像01

見た目は怖く見えますが、アシダカグモは害虫対策に役立つ益虫です。
そこで本記事では、アシダカグモの特徴や、益虫だといわれている理由を解説します。

「益虫だとしても、やっぱり放置しておくのはちょっと抵抗がある…」という方に向けて、駆除する方法も紹介するので、ぜひチェックしてみてください。



アシダカグモとは?10cm以上の大きさの巨大グモ

アシダカグモとは、屋内に現れるクモの中で最大級のサイズを誇る巨大グモ。
大きさは10cm〜13cm程度で、人間の手のひらやCD・DVD程度の大きさです。

体色は茶色や灰色で、全身が短い毛で覆われています。

また、アシダカグモは基本的に、関東よりも南の暖かい地域に生息しています。
北海道や東北などの寒い地域で見かける機会は少ないでしょう。

巨大で不気味なクモがいきなり家に現れたら、思わず悲鳴をあげたくなってしまいますよね。
しかし、アシダカグモは、人間にとって害がある虫ではないので安心してください。

別名「アシダカ軍曹」と呼ばれるアシダカグモの特徴

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アシダカグモは、別名「アシダカ軍曹」とも呼ばれています。

「アシダカグモがいる家は、半年以内にゴキブリが全滅する」といわれており、その様子が軍隊の中核を担う「軍曹」を連想させるため、「アシダカ軍曹」という別名がつけられました。

ここでは、そんな「アシダカ軍曹」の主な特徴を6つ紹介します。

1.外来種である
2.徘徊性のクモで蜘蛛の巣を貼らない
3.夜に行動する
4.特殊な感覚器官が発達している
5.約300個の卵を産む
6.毒性はない

以下で詳しく解説していきますよ。

1.外来種である

アシダカグモは日本に昔からいたクモではなく、インド原産の外来種です。
日本で最初に発見されたのは、1878年の長崎県。海外からの輸入品に紛れ込んでいたと考えられています。
もともと暖かい地域に生息していたクモであるため、日本の中でも比較的暖かい地域で見かける場合が多いです。

2.徘徊性のクモで蜘蛛の巣を張らない

アシダカグモは、徘徊性のクモです。
巣を作って1箇所にとどまるのではなく、獲物を探して常に動き回ります
したがって、家の中でアシダカグモを見かけたとしても、蜘蛛の巣を張られてしまう心配はありません。

3.夜に行動する

アシダカグモは夜行性です。人間が寝静まったあとに、獲物を探して行動を始めます。
昼間は家具のすき間やクローゼットの奥など、暖かくて静かな場所に潜んでいる場合が多いです。
「アシダカグモを夜に見かけた」という人が多いのは、昼間は行動せずに体を休めているからなのですね。

4.特殊な感覚器官が発達している

特殊な感覚器官が発達しているところも、アシダカグモの特徴です。
足先にあるこの感覚器官のはたらきにより、アシダカグモは獲物の存在を素早く感知します。
暗い中でも難なく獲物を捕まえられるのはこのためです。

5.約300個の卵を産む

アシダカグモは、1度に約300個もの卵を産みます。
産卵期は6月〜8月頃。卵は「卵嚢(らんのう)」という袋に包まれており、孵化するまでは母グモが口にくわえて持ち運んでいます。
そして、孵化した幼体は1箇所に固まった状態で成長し、脱皮を繰り返して1年程度で成体になります。

6.毒性はない

アシダカグモに毒性はありません。
獲物を捕まえるために液を分泌しますが、人間の体には影響がない消化酵素などの成分でできています。
したがって、アシダカグモに触れてしまうようなことがあったとしても、心配する必要はないでしょう。

アシダカグモが益虫だといわれている理由4つ

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「怖い見た目をしているのに、アシダカグモはなぜ益虫だといわれているの?」と疑問に思っている方に向けて、主な理由を4つ紹介します。

1.ゴキブリ・蛾・ハエなどの害虫を捕食する
2.人間に危害を加えない
3.病原菌を媒介しない
4.ずっと同じ家に住みつかない

アシダカグモを駆除するか迷っている方は、参考にしてください。

1.ゴキブリ・蛾・ハエなどの害虫を捕食する

アシダカグモが「益虫」だといわれているのは、ゴキブリ・蛾・ハエなど、人間に害を与える虫を捕食してくれるからです。

ゴキブリは排水口などを通って家に侵入するので、細菌を保有している可能性が高いです。人間が食べる食品などにゴキブリが触れると、細菌が食品にまで繁殖してしまう可能性もあります
また、蛾やハエも病原菌を媒介する虫です。放置しておくのは衛生的に良くありません。

上記のような害虫を人の手で駆除するのは大変な作業です。殺虫剤をまいたり防虫剤を置いたりしても、完全に駆除できるとは限りません。

しかし、アシダカグモが家に入れば、害虫たちを勝手に捕食してくれます。いわば「お金がかからない害虫駆除」のようなものなので、アシダカグモは「益虫」だと捉えられているのです。

2.人間に危害を加えない

アシダカグモは怖い見た目をしていますが、人間に危害を加えないクモです。
捕食するのはゴキブリやハエなどの害虫だけ。蛾やダニのように、人間の皮膚を噛んだり血を吸ったりすることはありません
また、臆病な性格をしているため、人間が活動している昼間は隠れて出てこない場合が多いです。

基本的には、人間の生活に害を与える虫を「害虫」と表現します。
家の中にいるアシダカグモを放置していたとしても人間には害がないため、アシダカグモは「害虫」ではないと考えられているのです。

ただ、人間の方からアシダカグモに危害を加えたり追い詰めたりすると、噛まれる可能性があるので気をつけましょう。

3.病原菌を媒介しない

アシダカグモは、病原菌を媒介しない虫です。
殺菌作用がある消化液を口から出して、餌を消毒しながら捕食するのがアシダカグモの特徴。
したがって、残った食べかすの中で病原菌が繁殖する可能性は低いです。
またアシダカグモは、消化液で自らの体も清潔に保っています。キレイ好きなクモなので、ゴキブリなどのように外から病原菌を運んでくる心配もありません。
上記のような理由から、アシダカグモは「益虫」に分類されています。

4.ずっと同じ家に住みつかない

アシダカグモがずっと同じ家に住みつく可能性は、きわめて低いといえるでしょう。
先述したとおり、アシダカグモは徘徊性のクモです。獲物を求めて常に移動しています。
したがって、もし家の中でアシダカグモを見かけたとしても、家にいるのは短期間だけ。
餌となるゴキブリなどの害虫を食べ尽くしてしまったら、次の餌場を探して旅立っていきます
蜘蛛の巣を張って住人を困らせることもないので、人間にとって害がない虫だといえるでしょう。

アシダカグモを見かけたら放置がおすすめ

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アシダカグモを見かけたら、駆除せずに放置しておくのがおすすめです。

先述したとおり、ゴキブリやハエなどの害虫を人間の代わりに駆除してくれます。
また、害虫たちを食べ尽くしてしまったら餌がなくなるので、アシダカグモもいなくなるでしょう。

ただ、虫嫌いな人は「巨大で不気味な見た目をしたクモを放っておくなんて気持ち悪い」と思ってしまいますよね。

そのような場合は、なるべくアシダカグモに危害を加えない方法で駆除しましょう。具体的な駆除方法については次の章で解説していきます。

アシダカグモの駆除方法5つ

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アシダカグモの駆除方法を5つ紹介します。

1.ちりとりに載せて逃がす
2.容器に入れて逃がす
3.殺虫剤を使用する
4.掃除機で吸い込む
5.害虫駆除会社に依頼する

以下で詳しく解説していくので、参考にしてください。

1.ちりとりに載せて逃がす

ほうきなどを使ってちりとりに載せて、落ちないように抑えながら外に追い出しましょう。
アシダカグモは人間に危害を加えないクモですが、直接手で触ると蜘蛛自身が身を守るために人間の手を噛んでしまうかもしれません
ほうきやちりとりなどの掃除用具を活用して、直接触れないようにして外まで運ぶようにしましょう。

2.容器に入れて逃がす

アシダカグモの上からプラスチック容器などを被せて、素早く蓋をしてから外に逃がす方法もおすすめです。
ただ、アシダカグモにかなり近づかないといけないので、虫が苦手な人にとっては難易度は高め。蓋をしめるときに逃げてしまう可能性もあります。

3.殺虫剤を使用する

殺してしまうことになりますが、「生きているクモには極力近づきたくない」という方は殺虫剤を使用しましょう
アシダカグモ専用の殺虫スプレーはないので、ゴキブリやハエ用のものを代用してください。一定の効果は見込めます。

4.掃除機で吸い込む

掃除機を使って吸い込むのも一つの方法です。吸い込まれた衝撃で死んでしまう可能性が高いので、殺虫効果が見込めます。
しかし、万が一生きていた場合は再び掃除機から出てきてしまう可能性も。吸い込んだ後はすぐに中身を袋などに入れて、出てこないように密閉するようにしましょう
紙パック式の場合は、すぐに取り出して捨ててください。
また、殺虫剤を使用してから掃除機で吸い込むのは絶対にやめましょう。殺虫剤の成分と内部の装置が触れると、引火してしまう可能性があります。

5.害虫駆除会社に依頼する

お金はかかりますが、1番のおすすめは害虫駆除会社に依頼する方法です。
アシダカグモを1度家から追い出したとしても、餌となる害虫が家に住みついている限りは、再び入ってくる可能性が高いです。
したがって、アシダカグモを完全に駆除したければ、餌となる害虫たちを根絶する必要があるでしょう
特に虫が苦手な方は、検討してみてください。

アシダカグモの侵入を防ぐ方法4つ

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しっかりと対策をしておけば、アシダカグモの侵入をある程度は防げます。
代表的な対策を4つ紹介するので、ぜひ実践してみてください。

1.清潔な環境を保つ
2.ゴキブリなどの害虫対策をしておく
3.ミントや柑橘系の匂いがするアロマスプレーをまく
4.すき間をふさぐ

以下でそれぞれを詳しく解説していきます。

1.清潔な環境を保つ

特に洗い場やゴミ箱周辺の環境を、清潔に保つようにしましょう。
アシダカグモの侵入を防ぐためには、まずはゴキブリなどの害虫の侵入・発生を防がなくてはいけません
ゴキブリやハエには、生ごみなどの臭いに寄ってきやすい習性があります。生ごみや食べかすは放置せず、すぐに片付けるようにしましょう。
普段からこまめに掃除して、ホコリを溜めないようにしておくことも大切です。
清潔な環境を常に維持していれば害虫が寄ってこないので、アシダカグモも侵入しなくなります。

2.ゴキブリなどの害虫対策をしておく

アシダカグモの餌となる、ゴキブリなどの害虫対策をしておきましょう。
最近では、市販でさまざまな害虫対策商品が販売されています。
置くタイプ粘着テープや毒餌、定期的にスプレーをまくタイプのものもありますよ。
その地域に生息している害虫の種類によって合う商品も違うので、色々と試してみて、効果があるものを選択していくとよいでしょう

3.ミントや柑橘系の匂いがするアロマスプレーをまく

ミントや柑橘系の匂いがするアロマスプレーをまくのも有効な方法です。
クモは、ミントや柑橘系のにおいが苦手だといわれています。家の周りにアロマスプレーをまいておけば、クモが寄ってくる可能性が低くなるでしょう。
具体的には、以下のような種類のアロマがおすすめです。

・ペパーミント
・レモングラス
・ユーカリ

市販のアロマスプレーを購入しても良いですし、庭やベランダがあればペパーミントなどを育てるのもおすすめです。

4.すき間をふさぐ

換気扇や通気口、壁にできた小さな穴など、すき間をふさぎましょう。
アシダカグモのような大きなクモが侵入できるということは、上記のようなすき間ができている可能性が高いです。すき間があると、アシダカグモ以外の害虫も侵入しやすくなりますよ
特に戸建て住宅やアパート・マンションの1階は要注意です。
すき間にフィルターや防虫網などを取り付けて、虫の侵入を防ぎましょう。

アシダカグモを殺してしまった!スピリチュアルな意味合いに的には大丈夫?

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スピリチュアル的な意味合いでは、クモは「神様の使い」だと考えられています。
したがって、「クモを見かけると良い事がある」といわれる場合も多いです。
見かける時間帯によって意味合いが変わるという考え方もあるので、紹介しておきます。

・朝や午前中に見かけると、幸運が訪れる
・日没までに見かけると、幸運が近づいている証拠
・夜に見かけると、不吉な出来事が起こる予兆

もしスピリチュアル的な意味合いを信じるなら、明るい時間帯に見かけるアシダカグモはなるべく殺さないようにしましょう。

アシダカグモはなつく?ペットとして飼育する人も存在する

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アシダカグモをペットとして飼育する人も存在します。
ペットとしてのアシダカグモの特徴を紹介するので、気になる方はチェックしてください。

なつくことはないが人に慣れる場合はある

クモをペットとして飼育しても、犬や猫のようになつく可能性は低いです。
しかし、時間をかけて距離を縮めていけば「人に慣れる」場合はあります
無理に触れ合ったりせず、餌やりなどを通して少しずつ信頼関係を築いていきましょう。
うまくいけば、手乗りできるようになる個体も存在します。

値段は数千円程度

アシダカグモの値段は数千円程度です。
ペットショップなどの店舗で販売されていることは少ないので、ネットオークションなどを探しましょう。
単体で販売されている場合もあれば、数匹セットで売られている場合もあります。

寿命は3年~7年

アシダカグモの寿命は3年〜7年程度です。
ただ、飼育下で丁寧に育てれば10年程度生きる可能性も
日々のお世話を怠らず、健康管理をしっかりと行えば、長い時間を共に過ごせる生き物です。

アシダカグモに関するよくある質問

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最後に、アシダカグモに関するよくある質問3つに回答します。

1.アシダカグモが寝るときに近づいてくるって本当?

アシダカグモは、基本的には人間に近づいてくることはありません
人間は捕食対象ではないうえに、臆病な性格だからです。
ただ、人間が寝静まってからの暗い時間帯に行動するので、人間が寝ているベッド(布団)だと気づかずに近づいてくる可能性はあるでしょう。

2.アシダカグモに噛まれたらどうすれば良い?

アシダカグモは毒をもたないクモなので、噛まれたとしても健康に害はありません。しばらく様子を見ましょう。
あまりにも腫れや痛みがひかない場合は、皮膚科を受診してください

3.アシダカグモは冬にも現れる?

アシダカグモは寒い冬の間、狭くて暗い場所に隠れてじっとしています。基本的には餌も食べません。
そのため、冬にアシダカグモを見かける機会は少ないでしょう
ただ、暖房器具をつけている室内は暖かいので、本来冬はじっとしているはずの虫が覚醒する可能性はあります。
したがって、「冬は絶対に現れない」というわけではありません。

アシダカグモは害虫から家を守ってくれる益虫!

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巨大で不気味な見た目をしたアシダカグモが家に現れたら、ついつい驚いてしまいますよね。
しかしその見た目とは裏腹に、アシダカグモは人間に良い影響を与えてくれる「益虫」です。
アシダカグモがいるお陰で、わずらわしく感じていたゴキブリやハエがいなくなるかもしれませんよ。
「クモはそこまで苦手じゃない」という方は、アシダカグモを見かけてもそっとしておいてあげましょう。
クモが苦手な方は、本記事の内容を参考にして、適切な対処法を試してみてください。

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