
今回は、一人暮らしにおける世帯主の定義や、世帯主を変更するメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
具体的な手続き方法も紹介するので、ぜひ最後までお読みください。
世帯主を変更するタイミングも紹介します!
世帯主の定義や役割を理解したい方は、要チェックですよ!
- 世帯主とは
- 一人暮らしの世帯主は誰になる?
- 一人暮らしで世帯主を変更するメリット
- 一人暮らしで世帯主を変更する注意点
- 世帯主を変更するタイミング
- 世帯主を変更する方法
- 一人暮らしの世帯主に関して、よくある質問
- 学生でも社会人でも定義は同じ!一人暮らしの世帯主は住民票を確認
世帯主とは

世帯主は「社会通念上世帯を主宰する者」と定義されています。
わかりやすく言い換えると「おもに世帯の生計を担い、世帯を代表する人」です。
そもそも世帯とは、住居と生計を同一にする家族ごとの単位のこと。
世帯について、具体例をみてみましょう。
【同一世帯とみなされる・みなされない場合】
例①:生計をわけている二世帯住宅
→生計が同一でないため、同一の世帯ではない
例②:住居・生計を同一にする事実婚
→同一の世帯とみなされる
例③:生計をわけている友人どうしのルームシェア
→生計が同一でないため、同一の世帯ではない
一般的には、世帯のなかで収入が高い人が世帯主となる傾向にあります。
しかし、世帯主の決め方について、明確な決まりは存在しません。
同一世帯であれば収入に関わらず、15歳を超えると誰でも世帯主になれますよ。
参考URL:国民健康保険における「世帯主」の取扱いについて
参考URL:住民基本台帳事務処理要領の一部改正について(通知)
一人暮らしの世帯主は誰になる?

一人暮らしに関しては、以下の2パターンによって世帯主が変わります。
・住民票を移している場合
・住民票を移していない場合
それぞれ説明していきましょう。
住民票を移している場合
住民票を移している場合、学生か社会人かに関わらず、その本人が世帯主となります。
なぜなら、住民票を移すと、引っ越し先がひとつの世帯とみなされるからです。
書類に関しては、次のように世帯主を記入します。
・世帯主の氏名:自分の氏名を記載する
・続柄:「本人」と記載する
「収入がなく仕送りで一人暮らしをしている」または「学生なので保護者が本人の代わりに賃貸契約を結んでいる」といった場合でも、住民票を移せばその本人が世帯主です。
住民票を移していない場合
住民票を移していないと、実家にいる親などが、そのまま世帯主になります。
たとえば、大学進学で一人暮らしを始めた学生の場合、住民票を移さなければ実家の父親または母親が世帯主でしょう。
もちろん、家庭によっては、祖父または祖母が世帯主となるケースもありますね。
書類に関しては、次のように世帯主を記入します。
・世帯主の氏名:実家にいる世帯主の氏名を記載する
・続柄:「父」や「母」など、記入者からみた関係性を記載する
なお、現状の世帯主は住民票を見れば確認可能です。
一人暮らしで世帯主を変更するメリット

一人暮らしで世帯主を変更するメリットは、主に2つあります。
・福利厚生を受けられる
・住んでいる地域で選挙に参加できる
以下で詳しく解説していきます。
福利厚生を受けられる
会社の福利厚生を受けやすい点が、一人暮らしで世帯主を変更するメリットのひとつ。
世帯主であることを条件として、世帯主手当や住宅手当(家賃補助)を支給する企業は多いです。
手当の支給条件は会社によって異なるため、規定を確認しておきましょう。
なお、同棲中で2人それぞれが世帯主となっていても、住宅手当の二重取りは原則禁止されています。
二重取りが発覚すると、返金を求められたり、何らかの処分が科せられたりする恐れがあるので注意してください。
住んでいる地域で選挙に参加できる
住民票を移し世帯主になることで、住んでいる地域で選挙に参加できます。
選挙権は、住民票の住所地で行使されます。
実家に住民票が残ったままでは、新しい地域での選挙権が得られません。
投票するためには、基本的に実家に帰る必要があります。
一人暮らし先の地域社会に参加したいと考えている方は、住民票を移しておきましょう。
一人暮らしで世帯主を変更する注意点

一人暮らしで世帯主を変更する注意点は、次の2点です。
・家族手当がもらえなくなる
・国民健康保険料が高くなる
世帯主を変更すべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
家族手当がもらえなくなる
世帯主を変えると、実家から世帯分離するため、家族手当がもらえなくなる可能性があります。
実家の父親が世帯主で、父親の会社から子ども1人分の家族手当を受け取っている例で考えてみましょう。
子どもが世帯主となって住民票を移すと、世帯分離されて父親とは生計が別になります。
結果として、父親は企業から、家族手当がもらえなくなるケースがあるのです。
一人暮らしを機に世帯主を変更する前に、各種手当の影響を確認しておくことが大切ですよ。
国民健康保険料が高くなる
一人暮らしで世帯主を変更した場合、国民健康保険料が高くなる可能性があります。
国民健康保険料は、世帯をわけるほど税額が増える仕組みです。
実家暮らしのときよりも、税負担が増えるケースを想定した上で、一人暮らしの準備を進めましょう。
なお、学生の場合は、保険料納付の猶予が認められる特例が存在します。
対象となる条件をチェックし、状況に応じて制度を活用するとよいですね。
参考URL:保険料を納めることが困難なとき(学生納付特例)
世帯主を変更するタイミング

世帯主を変更するタイミングを、3つピックアップしました。
・引っ越したとき
・世帯主が亡くなったとき
・世帯合併または世帯分離のとき
ひとつずつみていきます。
引っ越したとき
原則として、引っ越しで住所が変わったときは、新しい住所地に住民票を移さなければいけません。
引っ越しから14日以内に住民票を変更しなければ、5万円の過料(軽い違反に対して科される金銭罰)が徴収されることがあります。
ただし、引っ越しても正当な理由があれば、住民票を移さなくてもよいとされていますよ。
【住民票を移さなくてもよいケース】
・短期間の単身赴任や進学(元の住所に戻る見込みがある)
・定期的に実家に帰り、生活の拠点が変わらない
住民票を移す際の転入届には、世帯主に関する記入欄があります。
一人暮らしの場合は自分自身を、家族の場合は妥当な世帯主を決めて記入しましょう。
参考URL:住所の異動届は正しく行われていますか?
世帯主が亡くなったとき
世帯主が亡くなった場合、残された家族の中から新たな世帯主を決め、役所へ届け出る必要があります。
なお、世帯主の変更手続きは14日以内に行わないといけません。
たとえば、世帯主である親が亡くなった場合、同居している子どもや配偶者が新しい世帯主となります。
世帯主の変更は住民票や健康保険、税金の手続きにも影響するため、早めの対応を心がけましょう。
そのほか、今まで世帯主だった親の高齢化に伴い、世帯主を子どもに変更するケースもありますね。
参考URL:世帯変更届(世帯主が変わったときや、世帯を分けたとき)
世帯合併または世帯分離のとき
世帯合併または世帯分離のタイミングでも、世帯主の変更が発生します。
親元を離れていた子どもが実家に戻る場合は「世帯合併」となり、世帯主が親に戻ることがあります。
一方、同居していた家族が別の世帯として独立する場合は「世帯分離」とされ、新たな世帯主が必要です。
世帯合併と世帯分離どちらのケースでも、住民票の転入届・転出届の提出が求められます。
そして、引っ越し前の地域で転出届が出されていなければ、転入届は受理されません。
それぞれ書類を提出し忘れないように気を付けましょう。
世帯主を変更する方法

ここからは、世帯主を変更する方法を説明します。
・必要となる書類
・世帯主を変更する流れ
以下で詳しくみていきます。
必要となる書類
世帯変更届を提出するときに必要となる書類は、以下のとおりです。
【書類一覧】
・印鑑
・住民異動届(世帯変更届)
・本人確認書類(マイナンバーカード・運転免許証・パスポート等)
・国民健康保険被保険者証(加入されている人のみ)
・委任状(代理人が手続きする場合のみ)
代理人が世帯変更届の手続きをおこなう際は、委任状が必要となります。
書類や手続きに関して疑問があれば、役所の窓口やホームページで確認しておきましょう。
参考URL:世帯変更届(世帯主が変わったときや、世帯を分けたとき)
世帯主を変更する流れ
世帯主を変更する流れを、以下にまとめました。
【引っ越しで世帯主を変更する場合】
・転入届にて世帯主を記載する
→一人暮らしならば自分自身を、家族で引っ越すならば妥当な世帯主を決めて記入する
【世帯主の死亡や世帯合併、世帯分離で世帯主を変更する場合】
・手続きに必要となる書類を用意する(本人確認書類や印鑑など)
・市区町村の窓口で住民異動届(世帯変更届)をもらう
・世帯変更届に名前や住所などを記入する
・記入が完了したら窓口に提出する
書類を記載する際は間違いがないように、各種項目をしっかりと見直してください。
一人暮らしの世帯主に関して、よくある質問

一人暮らしの世帯主に関して、よくある質問を3つ紹介します。
・年末調整における世帯主の書き方は?
・一人暮らしは住民票を移さなければいけない?
・同棲では世帯主は誰になる?
それぞれ説明していきます。
年末調整における世帯主の書き方は?
年末調整における世帯主の書き方について、表にまとめました。
住民票を移している場合 (本人が世帯主) |
住民票を移していない場合 (実家の父または母が世帯主) |
|
---|---|---|
世帯主の氏名 | 自分の氏名を記載する | 実家にいる世帯主の氏名を記載する |
続柄 | 「本人」と記載する | 「父」や「母」など、記入者からみた関係性を記載する |
住民票を移しているかどうかで、世帯主の書き方が変わるので注意してください。
一人暮らしは住民票を移さなければいけない?
基本的には、一人暮らしを始めたタイミングで、住民票を移す義務が発生します。
引っ越してから14日以内に住民票を移さなければ、規則違反として5万円の過料が科せられる恐れがあります。
ただし、次のようなケースでは、住民票を移さなくても構いません。
・短期間の単身赴任や進学
・生活の拠点が変わらない(定期的に実家に帰る、元の住所に戻る予定がある)
「面倒だから移したくない」という理由は認められないので、早めに手続きを済ませましょう。
参考URL:住所の異動届は正しく行われていますか?
同棲では世帯主は誰になる?
同棲において、世帯主は誰に決めても問題ありません。
15歳以上であれば収入・性別に関わらず世帯主になれますよ。
同棲の世帯主の決め方としては、2つのパターンが考えられます。
①片方が世帯主となり、もう片方が同居人となる
②2人とも世帯主になる
財布を別々にする場合、2人がそれぞれ世帯主になるという選択肢もあります。
自分たちにとって、よりよい形を検討してみてください。
学生でも社会人でも定義は同じ!一人暮らしの世帯主は住民票を確認

今回は、一人暮らしにおける世帯主の定義や、世帯主を変更するメリット・デメリットについて解説しました。
引っ越してから住民票を移している場合、その本人が世帯主となります。
対して、住民票を変更していなければ、実家の母親または父親などが、そのまま世帯主になります。
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