新築で購入してから10年以上経ち、そろそろ修繕が必要な個所が出てきた、中古住宅を購入して住む前にリフォームを考えている、という方の中には外壁塗装を検討している人が多いのではないでしょうか。
しかし、いざ見積もりを取ってみても、それが適正価格なのか、信頼できる業者なのか分からず、不安に感じてしまうものです。
この記事では、外壁塗装の相場や見積もりを確認するときのポイント、見積書の見方と注意点、そしてよくあるトラブル事例について詳しく解説します。
外壁塗装の見積もり費用相場
まずは、外壁塗装の大まかな費用の相場や、費用を安く抑えるポイント等について、見ていきましょう。
坪数別の外壁塗装相場
外壁塗装の価格を決める主な要素は塗装面積です。全体の外壁面積から窓など塗装しない部分の面積を引いたものが塗装面積となります。
そうはいっても、自宅の塗装面積を把握している方はかなり少ないと思いますので、坪数別の大まかな目安金額でどのくらいかかるか見てみましょう。
▶坪数(延坪)別の外壁塗装相場
坪数(延坪) | 外壁塗装相場 |
---|---|
30坪 | 60〜100万円 |
40坪 | 80〜130万円 |
50坪 | 100〜160万円 |
60坪 | 120〜200万円 |
ここでの「坪数」は延坪(建物の各階の床面積をすべて合計したもの)を指し、「建坪(建物を真上から見たときの面積)」とは異なるため注意が必要です。
外壁塗装の費用内訳
外壁塗装の費用は、以下のような主要な要素で構成されています。
費目 | 割合 |
---|---|
材料費 | 20% |
人件費 | 30% |
足場代 | 20% |
諸経費・運営費 | 30% |
材料費は塗料やその他の資材にかかる費用で、品質により変動します。人件費は塗装作業を行う職人の賃金で、作業の規模や難易度によって異なり、足場代は高所作業の安全確保のための設置費用です。諸経費・運営費には廃材処分費、事務手数料、現場管理費などが含まれています。これらの費用項目の割合を理解することで、見積もりの適正さを判断しやすくなります。
外壁塗装の費用を安くするポイント
・相見積もりをとる:複数の業者から見積もりを取って比較することで、適正価格を把握しやすくなる。
・完全自社施工の業者を選ぶ:下請け業者を使っていない完全自社施工の業者は中間マージンが発生しないため、費用を安く抑えることができる。
・塗料が要求以上のスペックではないか確認する:必要以上に高価な塗料を選ばず、住宅に適した塗料を選ぶことで費用を抑えられる。
・火災保険や補助金を使えないか確認する:利用可能な保険や補助金を活用することで、自己負担額を減らすことができる。
これらの対策を講じることで、数万〜数十万円の費用を抑えることも可能です。賢く選択することで、予算内で質の高い外壁塗装を実現しましょう。
相見積もりは何社取ればいい?
外壁塗装の見積もりを取る際は、2社〜3社以上に依頼することをおすすめします。家主は業者に必要な情報を伝えるため、現地調査時に立ち会う必要があります。あまり多くの業者に依頼すると、時間や手間がかかるため、適度な数が重要です。
複数の業者に現地調査を依頼することで、費用の相場や業者の信頼性を見極めることができます。1社の見積もりだけでは、金額や信頼性の判断が難しくなります。
外壁塗装の費用相場は、外壁の状態や工事内容によって変動します。そのため、複数の見積もりを取り、平均金額を目安にして、割安で信頼できる業者を選ぶことが重要です。
外壁塗装の見積書の見方
見積書の項目の見方について解説します。見積の内容が正しいのか全然わからない、とならないよう見積書の内容について、ある程度理解できるようになっておきましょう。
見積書の各項目の見方
外壁塗装の見積書には、一般的には以下のような項目が記載されています。
項目 | 内容 |
---|---|
足場設置 | 高所の塗装作業を行うために必要な足場の設置費用。 |
飛散防止ネット | 塗料や洗浄時の水が飛び散るのを防ぐために設置。 |
高圧洗浄 | 高圧洗浄機を使って、外壁に付着した汚れ、コケ、カビなどを洗い流す作業。 |
下塗り・中塗り・上塗り | 外壁塗装では基本的に3回塗装作業を行う。下塗りは下地を整え、中塗り・上塗りで塗料を重ね塗りする。 |
付帯部塗装 | 軒天や雨樋など、外壁以外の付帯部の塗装工事。 |
諸経費 | 運搬費、交通費、駐車場代、廃材処理費など。 |
諸経費とは?
外壁塗装の見積書には、しばしば「諸経費」という項目が含まれています。これは、直接の作業内容には含まれないが、作業に付随する経費を指します。諸経費は「現場管理費」と「一般管理費」に分けられます。
・現場管理費:交通費、通信費、現場の人件費、保険料など、現場での運営に必要な費用。
・一般管理費:施設管理費、水道光熱費、事務用品費、広告宣伝費など、会社全体の運営に関わる費用。
また、産廃費用が含まれることもあります。これらの費用がすべて「諸経費」としてまとめられると、どの項目にどれだけ費用がかかっているのか分かりづらく、不当な請求が隠されている可能性もあります。
諸経費の単価相場は一概には言えませんが、工事費用総額の5〜10%程度を一律で請求する業者もいれば、具体的な金額を提示する業者もいます。見積書を確認する際には、諸経費の内訳をしっかりとチェックし、不明点があれば業者に確認することが重要です。
外壁塗装の見積書の注意するポイント
外壁塗装の見積書の記載内容でも信頼できる業者かどうかがわかります。以下のチェック項目を参考に見積書を確認してみましょう。
塗装面積や数量が数字で明記されているかチェック!
見積書を確認する際にまず注目すべきは、数字と単位の正確な表記です。「数量」の項目に単位や具体的な数字が入っていない場合や「一式」と表示されている場合は要注意です。
このような曖昧な表記では、実際にどれだけの作業が行われるのかが分からず、不当な請求が隠されている可能性もあります。
特に「塗り」の面積が明確に表示されているかを確認しましょう。塗装面積は「㎡」で表記されることが一般的です。見積書が「坪数」で表記されている場合は注意が必要です。坪数表記だと、実際の塗装面積が不明確になり、適正な見積もりが困難になる可能性があります。
塗料の種類や名前が明記されているかチェック!
住宅塗装に使われる塗料には「シリコン塗料」や「フッ素塗料」などのグレードがあります。選ぶ塗料のグレードにより、性能と金額が大きく異なります。
見積書には、使用する塗料のグレードや名称が明確に記載されているか確認しましょう。具体的に記載されていると、塗料の性質を自身で確認できるので安心です。
下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りとなっているかチェック!
屋根や外壁の塗装工事は、下塗り、中塗り、上塗りの3回塗り工程が基本です。2回塗りや1回塗りの見積もりを出す業者は安価ですが、おすすめできません。3回塗りが守られないと塗料の性能が十分に発揮されないためです。
そのため、見積書には3回塗り工程の金額が明確に示されていることが重要です。「下塗り」「中塗り・上塗り」「仕上げ塗り2回」といった表記で、3回塗りが分かるようになっているか確認しましょう。
ただし、塗料や仕様によっては2回塗りや4回塗りの場合もあります。適正な塗りの回数が適性が不明なときは、担当者に確認し、相見積もりなどをして複数業者で比較してみましょう。
足場仮設費用が無料になっていないかチェック!
外壁塗装を施工する際には、どんな住宅でも基本的に足場が必要です。足場代は塗装工事全体の約20%を占め、30坪の場合、13万円〜20万円程度。しかし、業者によっては見積書に足場仮設に関する記載がないことがあります。
「足場無料で工事」として、低価格で契約を狙う手法が見られますが、実際には本体工事などに足場代が上乗せされている可能性があります。足場代無料をうたう業者の見積書の項目や総額での費用相場が適正かどうかを確認することが重要です。
信頼できる外壁塗装業者のポイント
外壁塗装を初めて依頼する場合、業者が信頼できるか不安になるものです。ここでは依頼する前に信頼できる業者かを見極めるポイントを紹介します。
塗装工事業許可や塗装技能士などの資格を持っている
業者の持つ資格の有無でも信頼性を判断することができます。
資格名 | 内容 |
---|---|
塗装工事業の建設業許可 | 専任技術者の有無や財産要件を満たしていることなどが条件に都道府県から受ける許可。事業運営が問題ないことが判断できる。 |
一級塗装技能士 | 7年以上の実務経験、または2・3級に合格済みで、大学や専門高校等、学歴に応じた実務経験年数がある場合に受験できる国家検定。事業者の技能が一定以上であると判断できる。 |
その他 | 塗装科職業訓練指導員、外壁診断士など |
外壁塗装はこのような資格がなくても施工できますが、資格を保有している事業者の方が優良な事業者の可能性が高いです。
業者のホームページに資格や免許を掲載している場合がありますので、事前にチェックしてみましょう。
保証やアフターサービスの内容
外壁塗装は施工後すぐにはトラブル箇所が分からないことがあるため、数年後にひび割れなどが発生した場合の対応を事前に担当者に確認しましょう。
外壁塗装の保証を選ぶ際に安心できるポイント
・保証書を発行してくれること
・保証対象箇所と対象外個所、保証内容について、担当者が詳しく説明してくれること
アフターフォローの確認ポイント
・不具合発生時の対応:工事後に不具合が発生した際、どのように対応してくれるかを確認する。迅速かつ丁寧な対応が期待できる業者を選ぶことが重要。
・定期点検:定期的な点検があるかを確認し、その間隔も確認する。
これらのポイントを抑えることで、外壁塗装の保証やアフターサービスについて安心して選ぶことができます。
見積もりの項目がすべて明確
見積もりを出してもらったら必ず内容を確認しましょう。不明な項目がある場合は、詳細を担当者に確認し、何に使う費用かを明確にしておきます。
本記事の「見積書の各項目の見方」の項目解説を参考に、よくわからない項目がないか確認しましょう。相見積もりを取ると、記載方法が明確な業者とそうでない業者とがはっきりわかります。
見積書の出し方でわかる良い業者・悪い業者
見積額の出し方で業者の良し悪しが、ある程度判断できます。良い業者は、外壁を詳細にチェックし、雨漏り、ひび割れ、色あせなどを診断してから見積額を算出します。
家を診断に訪れない業者や、診断をすぐに終わらせる業者は要注意です。正確な診断には屋根裏や屋根の上も確認し、通常1時間前後かかります。
信頼できる業者は丁寧に現地調査を行い、詳細な見積書を作成します。見積書の作成プロセスを重視し、信頼性の高い業者を選びましょう。
外壁塗装でよく起こるトラブル
ここでは、外壁塗装の工事のトラブル事例と解決策について紹介します。工事の依頼前にトラブルが起きた際の対応について、業者によく確認しておくことが重要です。
仕上がりに関するトラブル
仕上がりの色が違う、塗りムラがある、塗装後すぐにサビが発生したなどのトラブルが起こることがあります。
仕上がりの色が違うことについては、事前にカラーシミュレーションを取り入れることである程度防ぐことができます。カラーシミュレーションは塗装する実際の建物の画像を加工し、塗装後のイメージを提示するもので、色見本とともに確認しておくと完成形がイメージしやすくなります。
塗りムラがある、塗装後にサビが発生した場合については、塗装工事の保証期間を確認し、施工業者に塗り直しできるか相談してみましょう。
工事内容に関するトラブル
契約内容と違う塗料を使用された、外壁などに傷や破損が生じたなどのトラブルもあります。
解決策としては、見積書・契約書を確認し、契約内容と実際の工事が一致しているかを確認し、問題があれば塗り直しをしてもらうことや、破損等については証拠写真を撮って施工業者に相談することが重要です。
お金に関するトラブル
外壁塗装では、追加費用を請求されたり、見積書が詳細に記載されていないなどのトラブルが発生することがあります。こうしたトラブルを防ぐためには、契約時に追加請求に関するルールを明確に記載してもらうことが重要です。
詳細な見積書を提示してもらい、不明点がある場合は専門家にアドバイスを求めましょう。複数の業者から相見積もりを取り、内容が詳細に記載されている業者を選ぶことで、お金に関するトラブルを未然に防ぐことができます。
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