引き続き、都内で10件以上のシェアハウス運営をしていた経験のある、ときさばさんへのインタビューの様子をご紹介します。今回は、シェアハウス運営の気になるお金事情を直撃しちゃいます。



シェアハウスを始めたい人が一番気になる、お金のお話

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ニフティ編集部(以下 編)「シェアハウスを始める時の費用ってどれくらいなのでしょうか?」

ときさば(以下 と)「そうですね〜、一番大きいのは家を借りる時の初期コストですね。だいたい家賃が30〜50万円くらいなので、初期費用でだいたい5ヶ月分が必要になります。」
「なんと!それだけで、だいたい150〜200万円ということですね!」
「そうですね。さらに家具を揃えないといけないので、加えて50〜100万円くらいはかかりますね。なので、合計で200万円前後…というところでしょうか」
「なるほど。複数シェアハウスを運営していると、いらなくなった家具を新しいシェアハウスへ…など移動して効率的に運営できそうですね!」
「いやいや、実はそうでもないんですよ。以前、1つのシェアハウスを閉めた時に、運営していた他のシェアハウスで家具を使おうと思ったのですが、なんていうかしっくりこなくて。ちゃんと部屋にあった家具を入れないと、結局居心地が悪くなっちゃうなあという経験があります。おしゃれさより機能性が大事ですね。使い勝手の面でその家に合ってないと、住心地が悪くなってしまうので、注意したいポイントです。」

シェアハウス、ぶっちゃけどれくらい儲かるの?

「ちょっと訊きづらいですが、シェアハウスの運営ってぶっちゃけいくらくらい儲かるのですか?」
「そうですね〜、全部ベッド埋まっていたらそれは儲かりますが、そういう訳でもないですし、かかっている手間の割にはボロ儲けというほどでもありません。持ち家だったらもう少し利益率も上がるでしょうが、転貸なので。1件あたり、いいところで月に20〜30万円というところです。」
「おお!住人さんがご飯を作っている横で、かなりのぶっちゃけ話、ありがとうございます!」

シェアハウスではコミュニティづくりが大事!

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コミュニティづくりで工夫していること

「コミュニティづくりで工夫していることはありますか?」
「毎週金曜に、ギークハウス同士の交流も兼ねて飲み会を開いています。他のギークハウスの人と交流もできますし、友人を連れて来てもらってもOKとしています。ギークな話題で盛り上がってもらえる環境を作るようにしています」
「飲み会は楽しそうですね!」
「他にも、ギークハウス内で勉強会を開催したりしています。もともと最新の技術が好きな人が集まっているので、ブロックチェーンやAIについての勉強会などが行われています」
「すごいですね!そういうのは自主的に開催されるのですか?」
「そうですね、勉強会などで登壇するのが好きな人は積極的に開催してくれます。積極的にイベントを企画するタイプの住人ではなくても、”この人は面白い知識があるな”と思ったら、勉強会の開催をしてみては?と提案することもあります。そういう人が実際に勉強会で発表をして、住人同士の距離が近づいていくのを見ると嬉しくなりますね」

シェアハウスのルールはどれくらい厳しい?

「シェアハウス生活のルールは作っていますか?」
「ルールについては最低限ですね。シンクに洗い物を溜めない、とか、散らかさない、とか。うちの場合は、掃除やゴミ出しは当番制にはしておらず、気づいた人がやるという流れになっています。正直、気がつく人に負荷がかかってしまってはいて、不満が出ることもありますが、ガチガチにルール化してしまうと、融通が利きづらくなって住心地に影響するかな、と。住人みんなの清潔感のレベルが近いことが大事ですね。すごくキレイ好きな人や、すごく部屋を散らかす人は、定着する前に出ていってしまう傾向はあります」

シェアハウスの面白さって?

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「シェアハウスをやっていてよかったな、と思うことはありますか?」
「ギークハウスはコンセプト型のシェアハウスなので、話が合う人が多く集まっています。そのため、みんなで同じハッカソンに参加したり、技術に関する自費出版の本を協力して書いたり、住人同士が協力して何か新しいものが生み出されると嬉しい気持ちになりますね。また、入居時の面談では”話すのが苦手で…”と言っていた方が、実際に入居すると技術の話でとても盛り上がって、すぐに住人と打ち解けている様子などを見ると、ギークハウスを作ってよかったなと思います」

シェアハウス運営の苦労は?

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住人の入れ替わり周期について

「だいたい一人の人はどれくらいの長さシェアハウスに住むんですか?」
「長い人は、僕が運営を始めた時からずっと住み続けている人もいます。6年以上になりますね。だいたいの人は2〜3年住んで出ていきます。恋人と同棲するとか、一人暮らしを始めるなどの理由が多いですね。あとは転勤など勤務地が変わったタイミングで、通勤しやすい場所に引っ越す方も多いです。」
「なるほど。こんな賑やかな暮らしから、急に一人暮らしになると寂しさを感じそうですね」
「そうなんですよ。実際、一人暮らしをするために引っ越した人がまたシェアハウスに戻ってくることはよくあります」
「それだけギークハウスの居心地がいいんですね」
「新しい人が入ってくる周期で言うと、週に1〜2人ずつくらいは見学しに来る方がいます。全員が入居するわけではないですが、新しい入居者はコンスタントにいるようなイメージです」

シェアハウスのたたみ方って?

「シェアハウスをたたむ時はどうするんですか?」
「基本的には、住んでいる人全員に退去してもらい、管理人である自分とオーナーさんの賃貸契約を解約する流れになります。」
「管理人を住人に引き継いだりはしないのですか?」
「基本的にはないですね。オーナーさんとの契約をしているのは僕なので、ちゃんと契約の主体を次の管理人に引き継げばシェアハウスの存続自体は可能ですが、手続きが煩雑ですし、そういったケースは稀です。賃貸契約の主体と管理人が違う状況でシェアハウスの運営をするのは、責任の所在が曖昧になってしまうので危険です。」

シェアハウス運営の大変なところは…?

「シェアハウスを運営していて、大変なことはありますか?」
「そうですね、住人のストレスが溜まってしまうと、家の中で荒れた行動をしたりするケースがあって。仕事とかで追い詰められていたりすると、住人に当たったりするケースもあります。管理人である僕がいればそういうケースもケアできるのですが、長期不在だったりするとケアが遅れて他の住人に迷惑がかかってしまうこともあります。残念ですが、そういうことがきっかけで退去してしまう人もいます。」
「住人の顔と名前を全て覚えて、ケアしていってあげなくてはいけないんですね…」
「10件以上運営していた時は100人以上の住人がいて、学校でいうとクラス2つ分の人数を管理していました。いつも誰かが何かの問題を抱えているというような状況で、学校の先生の気持ちってこんな風なのかな〜と想像していました」

これからシェアハウス運営を始めようとしている人にアドバイス

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「これからシェアハウス運営を始めようとしている人へアドバイスがあればお願いします」
「シェアハウス運営は、不動産の運営というよりは、コミュニティを作って運営していくイメージに近いです。以前、シェアハウスオーナーが集まる場所で話を聞いて気づいたのですが、コンセプトがないシェアハウスはトラブルが多いようです。コンセプトがあるシェアハウス…たとえば、旅好きとか料理好きとか自転車好きとか、ギークハウスもそうですが、そういうテーマのあるシェアハウスは同じ属性の人が集まるので、なんというか、荒れづらい雰囲気になるようです。また、コンセプトがあるとコミュニティに価値を見出してくれる住人が集まるので、結果、そこそこの家賃を払ってでもシェアハウスに入居してくれます。コンセプトがない場合は、家賃の安さ目当てでシェアハウスに入居する人が多い傾向があり、名前を書いておいたプリンがなくなる…みたいな事件が起こりやすい傾向があるように感じました。ちなみに、うちは、シェアハウスですが周囲の6畳ワンルームと同等の家賃をもらうようにしています」
「今日は貴重なお話をありがとうございました。かなり赤裸々に語っていただき、すごく勉強になりました。わたしも貯金が貯まったらシェアハウスの運営をしてみたくなってきました!」

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