事故物件に住みたくない!不動産屋さんに事故物件の見分け方を聞いてみたの画像01

そこで今回は、ニフティ不動産編集部が、賃貸のプロである不動産屋さんにお話を伺い、事故物件の定義や、事故物件を避ける方法についてまとめました。



事故物件の基礎知識

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そもそも、事故物件って?

お話を伺ったのは、都内の不動産屋さんで働いているOさん。

ニフティ編集部(以下 編)「こんにちは!今日は、事故物件について、いろいろ伺えればと思います。よろしくおねがいします」
Oさん(以下O)「こんにちは、よろしくおねがいします」

「早速ですが、事故物件と聞くと、一般には「殺人や自殺が起きた物件」というイメージがあるのですが、事故物件に定義はあるんでしょうか?」
「そうですね、『何が事故物件にあたるか』に関しては、実は明確な定義がないのが実情です。
一般的には、『事件性がある出来事』によって、『その場で人が死んだ』場合は、事故物件と判断されるようです。つまり、『殺人』『自殺』『死者が出た事故』などが起きた物件は間違いなく事故物件ですね。
しかしたとえば、孤独死については、意見が分かれるところです。
死後すぐに発見された病死の老人など、事件性のない場合は、事故物件とみなされないことが多いです。
しかし死後何日も経ち、周囲の住民が異臭に気付き、警察を呼び……みたいなパターンだと、事故物件と呼ばれると思います」

「たしかに、『死体がずっと置かれていた部屋』なんて住みたくないですもんね……」
「そうですね。その、『住みたくないと思うかどうか』がキーポイントになります。これがよく聞かれる『心理的瑕疵』ということです」

「心理的瑕疵」って?

「賃貸サイトを見ていると、たまに『心理的瑕疵あり』と書いてある物件がありますね」
「はい。一般に、『その部屋を借りたくないな』と思うような事情を『心理的瑕疵』と言います
瑕疵(かし)というのは、キズのことですね。」

「心理的瑕疵のある物件とは、どんな物件のことですか?」
「いわゆる事故物件、つまり、自殺、殺人、死亡事故が起きた物件にくわえ、『近くに暴力団の事務所がある』『清掃場、火葬場、刑務所などがある』なども含まれます」

「そうなんですね。たしかに、ヤクザの事務所の近くには住みたくないですよね……。この心理的瑕疵は、借りる前に必ず教えてもらえるものですか?」
「はい。告知義務はあります。『借りる前にそのことを知っていたらこの物件を契約しなかった』と借主が思うような事柄を、大家や賃貸業者が隠して、あとから知った借主が裁判を起こした場合、『告知義務を怠った』として、大家や賃貸業者が負ける可能性があります

「よかった……じゃあ、いわゆる事故物件には、住まずに済むんですね!」
「の、はずなのですが……」

事故物件の告知義務について

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事故物件の告知義務はいつまで?

「実はこの告知義務に関しても、明確なルールはないのが実情なんです」

「え……? 殺人が起きても告知しなくていいってことですか?」
「たとえば、殺人が起きて数年経ち、入居者も数名入れ替わった場合、まだ告知義務が存在するかは、あいまいなんです。今まで起きた裁判の判例に対する賃貸業者の解釈次第で変わってきますね」

「そうなんですか……? ちなみにどんな判例があるんですか?」
「自殺があってから1年数カ月の物件で、告知義務があるという判決が出たことがあります。
それから、同じく自殺ですが、2年以上経過したもので、告知義務はないと判断されたこともあります。この物件は大都市のシングル向け物件で、入居者の入れ替わりのサイクルが早いものだったからだと思います」

「なるほど。場所や物件のタイプにもよるんですね」
「そうですね。それから、自殺でなくもっと凄惨な殺人事件であれば、告知義務も伸びることもあると思います」

「『何年前でも事件があった物件はいやだ! 絶対住みたくない!』という場合は、自分で調べるしかないんでしょうか?」
「そうですね、それか、業者に『過去に事件はありませんでしたか』と単刀直入に聞いてみればいいと思います。もし賃貸業者が、知っている情報を隠した場合は違法になりますから」

「なるほど。正直に聞いてみればいいんですね!」
「それで相手が確実に本当のことを教えてくれるかは分かりませんが、何かあった時に、『こっちはちゃんと確認したんだからね』という事実は、強みにはなると思います」

2人目以降の入居者には告知義務がない」って本当? ルームロンダリングは存在する?

「告知義務、といえば、気になったことがあるのですが、いわゆるルームロンダリング(告知義務をなくすために事故物件に短期間人を住まわせること)は存在するんですか?」
「うーん、あるらしいと聞いたことはあります……。例えば賃貸業者の社員が1週間だけ事故物件を契約して、住んだことにして、次の入居者には教えない、とか……」

「怖すぎです!」
「ただ、「2人目以降の入居者には事故物件の告知義務はない」というルールも、明確に存在しているわけじゃないんですよね。だから、ルームロンダリングをしてもあまり意味がないんじゃないかと思います。私の働く会社では、何人入居してもずっと告知し続けているんですが、他の業者がどうしているかは、正直分からないですね……」

「そうですか……。疑いだすとキリがないですね……」
「はい……裁判沙汰になったら負けるのは業者なので、告知した方が結局安全だと思うんですけどね……」

事故物件の見分け方

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一般に事故物件の特徴と言われているものは、アテにならない?

「自分でも気を付けないと、事故物件にあたってしまいそうで怖いです。なにか借手側から分かる事故物件のヒントはありますか?」
「よく言われるのは「家賃が安い」「不自然なリフォーム」「定期借家(1年、2年というように賃貸の期限が決まっている物件)」「マンション名が変わった履歴がある」などですよね。
まず一番分かりやすい家賃の安さですが、家賃以外にも、礼金なし、敷金なし、保証金なし、更新料なし等によって、安くしてる場合もあります。それから、保証人なし、ペット可、水商売可、外国人可などの条件がゆるくなっていることもあります。
ただ、事故物件じゃなくても、単に大家が「早く借り手を見つけたい」という意向でとても安くしている物件もあります。それから定期借家は、取り壊し予定物件などもあります。マンション名が変わった理由も、単に「オーナーが変わったから」ということもあります」

「そうですか。じゃあ素人が事故物件を見分けるのは難しいんでしょうか……」
「そんなこともないと思います」

不動産屋が教える、事故物件を見分ける方法

「自殺や殺人は警察が必ず立会いするので近所の人は知っている可能性は高いですよ。なので近所の人達に聞くのが一番いいとは思います。なかなか勇気がいるとは思いますが……」

「そうですね、見知らぬ土地に引っ越す場合は、ハードルが高いですね……」
「でも、物件の内見の後、近所の下見がてら、古くからやっていそうな地元の飲食店に入って、店長に『今度あのマンションに住もうと思うんですが』と聞いてみるのはアリだと思います。事件があれば近所の人はずっと覚えていますから」

「なるほど! そのやり方なら試せそうです」
「あとは、賃貸業者はなるべく地元密着型の、物件の近くにある業者を選んだほうがいいと思います。大家も借主も近くにいて、その土地でずっと営業しているわけですから、事故物件の情報を『知らない』ということはないはずですし、知ってて隠したら違反ですからね」

「そうですか。賃貸業者選びもコツなんですね」
「それから、先ほど申し上げたように『事故物件ではないですか?』と業者に直接聞いて、なおかつそのことを記録に残すことですね。その場だけなら業者は適当にごまかせるかもしれませんが、さすがに書面やボイスメモなどが残れば、裁判の時に苦しいですからね」

「そこまでするのも度胸が要りますが……、あやしいと感じたらそれぐらいする必要があるということですね」
「はい。それをおすすめします。あと、ネットでマンション名などを検索すると過去の事件が分かる可能性もあります」

事故物件は、どれくらいあるの? どこに多い?

「実際に家を探すにあたって、事故物件にあたってしまう確率ってどのぐらいなんでしょうか?」
「うーん……それは私にも分かりません…ただ、私の会社が大家さんと直接やりとりしている物件だけでも、パッと思いつくもので2件ありますね」

「ちなみにどんな事故ですか?」
「自殺と殺人ですね。殺人の方はかなり凄惨で、ニュースで話題にもなって、テレビに物件名まで映されました。ちなみに殺人があった部屋は2ヶ月で借り手がみつかりました…」

「そうなんですか! 変わった人もいますね……」
「単純に人口が多いからですが、都市部の方が事故物件は多いです。事故物件公示サイト『大島てる』を見ると、都内でも住宅の多い中野区・杉並区を見ると一駅あたり大体10~20件はあるようです」

「多いといえるのか、少ないと言えるのか……」
「それから、大きい道路沿いは事故物件が多いと言われますね。これも理由はシンプルで、大きい道路沿いは高い建物が多く、そのため住んでいる人も多いですし、飛び降り自殺も起きやすいためです」

「生々しい話をありがとうございます……」

事故物件を契約してしまったらどうしたらいいの?

「では最後に、これだけ気を付けても、万一事故物件を契約してしまった場合は、どうしたらいいか、教えてください!」
「うーん……むずかしい問題ですね。私の会社は事故物件の告知を徹底しているので、借主と特にこれといったトラブルとなったことはありませんので……。ただ、契約を解約できる場合もありえます。
消費者契約法に基づいて契約を取り消しにすることもできるはずですし、あるいは、民法に基づいて契約を解除し、損害賠償請求をする方法もあります。
ポイントは、『事故物件だと知っていたら、契約しなかった』というところです。なので、これも契約をする前の話になりますが、『本当に事故物件じゃありませんか?』としつこく確認して、かつそのことを記録を残すことだと思います。
事故物件そのものでなく、その上下や隣の部屋も避けたい場合は、それもしつこく確認して、同様にしておいてください。
裁判になることは手間でありお互い避けたいはずなので、大家や賃貸業者が契約解除に応じたり、家賃を下げたりしてくれるはずです。
しかも、そもそもそうやって、業者に対して『本当に事故物件に住みたくない!』『何かあった時のために記録をとってます!』とアピールしておくことでかなりのけん制になりますし、多くの業者はそこで本当のことを教えてくれると思います

「分かりました。そもそも事故物件に住まないように、教えていただいた情報をもとに、十分気を付けたいと思います! 今日は貴重なお話をありがとうございました」

事故物件の探し方、参考になりましたか?

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いかがでしたか?
実際に働いている不動産屋さんしか知らないような具体的な話も聞けたため、参考になったと思います。
事故物件に住みたくない方は、上記のポイントをしっかり押さえて、お部屋探しをしてくださいね!

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