上記の間取りとの比較はもちろん、1DKや2DKとの比較や、1LDKの間取りの決め方などをメリット・デメリットに触れながら解説していきますので、順に確認してみましょう。
LDKとはくつろぐためのリビングと食事をするダイニング、料理をするキッチンが1つの空間に合わさった間取りを指し、「Living Dining Kitchen」の略称がLDKとなっています。1LDKの「1」はそのほかの部屋の数を示しているため、1部屋+LDKを1LDK、2部屋+LDKを2LDKと表記します。またもう1つ区別しておく必要があるのが、「DK」との違いです。具体的な違いは部屋数の違いと専有面積の広さにあります。
上記の表を見ていただくとわかるように1DKと1LDKを比較した場合、居室部分以外の専有面積が最低で3.5畳(約6平米)の差があります。居室以外の専有面積は、ダイニング・キッチンとリビング・ダイニング・キッチンの比較となりますので、メインの生活空間のゆとりに直結します。物件により広さはまちまちで生活スタイルに合う・合わないは一概に言えませんが、広くなる分スペースを活用する選択肢が広がるのは1LDKの魅力の1つとなります。
また1LDKの物件は築年数が浅いものや、築年数20年以上の2DKをリノベーションしたものなどが多く、きれいな物件が多いのも特徴です。1LDKは1DKに比べると専有面積が広い分、間取りのバリエーションも多数存在します。さらに個人の選択の自由が広がった昨今では、在宅ワークの形態で仕事をする人が増加。このような時代背景も追い風となって、より多様な1LDK物件が増え、選択の幅が広がっています。バリエーション豊富な1LDKの間取りは、人によっては選ぶ楽しみにもつながるのではないでしょうか。
それに対して1DKは古くから採用されている間取りで、築年数が経過している物件が多数存在します。お得に利用できる物件が多いのも1DKの特徴と言えるでしょう。どちらが自身のライフスタイルにフィットするかを検討するのは、快適な居住生活を送るために大事な指標となります。同居者の有無に関わらず、部屋を選ぶ際は間取りを考慮するように心がけましょう。
1LDKのメリット・デメリット
では実際に1LDKにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。一人暮らしの場合や、二人暮らしの場合などを踏まえながら1LDKの4つのメリットを見ていきましょう。
・生活にメリハリをつけられる
まず1LDKのメリットとして考えられることは、寝室と居室を分別できる点です。ワンルームや1Kの間取りでは空間が分かれていないため、料理のニオイが広がりやすいといったケースも少なくありません。また1DKと比較した場合に、くつろぐためのリビングが設けられている点でも、生活にメリハリをつけやすいと言えるでしょう。
・料理がしやすい
次にあげられるメリットは料理がしやすいということ。間取りが狭い場合、どうしてもキッチンスペースが手狭になりがちです。1LDKは前述の通り専有面積が広く取られているため、スペースを確保しやすいという点も魅力になります。
・人を招きやすい
料理にも付随しますが、人を招きやすいという点もメリットにあげられます。プライベートと空間を分けて利用できるのは人を招くうえでは重要なポイント。リビングとダイニングの2箇所を使い分けることで、大人はダイニングでゆっくり過ごし、子どもはリビングで遊ばせるなど様々なシーンで利用可能です。
・築年数が浅い傾向がある
1LDKは近年の晩婚化や少人数家族、金銭的に余裕がある独身者の増加に伴って、物件数が増えている傾向があります。そのほかの間取りと比較すると、築年数の浅い物件が見つかりやすいというポイントもあります。
次に1LDKの3つのデメリットについても見てみましょう。
・照明や空調の費用が上がりやすく、掃除に手間がかかる
1Kや1DKといった間取りと比較すると生活のメインがLDKとなり、広い分、照明や空調などのランニングコストが上がりやすい傾向があります。また付随して言えることですが、掃除に手間がかかってしまうといったデメリットがある点も押さえておきましょう。
・二人暮らしだと一人になりづらい
二人暮らしのケースだとリビングやダイニングで過ごす機会が多くなるため、一人の空間がつくりづらいといったデメリットもあげられます。またどちらか一方が片付けが苦手で、リビングやダイニングといった共有スペースを散らかす傾向があるなど、お互いの価値観や生活習慣がストレスとなるケースも。家具や設備、日用品などを含めて、共用・共有する点にはあらかじめ注意しておくと良いでしょう。
・1DKや2DKより家賃が高い
1Kや1DKといった物件と比較したときに、面積が広い分、家賃が上がることは避けられません。ライフラインの使用料などを含めて、全体的にランニングコストがかかってしまうのはデメリットと言えます。また2DKと比較しても家賃が高い場合も。条件によりますが、1LDKと2DKを比較検討する際はあわせて確認しておきましょう。
1LDKは、一人暮らしはもちろん、二人暮らしも可能な間取りです。反対に面積が広い分、収納が多く、物が増えてしまうというケースも考えられます。複数の間取りを比較する際は、どちらにもメリット・デメリットがあるものです。上記のメリット・デメリットも含めて、一人暮らしでも二人暮らしでも向き不向きがあるということは知っておく必要があります。
1LDKでの一人暮らしが向いている人
上記のメリットやデメリットを考えたときに、一人暮らしで1LDKを利用する場合、どのような人が1LDKに向いているかを見てみましょう。
・自炊することが多い
まずは自炊が多い人です。特に料理が好きな人は1Kなどに多く見られる手狭なキッチンを利用すると、効率や段取りが上手くいかずストレスを感じることが多くなってしまいます。また調理スペースのみならず、コンロが一口しかない傾向が強いのもデメリットに感じるのではないでしょうか。広めのキッチンの間取りを選べば作業がスムーズに行えるのはもちろん、新しく棚を置くスペースが確保できたり、家電を置く場所が取れたりと、料理を楽しむ工夫ができるのはメリットになります。
・在宅ワークが多い
在宅ワークが多い人にも向いています。自宅で過ごす時間が必然的に多くなるため、仕事の空間とプライベートの空間を自宅で分けることが可能になるのは利点です。具体的にはLDKの部分にパーテーションや背の高い家具を設置し作業スペースを囲う方法や、寝室の一角を作業スペースに利用する方法など、作業スペースをいろいろなアイデアで作れる広さがあるのも1LDKの魅力と言えます。また在宅ワークの方は仕事関連の書類を含め、保管しておくものも多くなりがち。仕事机や棚など、作業スペースを確保しやすいのはメリットと言えるでしょう。
・友人を頻繁に招く
友人を頻繁に招く方にも1LDKは適しています。食事やくつろぎの場所がわけられているため、パーティーなどで多めの人数を招き入れる際にダイニングを広く使えるよう工夫したり、リビングを一時的に広くしたりと、間取り次第で自由自在。ケースに応じて対応できるのも魅力となります。また1LDKは、ソファや広めのテーブルを置く広さを有する物件が多い点もメリットと言えます。
自宅で過ごす時間が少なく、「寝室やキッチンが分かれていれば良い」という人や、「料理をしない」という人もいるでしょう。その場合は家具や家電などの設備含め、家に必要なものが少なくなり、1Kや1DKでも十分なケースも考えられます。反対に自宅で過ごす時間が長い場合は、設備や余剰品などが増えて収納や部屋が手狭になってしまうということも。どのぐらい自宅で過ごすかという時間軸で住居を考えてみると、間取りを選びやすくなるかもしれません。
またキッチンと寝室、作業スペースをしっかりと分けたい場合は、2DKや2LDKの間取りの方が適しています。同じ一人暮らしでもライフスタイルや価値観で適した間取りが変わります。住居を考える際は、立地や設備はもちろんですが、間取りもじっくり考えてみると自分に適した良い物件を見つけやすくなるでしょう。
1LDKでの二人暮らしが向いている人
続いて二人暮らしの場合です。一人暮らしと比べて物件条件が絞られる傾向がありますので、ここで確認しておきましょう。
・一緒にいる時間が苦にならない
二人暮らしで1LDKを利用する場合、共有スペースが多くなるのは避けられません。そのため一人でいる時間をつくるのが難しい点もあります。リビング、ダイニングなどの生活空間はもちろんですが、寝室などのプライベートな空間も共にすることが前提となる点を、どう捉えるかは1つの指標になるでしょう。
・所有物が少ない
2DKや2LDKほどの広さを必要とせずに、「ある程度の広さや収納があれば二人暮らしで生活できる」という人にも向いています。所有物が多かったり、家具や設備などを多く設置したりという生活スタイルの場合は、1LDKの間取りでは手狭になります。しかし、持ち込む荷物が少なければ適切な間取りに感じる人もいるのが1LDKです。
・共働きのため家で過ごす時間が少ない
共働きの場合など、仕事で忙しく家で過ごす時間が少ない人もいると思います。そのようなケースだと「設備や家具も必要なものだけ置く」といった生活スタイルになる傾向があるため1LDKもおすすめです。場所を広く取らない分、家賃などのランニングコストも安くなるなど、メリットを多く感じることができます。
・料理をあまりしない
料理をするのが好きではなかったり、自炊したくても普段できなかったりといったケースも、1LDKがちょうど良い場合があります。上記にも付随しますが、二人暮らしで1LDKの間取りを選択する場合、パントリーや設備が少ないことはメリットになります。好きなもの、嫌いなものによって適切な間取りも変わってきますので、多様な角度から間取りを検討することをおすすめします。
同居人と一緒にいる時間が苦にならない場合はメリットにもなるためおすすめですが、一人の時間を持ちたい人や、生活リズムがお互いに異なる場合などは、2DKや2LDKの間取りを選択するほうがストレスなく過ごせるかもしれません。二人暮らしの間取り選びは、一人暮らしのときより生活満足度に直結します。お互いの生活スタイルを尊重し、適切な間取り選びを心がけると良いでしょう。
1LDKに二人で暮らすケースで多く見られるのは、友人との同居やカップルでの同棲、新婚〜子どもが生まれるまでの新婚世帯で居住しているケースが多い傾向があります。間取り選びの1つの参考にしてみてはいかがでしょうか。
1LDKの間取りの決め方
働き方や生活スタイルの多様化もあり、一言に1LDKといっても様々なタイプの物件があります。1LDKは大きく分けると2つのタイプに分別できます。居室とLDKが扉を隔てて直結しているタイプと、中廊下があり独立しているタイプの2つのタイプです。
どちらもメリット・デメリットがあり、自分の生活習慣や、同居人の有無によってタイプを決めることが重要となります。同じ広さの物件であっても、部屋の形状によって家具のレイアウトや設備の配置なども異なるもの。特に1DKや1LDKは部屋の数が少ないことがメリットでもあり、デメリットにもなるのが特徴です。
置きたい家具やレイアウトをある程度イメージするためにも、どのようなタイプの1LDKが自分に合いそうか検討しておくと、よりスムーズに物件探しができるでしょう。1LDKの間取りを検討する際には大事な基準になります。順を追って見てみましょう。
居室とLDKが直結しているタイプ
生活空間となるリビングやダイニングを廊下で隔てて独立しているタイプよりも、居室とLDKが直結しているタイプはプライバシーの面では劣ります。しかし、掃除のしやすさや光熱費を節約できるというメリットがあります。その際に配慮したほうが良い点は、空調の設置場所です。空調が部屋全体をカバーできる向きに設置できるのは光熱費を節約するうえで重要なポイントとなりますので、チェックしておくことをおすすめします。
それ以外にも、直結しているタイプは廊下を少なくできる分、居住スペースが広く造られている傾向があるのが特徴です。無駄なく生活空間が広く取れるということは、それだけでメリットにつながります。LDKが直結しているタイプの間取りで暮らす場合、LDKに居住者全員が集まる回数が増える点はデメリットと捉えられがち。しかし、居住者が集まる団らんの場として共通認識されることや、何をしているときも空間を共有できるという点はメリットです。
また、個室とLDKの間の扉が大きい場合、開放して使うことができます。一時的に広く使いたかったり、常時開放して広いワンルームとして使ったりと、自由度が高いとも言えるでしょう。ライフスタイルが合うようであれば、お得に利用できる可能性の高い物件と言えます。特に一人暮らしの人ならデメリットを感じることなく暮らせるケースが多いのでおすすめです。
居室とLDKが独立しているタイプ
居室とLDKが独立しているタイプは、居室とLDKが直結しているタイプとは反対に、空調が届かないなどのデメリットがあります。しかし、前述の通り、部屋が廊下で隔てられている分プライバシーが確保されやすいのはメリットです。仕事などで同居人と生活の時間帯が異なる場合も、気を遣うことなくお互いのストレスを軽減させられることでしょう。
さらに、向いている人の特徴にあげた「在宅ワークの多い人」ですが、二人暮らしをする場合はLDKが独立しているタイプがより重要になると考えられます。仕事の電話がかかってきたり、どうしても集中したいときがあったりと、仕事中は特に一人になりたいときがでてくるもの。その際に廊下1つでも隔てられていると、生活音が遮断されたり、気持ちの切り替えがしやすいといったメリットがあります。同様に「在宅時間が長い人」も生活のメリハリをつけやすいなどのメリットがあるため、間取りの検討材料にすることをおすすめします。
また来客者に居室を覗かれずに済んだり、トイレや風呂がLDKや居室から離れていたりと、同居人とのプライバシーも守れます。オーソドックスなタイプになるため、物件数が多く選びやすいといったところもメリットと言えるでしょう。居室とLDKが独立しているタイプは、選択肢が増える点も含めて二人暮らしの人にもおすすめです。
まとめ
1LDKについて1DKや2DKとの違いや、間取りタイプ別の特徴を解説してきました。これまでお話ししてきたように、住居を探す際は立地や設備、家賃とともに重要になるのが間取りです。転勤・転職、結婚など、様々なライフイベントの節目に住居を探される人も多いことでしょう。1LDKは使い方次第で、一人暮らしからカップル、小さな子どもがいる家族まで、幅広く対応するユーティリティー性も魅力の1つです。ここで改めて1DKと2DKとの違いや、間取りタイプ別の特徴などをまとめます。
1LDKと1DKの違い
・1DKは主な生活環境となる居住空間のダイニング・キッチンが4.5畳以上〜8畳未満に対し、1LDKは居住空間のリビング・ダイニング・キッチンが8畳以上〜と広いのが特徴
・1DKは比較的に築年数が古い建物が多く、リーズナブルな物件が多い傾向がある。対して1LDKは建築年数が浅いor築年数は古いがリノベーションされたきれいな物件が多く広さもあるため、家賃が高くなる傾向にある
1LDKと2DKの違い
・2DKは部屋が2つあるため、寝室以外にも部屋を有効活用できる
・2DKは一人の時間をつくりやすく、同居人と生活時間がずれていてもストレスを感じづらくなる
・2DKは広い分1LDKと比較した場合、家賃や光熱費などのランニングコストが多くかかったり、掃除がしづらかったりといったデメリットがある
LDKが直結しているタイプとLDKが独立しているタイプの違い
・LDKが直結しているタイプは廊下がない分部屋を広く取りやすい、光熱費を抑えやすいといったメリットがある。特に単身の人は不自由なく暮らせるため、コストパフォーマンスが良くなる傾向にある
・LDKが独立しているタイプはプライバシーが保たれやすく、同居人に対する気遣いが減ったり、一人の時間をつくれたりといった特徴がある。二人暮らしの場合は、上記タイプと比較してストレスを軽減できる
一人暮らし、二人暮らしのどちらにも魅力になり得る1LDK。前述の通り1LDKにも多種多様な物件があります。今回ご紹介したメリット・デメリットを参考にしていただき、この記事が物件と出会うためのきっかけとなれば幸いです。
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