住宅ローン金利は3タイプ - 固定・変動・選択型の違いと選び方ガイド | ニフティ不動産

住宅ローン金利は3タイプ|固定・変動・選択型の違いと選び方ガイド

ライター:ニフティ不動産編集部

人生で最も高い買い物とも言われるだけに、マイホームの購入では住宅ローンを利用する人がほとんどでしょう。住宅ローンを組むと元金の返済とともに所定の金利に基づく利息も負担しなければなりません。

2024年の3月以降、住宅ローンに適用される金利は上昇傾向にあり、新たにマイホームの購入を検討している人にとっては大きな心配事だと思います。今回はなぜ金利が上昇し、その影響が住宅ローンの返済にどのような影響を及ぼすのか、これから融資を受ける人はどういった作戦で臨むべきなのかについてわかりやすく解説します。

INDEX
  1. 住宅ローンにおける金利の重要性
  2. 住宅ローン金利の種類
  3. 住宅ローン金利の決まり方
  4. 固定金利、変動金利、固定金利期間選択型、どれを選ぶのが正解?
  5. 金利が上がると、返済額はどれだけ増える?
  6. 繰り上げ返済による金利負担の軽減
  7. まとめ

住宅ローンにおける金利の重要性

最近、預貯金に適用される金利が引き上げられていることをご存じでしょうか? 2025年の初めまで普通預金では年利0.1%程度の利息しかつかなったのですが、同年3月からその2倍の0.2%を適用するケースが増え始め、0.5%程度まで引き上げる銀行も出てきています。

こうした動きが出てきた背景には、国の金融政策を担う日本銀行(日銀)が方針を大きく転換したことがあります。2024年3月に17年ぶりになる政策金利(短期金利の誘導目標値)の引き上げ(利上げ)を実施し、さらに2025年1月にも追加の利上げに踏み切りました。

ただ、普通預金の適用金利が2倍になったとはいえ、まだゼロコンマ以下の水準にすぎないこともあり、インパクトはそう大きくないと言えるでしょう。たとえば100万円を預けても、1年間で1000円(税引前)だった利息が2000円(同)になったのにすぎません。

その点、住宅ローンに適用される金利が上昇した場合は、預金のケースよりもはるかに大きなインパクトが生じることになります。住宅金融支援機構の「2024年度フラット35利用者調査」によれば、2024年4月~2025年3月における承認案件(借換えを除く27523件)の年収倍率(融資額÷年収)は新築マンションが7.0倍、中古マンションで5.5倍に達していました。

出典:住宅金融支援機構「2024年度フラット35利用者調査

なお、フラット35は同機構が提供する住宅ローンです。新築マンションの場合で年収の7倍もの融資を受けてマイホームを購入しているわけです。そのうえ、同機構の「住宅ローン利用者の実態調査(2025年4月調査)」によれば、返済期間は「30年超~35年以内」が45.8%で最も多くなっていました。

数千万円もの大金を借りて30年超にわたって返済を続けていくわけですから、もともと負担する利息はけっして軽視できない金額に上ります。適用される金利が引き上げられれば、さらにその負担が大きく増えることになるのです。

ちなみに住宅ローン利用者の実態調査(2025年4月調査)」では、住宅ローン利用者全体の65.7%が今後1年間で住宅ローン金利は「現状よりも上昇する」と考えており、その割合は前回調査よりも増えていました。

住宅ローン金利の種類

ただ、一口に住宅ローンといっても、いくつかのタイプがあって特徴が異なっています。銀行をはじめとする金融機関が取り扱っている住宅ローンは、①固定金利型、②変動金利型、③固定金利期間選択型という3つのタイプに分類されます。

固定金利型はその名称からも想像できるように、ローンの契約時に決まった金利が完済までずっと適用される仕組みになっています。これに対し、変動金利型は参考としている指標の推移を踏まえ、半年ごとに適用金利が見直されていきます。

もっとも、参考指標が短期間で大きく変化して適用金利が急上昇すると、返済負担が一気に重くなってしまいます。激変緩和措置として、金利が上昇しても当面5年間は月々の返済額が変わらないようにする「5年ルール」が設けられています。

そのうえで、6年目からの返済額引き上げについてもそれまでの125%に相当する金額が上限になるという「125%ルール」も摘用されます。ただし、適用金利が引き上げられたにもかかわらず月々の負担が一定に保たれると、返済額において元金が占める割合は縮小します。言い換えれば、金利が上昇する前のシミュレーションよりも元金が減っていくペースが遅くなる可能性が出てくるのです。

固定金利期間選択型は、一定期間中は当初に定めた金利を適用し、期限が訪れた後は2つの選択肢が用意されているという仕組みになっています。その選択肢とは、①一定期間終了時における金利水準に基づいた変動金利型に乗り換える、②再び固定金利期間を設定してその時点における金利水準に基づいた固定金利型にスイッチするというものです。

住宅ローン金利の決まり方

固定金利型と変動金利型では、適用される金利の決まり方に違いがあります。固定金利型の場合は、長期金利(10年もの国債の利回り)と呼ばれる参考指標の推移を反映して決められています。

10年もの国債とは、国が10年後の返済と所定の利息の支払いを約束した債券(借用書のようなもの)で、市場で取引されてその利回りが日々変動しています。そして、その推移を大きく左右するのが日銀の金融政策です。

日銀の大きな役割は、金融政策を通じて物価を安定させること。最近のように物価の上昇が顕著になってくると、政策金利を引き上げるという金融政策によって、下落圧力をかけようとするのが一般的です。

長期に及んだデフレ(物価の下落)を受けて、日銀はゼロ金利やマイナス金利といった金融政策を続けてきましたが、冒頭でも触れたように利上げへと方向転換を図っています。今後、さらに物価の上昇が過熱した場合には、追加の利上げが続けられていく可能性も考えられ、それに伴って長期金利も上昇傾向を続ければ、先々において新規で固定金利型でローンを組む際に適用される金利もその流れに連動しそうです。

一方、変動金利の適用金利は、「短期プライムレート(銀行が最優良企業への1年以内の貸し出しに提示する最優遇金利)」と呼ばれる参考指標を基準に定められています。この短期プライムレートと連動しているのが日銀の政策金利で、利上げが実施されると変動金利に適用される金利も引き上げられることになります(ただし、前述した『5年ルール』や『125%ルール』といった緩和措置がある)。

つまり、変動金利型に適用される金利は日銀の金融政策と連動して決まるとともに、固定金利型も間接的に影響を受けるということです。

固定金利、変動金利、固定金利期間選択型、どれを選ぶのが正解?

今後も金利が上昇傾向を続ける可能性が高ければ、ローンを借りる側の多くは固定金利型を選びたくなるのが当然でしょう。ところが、お金を貸す側にとっては、先々の金利上昇が反映されないのは好ましくないことだと言えます。

逆に変動金利型は反映できるため、特に今後の金利上昇が見込まれる場面では、お金を貸す側にとって最も選んでほしいものになるはずです。そのような事情もあって、同じ時点において3つのタイプに適用されている金利を比較してみると、つねに「変動金利型<固定金利期間選択型<固定金利型」という関係になっています(変動金利型の適用金利が最も低く、固定金利型が最も高い)。

1990年代後半から始まった日本のデフレは2013年頃まで続いたと見られており、日銀は非常に長期間にわたって超低金利政策を続けてきました。こうしたことから、金利が上がる可能性が低かったこれまでの時代は、3つのタイプで最も金利が低い変動金利型を選ぶ人が主流派となっていたのです。

では、金利が上昇へと転じた今の局面では、どのような判断を下すのがベストチョイスなのでしょうか? 今後も急ピッチで金利が上昇していくと予想するなら、現状の水準をキープできる固定金利型を選ぶのが無難だと言えるでしょう。

しかしながら、すでに金利が上昇し始めているとはいえ、過去と比べれば依然として超低水準ですし、今後の追加利上げについても日銀は慎重に判断していくと予測する専門家も少なくありません。まずは3つのタイプで最も金利が低い変動金利型を選んでおき、今よりも金利の上昇が進んだ頃合いで固定金利期間選択型や固定金利型への借り換えを行うという手も考えられるでしょう。

金利が上がると、返済額はどれだけ増える?

変動金利型から固定金利期間選択型や固定金利型への乗り換えは、どういったタイミングで行うのが効果的なのでしょうか? 一般的には、借入残高が1000万円以上で、現状の適用金利よりも借り換え後の適用金利が1%以上低い場合がタイミングの目安になると言われています。

確かに、1%の金利差は大きな違いをもたらします。返済期間35年で3000万円の融資を受けた場合、適用金利が0.7%なら月々の返済額は約8万円で、年間総額は97万円弱ですが、適用金利が1.7%になると月々の返済額は約1万4000円増の9万5000円弱で、年間総額は約17万円増の114万円弱に増加します。

「5年ルール」や「125%ルール」が適用されても、金利の上昇で元金が減るペースが鈍ってしまいます。とはいうものの、住宅ローンの借り換えでは事務手数料などの諸費用(借入残高の3〜5%が一般的)も発生しますし、金利差が1%に達した途端、性急にアクションを起こすのも考えものでしょう。

利息負担の増加を抑える方法としては、借り換えよりも手軽にボーナスなどのまとまった資金を繰り上げ返済に充てる方法があります。

繰り上げ返済による金利負担の軽減

繰り上げ返済とは、契約時に決められた返済(月々やボーナス時の支払い)とは別に、臨時で返済を行うことです。繰り上げ返済したお金は、総返済額における元金相当部分の返済に充てられます。

繰り上げ返済の目的は、返済総額を減らすこと。また、返済期間を短縮したり、月々の返済額を少なくするのも可能です。繰り上げ返済によって元金が減った分だけ、利息の支払いがなくなるためです。

資金的に余裕があるなら、繰り上げ返済は住宅ローンを組んだ初期の段階で実行したほうが有利だと言えます。早いうちに元金を減らすことができれば、それだけ利息の負担も抑えられるからです。まとまった金額を蓄えられるまで待つケースよりも、少額でもできるだけ早期にこつこつと実行していったほうが利息を軽減できる効果が高くなります。

まとめ

日銀が金融政策を大きく転換し、日本でも金利が上昇傾向を示しつつあります。新築マンションの場合で年収の7倍もの費用を住宅ローンで工面しているのが実情であるだけに、マイホームの購入者にとってその適用金利が上昇することは大きな痛手です。

ただ、日本の金利がこれからも急ピッチで上昇し続けていく可能性は低いとの見方も多く、これからマイホームを購入する人も当面は3つのタイプで最も金利水準が低い変動金利型を選び、その後の情勢に応じて固定金利期間選択型や固定金利型への借り換えも検討するのも一考です。借り換え後の金利が1%以上低くなることが一般的な目安の一つですが、もっと手軽に利息負担を抑える方法として繰り上げ返済という手も考えられるので、まずはそちらのほうから検討してみましょう。

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