2021.03.31

引越しで必要な印鑑登録の住所変更手続き|印鑑の抹消・登録方法を詳しく解説

引越しで必要な印鑑登録の住所変更手続き|印鑑の抹消・登録方法を詳しく解説
引越しの際に行う手続きは多岐に渡りますが、新住所での印鑑登録もその一つです。
日常生活の中で実印を使用する機会はそんなに多くないですが、いざという時に慌てないで済むように引越しの際に印鑑登録の手続きもしておきましょう。
以下ではそもそも印鑑登録とは何か、また引越しの際の具体的な手続きの流れ、さらには印鑑登録にまつわるよくある質問を取り上げます。

印鑑登録とは

印鑑登録とは

「印鑑登録」という言葉を聞いたことはあっても、正確に理解していない方も多いかもしれません。以下の表にまとめておきます

印鑑登録市町村役場に登録し、個人あるいは法人が自分だけの印鑑であることを証明すること。
実印印鑑登録によって登録された印鑑。
印鑑登録証(印鑑登録カード)印鑑登録の際に発行される。これを役所に持参すれば印鑑証明書(以下を参照)を発行してもらえる。
印鑑登録証明書(印鑑証明書)印鑑登録された印鑑の印影と登録者の情報が記載されており、その印鑑が市町村役場で登録されたものであることを証明。重要な契約時に実印とともに必要になる。

登録できる印鑑の条件

各市町村で登録できる印鑑はどんなものでもよいわけではありません。以下の表にその条件をまとめておきましょう。
印鑑のサイズ印影の一片の長さが8ミリの正方形より大きく、25ミリの正方形よりも小さいこと。
文字姓名、姓のみ、名のみどれも可能。ただ、自治体によっては姓名の明示を条件としているところがあるため、事前の確認が必要。印影が不鮮明な場合は不可。
素材ゴムなどの変形しやすい素材は登録不可。
個数実印は一人一個だけ登録可能。

<印鑑登録できない印鑑の例>
  • すでに同一世帯の家族が同じ印鑑を登録している場合
  • 氏名以外の職業や資格、模様などが含まれている場合。ただし、「…印」、「…之印」、「…之章」は除く。
  • 外国籍の方は自治体によってアルファベットでの印鑑が必要なのか、カタカナでも登録可能か異なってくるため、事前に役所に確認。

印鑑登録が必要な場面

印鑑登録が必要な場面
引越しの際の住民票手続きとは異なり、印鑑登録は法的義務ではありませんが、引越しのタイミングで登録完了しておくことをおすすめします。契約手続きなど実印や印鑑証明書が必要になる場合があるからです。以下に代表的なものを挙げておきましょう。
  • 会社を設立するとき
  • 賃貸借契約を締結するとき
  • 不動産を購入するとき
  • 住宅ローンを組むとき
  • 抵当権を設定するとき
  • 保険金の受取りや放棄をするとき
  • 自動車を購入したり、名義変更をしたりするとき
  • 自動車を売却したり、廃車にしたりするとき

印鑑登録の引越し手続き

印鑑登録の引越し手続き

引越しの際に住民票を移動することは法的な義務ですが、それにより自動的に新住所での印鑑登録が自動的に完了するわけではありません。別途、印鑑登録の手続きが必要です。
ただ、同一市町村内での引越しは必要ありません。市町村をまたぐ引越しの場合のみ、旧住所で印鑑登録を抹消(廃止)し、新しい住所で新規の印鑑登録をしてください。

旧住所で印鑑登録の抹消(廃止)を行う

引越しにあたり、旧住所について転出届のために役所に足を運ぶかと思います。その際に印鑑証明の抹消(廃止)も行いましょう。そのためにどのような手続きが必要かは自治体によって異なります。
多くの自治体では転出届が受理された時点で同時に印鑑証明も抹消されるため、その場合は印鑑登録証(カード)のみ返却すれば手続き完了です。
ただ、自治体によっては別途印鑑登録の抹消(廃止)手続きが必要になります。以下の表に具体的な点をまとめておきます。
必要なもの・印鑑登録廃止申請書(役所で入手)
・印鑑登録証(印鑑登録カード)
・廃止する実印
・本人確認書類
・委任状(代理申請の場合)
手続きを行う場所旧住所を管轄する市町村役場
代理人の申請について
手続きの期限特にないが、転居届と同時にすると便利。
※上記表はあくまでも一般的な手続きについて述べたものであり、細かな手続きは各自治体によって異なるため直接ご確認ください。

新住所で印鑑登録と住所変更の手続きを行う

■本人が印鑑登録を行う方法
方式かかる日数手続き方法・必要なもの
身分証明書方式即日登録する印鑑、身分証明書(運転免許証など顔写真付きであれば1点確認、健康保険証・年金手帳など顔写真なしであれば2点以上確認)
照会書方式即日不可、数日かかる1度目に登録する印鑑を持って役所に行く。その後照会書が郵送されてくるので、再度その照会書と登録する印鑑を持って役所へ行き、手続きする。
保証書方式即日役所で保証書を受け取り、同一市町村内で印鑑登録している第三者に署名、印鑑登録印の押印をしてもらう。本人はその保証書と登録する印鑑を持って役所へ行き、手続きする。

■代理人が印鑑登録を行う方法
代理人ができる印鑑登録は上記表の照会書方式のみです。手順は以下の通りです。
1.代理人が登録する印鑑を持って役所へ申請に行く。
2.申請者(本人)は郵送されてきた照会書に署名。
3.代理人が照会書、委任状、登録する印鑑を持って役所へ。

同じ市区町村内で引越した場合、印鑑登録は不要

同じ市区町村内で引越した場合、印鑑登録は不要

前述したように同じ市町村内の引越しであれば、自治体が転居届を受理した時点で印鑑登録上の住所も自動的に変更されるため、別途の印鑑登録手続きは必要ありません。
ただ、政令指定都市内で区をまたいで引っ越す場合、印鑑登録が例外的に必要な場合があります。その場合、旧住所の印鑑登録は無効になります。

印鑑登録のよくある質問

印鑑登録のよくある質問

印鑑登録に関してよくある質問を取り上げました。ご参照ください。

印鑑登録証を失くした場合どうすればいい?

印鑑登録の際に発行された印鑑登録書(カード)を使わないうちにどこに置いたか分からなくなる場合があります。紛失した場合、現在の印鑑登録を抹消し、あらためて印鑑登録の手続きが必要です。
原則として新規の印鑑登録と同じであり、即日の受け取りが可能ですが、前述したように照会書方式の場合は郵送でのやりとりが必要で、手続きに数日かかります。

印鑑登録したかどうか忘れた場合どうすれば?

まずは管轄自治体の役所に足を運び、窓口で相談してみることをおすすめします。一般的には印鑑登録済みかどうかをすぐに回答してくれるはずですが、本人確認書類の提示が必要です。この場合、ほとんどの自治体で代理申請や電話での回答は不可ということも覚えておきましょう。

印鑑証明書にどの印鑑を登録しているか分からない

以下、2種類の対処法があります。
  1. 印鑑登録証(カード)を持参し、印鑑証明証に登録されている印鑑を確認する
  2. 印鑑登録書(カード)が手元にあるようなら、それを持って役所に行き、印鑑証明書を発行してもらいましょう。
    印鑑証明書上には登録している印鑑の印影が載せられていますので、どの印鑑か確認できます。
  3. これまでの印鑑登録を抹消し、新しい印鑑を登録する

まとめ

印鑑登録自体は引越し時に必須の手続きではありませんが、実印が必要な場面は何かと生じます。その時になって慌てなくてよいように前もって、住民票の手続きと一緒に印鑑登録も済ませておくとよいでしょう。

この記事を書いた人

ニフティ不動産編集部
ニフティ不動産編集部
引越しに役立つ情報をお届けします。 ニフティ不動産は大手不動産サイトの賃貸物件、購入物件をまとめて検索できるサイトです。

キーワードから記事を探す

ピックアップ記事