2021.03.31

引越し時のインターネット回線の継続・解約・契約変更でやるべき手続き|申込時期やよくあるトラブルと対処法

引越し時のインターネット回線の継続・解約・契約変更でやるべき手続き|申込時期やよくあるトラブルと対処法
引越しの際、面倒なのがインターネット回線手続きです。スムーズに行えなければ、引越し当日から「インターネットなし」の状況に見舞われます。自宅でテレワークを行っている人はスマートフォンのテザリング機能を使って対策できますが、ネット会議や動画再生など、安定したインターネット環境が必要な業務には不向きであり、まさに死活問題といえます。

そこで本記事では「手続きの開始時期」など、インターネット環境のシームレスな移行の方法や、開通工事までの対処方法を解説します。さらに、引越し当日から確実にインターネットが使える「ポケットWi-Fi」についても紹介していきます。

引越し時のインターネット回線継続・変更の実態調査

引越し時のインターネット回線継続・変更の実態調査

ニフティ株式会社運営のIT情報サイト「@nifty IT小ネタ帳」は、同サイトで引越し時のインターネット回線手続きに関わる実態調査の結果を公表しています。(調査対象:過去3年以内に引越しを経験、または今後の引越し予定がある20代~40代の賃貸居住の男女340人)

実態調査によって以下の点が明らかになりました。

  • 電気・ガス・水道などのライフライン手続き開始は20.4%が「1週間前」、19.8%が「1~2ヶ月前」
  • インターネット回線手続きは4人に1人が「引越し後」と回答
  • 引越し時にインターネット回線を継続した人は45%、変更した人は41%
  • インターネット回線を継続した人の半数近くが「引越し後すぐに利用できる」と理由
  • インターネット回線を変更した人の3人に1人が「引越し先に専用の回線が敷設」と回答

実態調査ではインターネット回線の手続きとの比較を可能とするため、ガス・電気・水道などのライフラインの手続きのタイミングについても尋ねています。両者の比較によって、インターネット回線の手続きでは、引越し後に行う人の割合が多いという特徴があることが分かりました。

とはいえ、インターネット回線の重要性が低く見られているわけではありません。なぜなら、引越し前のインターネット回線を継続利用したと回答した人の半数が、「引越し後すぐに利用できる」ことを理由としているからです。

またインターネット回線の変更は、多くの場合「物理的な理由」によって行われていることも明らかになりました。つまり、回線への不満(つながりにくい、遅い)や費用による理由ではなかったのです。そして今後引越しをする際、回線の継続をしたくなるポイントでも、費用面が「回線の安定性」「回線速度」の理由を下回っていました。

以上のように、「引越し後すぐに利用できる」ことが重視されていたり、費用面より回線の実用性を重視されていたりすることから、インターネット回線のライフライン化が進んでいることが分かります。

引越し時のインターネット回線手続きの選択肢

引越し時のインターネット回線手続きの選択肢

引越し時のインターネット回線手続きで何をすべきか迷った場合は、まずは以下の選択肢を基準に判断してみると良いでしょう。

  • インターネット回線・プロバイダを継続利用する
  • インターネット回線・プロバイダを解約する
  • インターネット回線・プロバイダを変更する
  • Wi-Fi(Wi-Fiルーター・ポケットWi-Fi)を利用する

インターネット回線・プロバイダの継続・解約・変更の判断は、通信の安定性や工事費の有無などから判断すると良いでしょう。

また、これまで固定回線しか使ってこなかった人は、ポケットWi-Fiの利用もこの機に考えてみてはどうでしょうか。今の住まいで手続きを終わらせれば、確実に引越し当日からインターネットを利用することが可能となります。

インターネット回線・プロバイダを継続利用する

インターネット回線・プロバイダの継続利用は、解約・変更する場合に比べて手続きがシンプルであるというメリットがあります。様々な手続きで忙殺されやすい引越しを、できる限りスムーズに行いたい方におすすめです。

しかし継続利用の場合、工事費は自己負担の可能性が高いです。新規契約では工事費がサービスされることが多いですが、継続利用ではサービスの対象外となる可能性があることに注意が必要です。ただし、メーカーや時期によってサービスの内容は変わるため、継続か解約かの判断は一度キャンペーンの内容を確認してからが得策といえます。

また、そもそも継続利用が物理的に不可能となる場合もあります。集合住宅ではすでに引かれている回線を利用しなければならないケースがあるためです。継続利用を希望する際は、引越し先の管理会社にも継続利用の可否を確認しなければならないことは念頭に置きましょう。

インターネット回線・プロバイダを解約する

「新居でインターネットが必要ない人」や「引越し先に敷設されている環境を利用する人」は、現在利用しているインターネット回線・プロバイダは解約することとなります。

ただし注意点として、解約を行う際は違約金の有無を確認する必要があります。特に契約月以外での解約で違約金が発生する可能性が高いです。

無駄な出費を避けて解約するためにも、解約の連絡を入れる前に契約満了月を確認する必要があります。そして、今すぐ解約して違約金を払う場合と、契約満了まで継続利用した場合の費用を比較した上で解約日を決定しましょう。

インターネット回線・プロバイダを変更する

「引越し先が利用中のインターネット回線の提供範囲外」、「今のインターネット回線に不満がある」などの事情がある場合、インターネット回線・プロバイダを変更するという選択肢が考えられます。

インターネット回線・プロバイダを変更すると、「工事費免除などのキャンペーンが受けられる」、「現状より月額料金が安くなる可能性がある」、「乗り換え割りが適用される可能性がある」などのメリットに恵まれます。

しかし以上の恩恵を受けるためには、回線事業者・プロバイダの比較検討を行う労力を費やす必要があります。そして当然、継続利用に比べて解約・新規契約の手間がかかります。引越しをできるだけスムーズに行いたい人にとっては面倒と感じられるかもしれません。

Wi-Fi(Wi-Fiルーター・ポケットWi-Fi)を利用する

「工事費をかけたくない人」や「引越し後スムーズにインターネットを使いたい人」は、Wi-Fi(Wi-Fiルーター・ポケットWi-Fi)の利用を検討するとよいでしょう。

ポケットWi-Fiなどは、引越し前の住まいで契約~ルーターの受け取りまで行うことが可能です。また、工事に立ち会う必要もないため、引越し前後の日程調整も行いやすくなります。

引越し先でもインターネット回線・プロバイダを継続利用したい場合

引越し先でもインターネット回線・プロバイダを継続利用したい場合

引越し先でもインターネット回線・プロバイダを継続利用したい場合の手続きは、以下の手順を踏むとスムーズに行うことができます。

  1. 契約内容を確認する
  2. 引越し先の住居で継続利用可能か調べる
  3. インターネット・電話で移転手続きを行う
  4. 開通工事の実施
  5. インターネット開通

特に2の「継続利用可能かを調べる」のが重要となります。なぜなら、引越し先に敷設されている回線しか使えず、物理的に継続不可能である場合もあるためです。また、継続利用でも引越し先で開通工事を行わなければならないため、早めに工事日程を調整する必要があります。

継続利用手続きは引越しの何日前にするのがベスト?

継続利用手続きは引越しの何日前にするのがベスト?引越し先ですぐにインターネットを使い始めたい人は、少なくとも1ヵ月前までには継続手続きを済ませておくのが理想的です。継続利用でも引越し先で工事が必要となるため、引越し後すぐ工事を終わらせるためにも継続手続きに早すぎるということはありません。

引越しシーズンの場合は業者の予定も立て込んでいます。3~4月の繁忙期に引越しの予定がある人は、さらに2週間ほど前(つまり6週間前)から手続きを開始しましょう。

継続利用には工事費用がかかる

インターネット回線・プロバイダの継続利用を選択する人は、工事費用がかかる点を理解しておく必要があります。工事費用は契約会社によって大きく異なり、1万円から、高い場合は4万円にもなります。

また、継続利用の工事の際には基本的に立ち会いが必要となります。そのため、引越し前後の予定は工事日程に合わせて調整する必要があります。ただし「光コンセント」があれば立ち会いが不要になる場合もあるため、継続手続きを始める前に、管理会社に引越し先のインターネット環境の詳細を確認しておくことが重要となります。

工事費用をかけたくない場合は「ポケットWi-Fi」の利用を検討

「工事費用をかけたくない」、「引越し後すぐ確実にインターネットを使いたい」と考える人には、ポケットWi-Fiという選択肢があります。ポケットWi-fiの大きなメリットは、開通工事の必要がなく、モバイルWi-Fiルーター到着後すぐに利用可能であることです。引越し前の現住所でルーターを受け取れば、引越し当日からインターネットを使うことができます。

そして、サービスエリア内であれば無制限なインターネット利用が可能です。ただし、「3日で10GBまで」などの制限があるため、ゲームや動画視聴が多い人にとっては使いづらさを感じる場合があります。

引越しを機にインターネット回線・プロバイダを解約したい場合

インターネット回線・プロバイダを解約したい場合は、以下の手順で踏みましょう。

  1. 契約内容を確認する
  2. 違約金の有無を調べる
  3. インターネット回線・プロバイダの乗り換えを検討
  4. 乗り換えキャンペーンがあれば利用する

解約に伴う違約金の発生を確認した上で、解約のみを行うと決めた人はステップ2で終了となります。一方、違約金を負担してもらえる乗り換えキャンペーンなどが見つかれば乗り換えを検討し、ステップ3・4に進みましょう。

解約手続きは引越しの何日前にするといいの?

解約手続きは引越しの何日前にするといいの?インターネット回線・プロバイダの解約手続きは、引越しの1ヵ月前までには済ませておくのが理想的です。理由は2つあります。

1つは業者ごとに解約日がバラバラであるためです。業者ごとに解約期日が1~2週間の開きがある場合もあります。すると、回線業者の期日に合わせて解約手続きを始めた結果、プロバイダのその月の期日に間に合わないという状況もあり得るのです。この場合、プロバイダとは1ヶ月余分に契約したことになります。

2つは解約手続き完了までには時間がかかるためです。賃貸物件の入居時に開通工事を行っていれば、基本は退去時に撤去工事を行います。工事には立ち会いが必要なため、必然的に解約手続きも引越し前に行わなければなりません。また、一部プロバイダの解約手続きは書面で行われるため、書類の郵送にかかる時間も考慮に入れる必要があります。

以上の理由から、解約手続きは引越しの1ヶ月前に終わらせるのがベストなのです。

新規契約手続きは引越しの何日前にするといいの?

解約手続きは引越しの何日前にするといいの?インターネットの新規契約手続きは、引越しの1~2ヶ月前から始めておくようにしましょう。手続き後すぐに工事が行われることはなく、基本的に手続きから工事当日までは1ヶ月程度空くことが多いためです。

特に2~4月の繁忙期での引越しの場合は業者の予定が立て込んでいる可能性が高いため、工事まで2ヶ月以上かかることも考慮しておくとよいでしょう。

どの業者でも工事日程がずれ込んでしまう場合、「Wi-Fiの開通前レンタル」の有無で契約会社を決定することをおすすめします。「Wi-Fiの開通前レンタル」は接続の安定性に多少の不安が残るものの、引越し当日~工事当日までの期間、簡易的なWi-Fi環境を整備することができます。

引越し当日にインターネット回線工事が終わっていない場合の対処方法

引越し当日にインターネット回線工事が終わっていない場合の対処方法

引越し当日にインターネット回線工事が終わっていない場合、以下の対処方法があります。

  • スマートフォンのテザリング機能を利用する
  • ポケットWi-Fiを利用する
  • データ通信量を一時的に追加する

3月や4月の引越しシーズンや工事日程の調整が遅くなった場合、引越し当日に開通工事が行えない可能性があります。工事までの間、少量の通信で十分であれば「テザリング機能」や「データ通信量の追加」といった対処法が考えられます。

一方テレワークやビデオ通話などで大容量通信を行う人は、ポケットWi-Fiの利用を検討しましょう。通信量が無制限で、かつ「データ通信量の追加」よりもお得になる可能性があります。

スマートフォンのテザリング機能を利用する

テザリングとはスマートフォンなどのモバイルデータ通信を利用して、パソコンやタブレットなどをインターネットへの接続を可能にすることです。テザリング機能を使えば、工事前でも自宅でパソコンなどをインターネットに接続することができます。

ただしテザリング機能を使う際は、あくまでスマートフォンなどのデータ通信を利用していることを忘れてはなりません。つまり、テザリングによってパソコンでインターネットを使い続けると、スマートフォンに通信制限がかかってしまう可能性があるのです。そのため、テザリングの使いすぎには注意が必要です。

ポケットWi-Fiを利用する

引越しから工事までの間を、ポケットWi-Fiのレンタルでしのぐことも可能です。サポートエリア内であれば、モバイルWi-Fiルーターが到着したその日からインターネットに接続することができます。

また先述したように、引越し当日~工事完了日までWi-Fiをレンタルしてくれる会社もあります。工事までの期間が長い場合は、契約会社にWi-Fiのレンタルができないか確認してみましょう。

データ通信量を一時的に追加する

工事までの間に通信制限がかかってしまった場合、データ通信量を一時的に追加するのもよいでしょう。「データ通信量の追加」は契約キャリアのサービスページから可能です。ただし1Gあたり約1,000円かかるため、ゲームや動画視聴には向かない対策であると理解しておく必要があります。

ポケットWi-Fiなら引越し先でスムーズに使える!

ポケットWi-Fiなら引越し先でスムーズに使える!

「工事完了までポケットWi-Fiを使いたい」、「引越しを機にポケットWi-Fiを使いたい」と考えている人は、以下の注意点を押さえておきましょう。

  • 引越しの前にポケットWi-Fiを契約する
  • 引越し先の住所がサポートエリアか把握する

ポケットWi-Fiを契約する際には、契約のタイミングとサポートエリアの確認が重要となります。特に引越し先がサポートエリア外であった場合、自宅でポケットWi-Fiが使えないという最悪の状況となります。ポケットWi-Fiの契約はWebで完結することも多く、サポートエリアの確認も自己責任で行わなければなりません。

引越しの前にポケットWi-Fiを契約する

引越し当日からポケットWi-Fiを使うためには、引越し前に契約手続きを行う必要があります。契約からモバイルWi-Fiの受け取りまで数日~1週間かかるため、引越しの2週間ぐらいには手続きを完了させておくと理想的です。

引越し先の住所がサポートエリアか把握する

ポケットWi-Fiの契約の前には、引越し先がサポートエリアに含まれるかを必ず確認しましょう。契約はWebで完結することが多いため、良くも悪くも自己判断に委ねられることになります。特に地方であればあるほどサポートが及んでいない可能性が高まるため、注意が必要です。

まとめ

引越しの際のインターネット回線手続きは、引越しの1ヶ月前までに済ませておくのが理想的です。特に繁忙期の引越しでは、2ヶ月前でも早すぎるということはありません。

とはいえ、どれだけ計画的に手続きを進めても、引越し~工事までの空白ができてしまう場合があります。もし引越し当日から確実にインターネットを使いたいのならば、ポケットWi-Fiの利用も考えてみてはどうでしょうか。ポケットWi-Fiならば工事もなく、引越し前の自宅で手続きを完結させられます。

この記事を書いた人

ニフティ不動産編集部
ニフティ不動産編集部
引越しに役立つ情報をお届けします。 ニフティ不動産は大手不動産サイトの賃貸物件、購入物件をまとめて検索できるサイトです。

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