引越しで本籍地の変更は必要?|本籍地変更のメリット・デメリットを徹底解説
引越し未経験者は、引越しにおける手続きの多さに驚くのではないでしょうか。多くの手続きに辟易している中、「本籍地は変更した方が良いのか」といった疑問を持つ人もいるでしょう。結論から言うと、引越しで本籍地の変更は必要ありません。
ただし本籍地の変更は自由なので、変更するメリット・デメリットを把握して、どうするかを決めると良いでしょう。
引越ししたら本籍地の変更=転籍が必要?
引越しても、基本的に本籍地を変更する必要はありません。
ちなみに本籍地や戸籍とは以下のような意味を持ちます。
【本籍地とは】
戸籍を登録している場所。任意で決めることができる。
【戸籍とは】
自分の氏名や父母、配偶者との続柄を記録する書類。夫婦で1単位として編製。結婚すると親の戸籍から離脱。
引越しで必要となる手続きは、「住民票の移動」です。そのため、引越しを機に本籍地を変更するかしないかは個人の自由となります。ただし、転籍にはメリット・デメリットが存在するので、それらを把握した上で転籍するか否かを決めるようにしましょう。
本籍地を変更するメリット
本籍地を変更するメリットは、「戸籍謄本が取得しやすい」点にあります。戸籍謄本は、例えば以下のような場面で必要となります。【戸籍謄本が必要な場面】
- パスポートの申請
- 本籍地以外での婚姻届提出
- 生命保険の請求
- 年金の受給開始
- 遺言書作成
- 遺産相続の手続き
現在の居住地が本籍地のある市区町村の場合は、管轄の自治体に行けば戸籍謄本を取得することができます。しかし問題は、居住地が本籍地のある市区町村ではない場合です。
居住地と本籍地のある市区町村が遠くない場合は直接取りに行くこともできますが、遠方で直接取りに行くことが難しい場合は取り寄せとなります。戸籍謄本は郵送請求をしてから手元に届くまで、7~10日はかかります。そのため、急ぎで戸籍謄本が必要となった場合は、間に合わない可能性も出てきます。
しかし、本籍地を現住所に移しておけば、管轄の自治体ですぐに手に入ります。急な手続きにも焦ることなく対処できるのです。
本籍地を変更するデメリット
本籍地を変更した場合、以下のようなデメリットが考えられます。- 遺産相続時に遺族の手間が増える 一番のデメリットは、遺産相続時に家族の手間が増えることです。相続の手続きには、亡くなった人と相続人(親や子)との関係を証明するために、亡くなった人が生まれた時から亡くなるまでの“全て”の戸籍謄本(除籍謄本)が必要です。そのため、亡くなった人が生まれてから亡くなるまでに複数回転籍している場合は、籍を置いた各自治体に問い合わせて戸籍謄本を取り寄せなければいけません。
- 運転免許証やパスポートの変更が必要になる 運転免許証に埋め込まれているICチップには本籍地の情報が刻まれています。そのため、本籍地が変わった場合は、運転免許証の本籍地情報も変更が必要です。また、パスポートにも本籍地が記載されています。ただし、パスポートの本籍地は都道府県のみであるため、県をまたいで本籍地を変更する場合にのみ、パスポートも変更手続きが必要となります。
- 請求書 ※自治体HPでダウンロード可能。印刷して使用する。
- 本人確認書類の写し
- 手数料分の定額小為替 ※郵便局で用意
- 切手を貼付した返信用封筒
- 委任状 ※代理人が請求する場合
- 本籍地を記載した住民票のコピーを取る 本籍地を記載した住民票のコピーは、お住まいの管轄の自治体で取ることができます。手数料が数百円かかります。
- 免許証のICチップを読み取る 免許証のICチップは、警察署や運転免許試験場などで読み取りができます。またスマホアプリでも読み取り可能ですが、免許登録と更新時に設定した2つの暗唱番号が必要です。
これまでの転籍地を全て把握しておけば、大して難しい作業ではないかもしれません。しかし、亡くなった人の親族であっても、本人の転籍経歴を全て知っている人は少ないでしょう。
また、亡くなった人と相続人が親子関係ではない場合、相続人が祖父母もしくは兄弟姉妹になります。その場合は、亡くなった人の親が生まれてからの戸籍謄本が必要になるため、さらに複雑化します。このように遺産相続の手続きを前にして、転籍回数が多いことが難題として立ちはだかることとなるのです。
本籍地変更の方法と必要書類
本籍地の変更は、以下の必要なものを用意して「本籍のある市区町村の自治体」もしくは「新たな本籍地にしたい市区町村の自治体」で手続きを行います。
| 手続き場所 | 本籍のある市区町村の自治体 or 新たな本籍地にしたい市区町村の自治体 |
|---|---|
| 必要なもの | ・転籍届 ・本人確認書類 ・戸籍全部事項証明書(戸籍謄本) ※転籍地が旧本籍地と同一市区町村内である場合は不要 ・印鑑 ※夫婦での届出は、双方の印鑑・自署が必要 |
先述のとおり、戸籍謄本は、本籍地のある自治体でしか発行できません。現在の居住地と本籍地が離れていて、戸籍謄本を取りに戻れない場合は郵送で取り寄せることができます。
【戸籍謄本を郵送で取り寄せる方法】
下記必要書類を揃えて、本籍地のある市区町村の自治体に送付して請求します。
戸籍謄本の郵送は、請求から手元に届くまで7~10日かかることを留意しておきましょう。
本籍地を変更する時の注意点
本籍地の変更は、原則として戸籍に記載されている全員の本籍地が変更されます。つまり、世帯単位で変更されるということです。もし家族の内、一部の人の本籍を移したい場合は、「転籍届」ではなく「分籍届」で手続きをすることになります。
結婚した場合は、夫婦二人の戸籍が新たに編製されるため、「転籍届」手続きの必要はありません。新たに編製された戸籍は本籍地が設定されていないため、本籍地を自由に選ぶことができます。
本籍地変更に関するQ&A
本籍地の変更で良くある疑問をまとめました。
本籍地が分からない時はどうすれば良い?
本籍地が分からないときは、以下の方法で調べることができます。本籍地はどこでも良いの?
本籍地は日本国内であれば、どこでも設定することができます。先祖代々の土地や夫婦の思い出の地、人が住めない東京タワーなどでも設定可能です。ただし、先述のとおり戸籍謄本が必要となった場合に、遠方では取り寄せに時間がかかります。その点を考慮して、すぐに取りに行ける距離の場所を設定するのがおすすめです。離婚したら本籍地はどうなるの?
離婚したら筆頭者ではない方が除籍されます。筆頭者とは、婚姻届提出の際に氏の変更がない方です。日本の場合は、夫が筆頭者となることが多いので、離婚したら一般的には妻が除籍されます。除籍後は、結婚前の本籍地に戻ります。(復籍)子どもの本籍地は、手続きをしない限りそのままとなります。子どもの籍を移したい場合は、家庭裁判所の許可が必要です。許可が得られたら、市区町村の自治体へ届け出を行いましょう。
まとめ
引越したからといって必ず本籍地を変更しなければいけない訳ではありません。本籍地の変更を行うかどうかは個人の自由です。本籍地を変更するメリットとしては、「戸籍謄本が取得しやすくなる」ことが挙げられます。一方、デメリットは「遺産相続の手続きが大変」になること、「免許証(とパスポート)の変更が必要」になることです。
本籍地は必要な書類を提出すれば簡単に変更することができます。しかし、メリット・デメリットをよく考慮した上で、必要であると判断した場合のみ、転籍の手続きを行うようにしましょう。
この記事を書いた人
- ニフティ不動産編集部
- 引越しに役立つ情報をお届けします。 ニフティ不動産は大手不動産サイトの賃貸物件、購入物件をまとめて検索できるサイトです。