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「ZEH住宅って言葉を聞くけれど、よくわからない」
「ZEH住宅のメリット・デメリットを知りたい」
「ZEH住宅で旅行できる補助金制度について詳しく知りたい」

このようにお考えの方は、多いのではないでしょうか?

今回の記事では、ZEH住宅とは何かをはじめとし、メリット・デメリットや補助金制度などについて紹介します。ZEH住宅について理解して、理想のマイホームを建てましょう。



ZEH住宅とは?

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ZEH住宅とは、Net Zero Energy Houseを省略した言葉であり、消費よりも創出するエネルギーのほうが上回る住宅のことです。政府は、ZEH住宅の建設を促進しており、近年注目を集めています。

ZEH住宅が促進される背景として、日本は第一次エネルギーの約90%が輸入に依存していることやエネルギー消費量の10%以上を住宅が占めていることなどが挙げられます。ZEH住宅の増加により、自然災害時に備えて国内エネルギーの供給を強化したり、エネルギー消費量を削減したりすることが可能です。

ZEH住宅の3要素

ZEH住宅は、断熱・省エネ(省エネルギー)・創エネ(創エネルギー)の3つの要素を特徴としています。それぞれの概要を表にまとめました。

要素 概要
断熱 断熱性を向上させて気温の影響を防ぐことで、エアコンの使用を軽減し、エネルギーを効率よく使用可能です。断熱性を向上させる例として、窓に断熱材を使用することが挙げられます。
省エネ 省エネを意識することで、エネルギー消費量を抑えられます。省エネの例は、消費エネルギーの少ない高効率の給湯システムやLED照明の使用です。
創エネ 創エネに力を入れることで、消費エネルギーをまかない、さらに備蓄できます。創エネの例として、太陽光発電システムの導入が挙げられます。

断熱・省エネ・創エネの3要素を実現させるためには、HEMS(ヘムス)の導入が欠かせません。HEMSとは、消費または創出したエネルギー量を可視化できるシステムのことです。エネルギーの管理がしやすくなり、消費量の最適化を図れます。

ZEH住宅の基準

ZEH住宅として認められるためには、以下の4つの基準を満たす必要があります。

ZEH住宅の基準

・ZEH強化外皮基準(地域区分1~8地域の平成28年省エネルギー基準(ηAC値、気密・防露性能の確保等の留意事項)を満たした上で、UA値[W/m2K] 1・2 地域:0.40相当以下、3地域:0.50 相当以下、4~7地域:0.60相当以下)
・再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費量削減
・再生可能エネルギーを導入(容量不問)
・再生可能エネルギー等を加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上の一次エネルギー消費量削減

出典:ZEHの定義(改定版)<戸建住宅>

政府がZEH住宅の建設を促進していることもあり、今後は新築住宅においてZEH住宅の基準を満たすことが常識になる可能性があります。基準を満たした住宅を建てたい場合は、ZEH住宅に対応しているハウスメーカーや工務店に依頼しましょう。

ZEH住宅の種類

ZEH住宅の種類は、以下のとおりです。

ZEH住宅の種類 「断熱」と「省エネ」による省エネ率 「創エネ」による省エネ率 その他
ZEH 20%以上 100%以上
ZEH+ 25%以上 100%以上 下記のうち2項目以上クリア
・断熱性能の更なる強化
・HEMSにより太陽光発電等の発電量を把握し、住宅内の冷暖房、給湯設備等を制御可能
・太陽光発電など再生可能エネルギーシステムより電気自動車等に充電可能
Nearly ZEH 20%以上 75%以上 寒冷地・低日射地域・多雪地域が対象
Nearly ZEH+ 20%以上 75%以上 寒冷地・低日射地域・多雪地域が対象
下記のうち2項目以上クリア
・断熱性能の更なる強化
・HEMSにより太陽光発電等の発電量を把握し、住宅内の冷暖房、給湯設備等を制御可能
・太陽光発電など再生可能エネルギーシステムより電気自動車等に充電可能
ZEH Oriented 20%以上 都市部狭小地の2階建て以上・多雪地域が対象

表からわかるように、ZEH住宅と一言で言っても種類は、さまざまです。予算や補助金額などを考慮しつつ、適した種類のZEH住宅を立てましょう。

ZEH住宅のメリット4つ

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ZEH住宅のメリット4つは、以下のとおりです。

①光熱費を削減できる
②災害時に備えて非常電力を蓄えられる
③将来高値で売却できる可能性がある
④ヒートショックのリスクを軽減できる

それぞれ詳しく解説します。近年、注目されつつあるZEH住宅の魅力を知りましょう。

①光熱費を削減できる

ZEH住宅は、光熱費を削減できます。ZEH住宅は、断熱・省エネ・創エネの3つの要素を持っているためです。

断熱性能を高めたり、省エネ対策を施したりすることにより、消費エネルギーを抑えられます。

また、創エネも可能であり、消費分をまかなえます。光熱費を削減したい方は、ZEH住宅を検討してみましょう。

②災害時に備えて非常電力を蓄えられる

災害時に備えて、非常電力を蓄えられる点もZEH住宅のメリットです。蓄電設備を整えれば、太陽光発電システムにより創出したエネルギーを蓄えられます。

日本は、地震や台風などの自然災害が多い国です。自然災害が発生すると、停電になるリスクがありますが、非常電力を蓄えておけば、電気が使えるため、非常に便利です。

③将来高値で売却できる可能性がある

ZEH住宅は、将来、高値で売却できる可能性があります。一般社団法人である住宅性能評価・表示協会が運営するBELSで高い評価を得られるためです。

BELSとは、Building-Housing Energy-efficiency Labeling System(建築物省エネルギー性能表示制度)の略称です。一次エネルギー消費量をもとに、省エネ性能を5つの星マークで評価します。

ZEH住宅は、省エネ対策が施されており、BELSで高く評価されるため、高値の売却額を期待できます。

④ヒートショックのリスクを軽減できる

ZEH住宅のメリットとして、ヒートショックのリスクを軽減できることも挙げられます。

ヒートショックとは、住環境の急激な寒暖差によって、血圧や心拍数が変動することです。ヒートショックは、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす原因とされています。

ZEH住宅は、断熱性能を高めており、部屋同士の寒暖差が小さい傾向です。ヒートショックを起こしにくいうえ、夏は涼しく、冬はあたたかいため、小さい子どもから高齢者まで快適に過ごせます。

ZEH住宅のデメリット3つ

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ZEH住宅のデメリット3つは、以下のとおりです。

①発電量が天候に左右される
②設備設置やメンテナンスの費用が高額
③住宅の間取りやデザインが制限される

それぞれ詳しく解説します。メリットだけではなく、デメリットも知ったうえで、ZEH住宅の購入を検討してください。

①発電量が天候に左右される

ZEH住宅は、発電量が天候に左右されます。太陽光発電システムは、太陽光エネルギーを電力に変換しているためです。

雨やくもりなど日照時間が短い天候の場合、発電量が低下し、安定した電力を得られない恐れがあります。太陽光発電システムは、天候により発電量が変動することを念頭に置いておきましょう。

②設備設置やメンテナンスの費用が高額

ZEH住宅のデメリットとして、設備設置やメンテナンスの費用が高額な点も挙げられます。ZEH住宅の3要素である断熱・省エネ・創エネを満たすためには、HEMSや太陽光発電システムなどさまざまな設備を設置する必要があります。

また、設置した設備をできるだけ長く使用するためには、定期的なメンテナンスが大切です。設備設置やメンテナンスは、高額なコストがかかります。設備設置やメンテナンスにかかるコストを抑えるために、保証期間が長いメーカーを選ぶなど工夫しましょう。

③住宅の間取りやデザインが制限される

ZEH住宅は、間取りやデザインが制限されます。設置設備を考慮しつつ、間取りやデザインを決めなければならないためです。

とくに、太陽光発電システムは、屋根の外観を損なう可能性があります。十分な発電量を得るためには、屋根の角度にも配慮しなければなりません。

ZEH住宅は、間取りやデザインに制限がありますが、できるだけ理想に近づけるためには、ハウスメーカーや工務店と細かく認識合わせを行いましょう。

ZEH住宅の補助金制度

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ZEH住宅は、補助金制度を利用できます。 ZEH住宅の補助金制度の種類・申請方法・注意点について解説します。ZEH住宅を建てる際は、補助金制度をうまく活用してください。

ZEH住宅の補助金の種類

ZEH住宅の補助金制度の種類と補助金額について表にまとめました。

ZEH住宅の補助金制度の種類 補助金額
ZEH支援事業 55万円/戸もしくは100万円/戸
次世代ZEH+(注文・建売・TPO)実証事業 100万円/戸
次世代HEMS実証事業 112万円/戸
子育てエコホーム支援事業 80万円/戸

ZEH支援事業は、ZEH住宅の種類によって、補助金額が変わります。

また、ZEH支援事業や次世代ZEH+(注文・建売・TPO)実証事業、次世代HEMS実証事業は、導入設備によって補助金額を増額可能です。

ほかには、自治体が設けている補助金制度もあります。活用できる補助金制度があるか自治体の公式ホームページを確認してみましょう。

ZEH住宅の補助金の申請方法

ZEH住宅の補助金制度の申請方法は、以下のとおりです。

1. ZEHビルダーもしくはZEHプランナーに登録しているハウスメーカー・工務店・建築会社に依頼する
2. 金融機関にローンを申し込み、審査を受ける
3. ZEH住宅の補助金制度に申し込み、審査を受ける
4. 補助金の交付決定後、ZEH住宅の建設を開始する
5. ZEH住宅が完成後、実績報告書を提出する
6. ZEH住宅の補助金が入金される

ZEH住宅の補助金制度は、応募期間が決められています。利用したい補助金制度がある場合は、公式ホームページにて情報を随時確認しましょう。

ZEH住宅の補助金の注意点

ZEH住宅の補助金制度を利用する場合の注意点は、以下のとおりです。

・補助金制度の情報を随時確認する
・ZEHビルダーもしくはZEHプランナーに登録している会社を利用する
・補助金制度申請後は、設計変更ができない

ZEH住宅の補助金制度は、年度によって申請期間や補助金額などが異なります。補助金制度を利用したい方は、最新の情報を確認しましょう。

また、補助金制度を利用するためには、ZEHビルダーもしくはZEHプランナーに登録している会社に依頼する必要があります。

ZEHビルダーもしくはZEHプランナーに登録していない会社にZEH住宅を依頼することは可能ですが、補助金制度は申請できないため、注意してください。

さらに、補助金制度に申請後は、設計の変更ができない点も念頭に置いておきましょう。

ZEH住宅の補助金制度を利用するためには、断熱性能や消費エネルギー量を細かく計算しなければなりません。設計を変更してしまうと、計算した断熱性能や消費エネルギー量と異なる可能性が考えられるため、申請時のプラン通りに進める必要があります。

補助金制度をうまく活用してZEH住宅を建てるためには、注意点を理解しておきましょう。

ZEH住宅に関してよくある質問

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ZEH住宅に関してよくある質問は、以下のとおりです。

・ZEH基準は、いつから義務化される?
・ZEH住宅は、意味ないって本当?

それぞれ詳しく解説します。疑問に感じていることがあれば、参考にしてください。

ZEH基準は、いつから義務化される?

ZEH基準は、2030年までに義務化されるといわれています。

現在、オフィスビルのような非住宅建築物を新規に建てる場合は、省エネ基準を満たすことが必要です。2025年度以降は、住宅を含むすべての新築建物で省エネ基準を満たすことが義務付けられています。

政府は、2030年までには、省エネ基準よりも厳しいZEH基準を満たすことを目指しています。

ZEH住宅は、意味ないって本当?

ZEH住宅は、意味がないわけではありません。
ZEH住宅は、光熱費の削減・非常電力の備蓄・高値での売却・ヒートショックのリスク軽減などのメリットがあるためです。

ZEH住宅は、発電量が天候に影響・設備設置やメンテナンス費用が高額・間取りやデザインの制限などのデメリットがあることも事実です。

しかし、政府は、新築住宅を建てる際にZEH基準を満たすことを目標にしており、今後はZEH住宅の増加が予想されます。

ZEHビルダーやZEHプランナーに相談してデメリット対策を行い、理想のZEH住宅を建てましょう。

補助金制度をうまく活用してZEH住宅を建てよう!

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今回の記事では、ZEH住宅とは何かをはじめとし、メリット・デメリットや補助金制度などについて紹介しました。

ZEH住宅は、使用よりも創出するエネルギーのほうが上回る住宅のことをいいます。メリットだけではなく、デメリットもありますが、政府は、新築住宅がZEH基準を満たすことを目標としており、ZEH住宅の増加が予想されます。

補助金制度もあるため、うまく活用して、快適なZEH住宅を建てましょう。

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