リノリウムとは?床材に使用するメリット・デメリットや活用場所などを紹介の画像01

今回の記事では、リノリウムとは何かをはじめとし、メリットやデメリット、リフォームする際の費用相場などを紹介します。リノリウムについて詳しく知り、信頼できる業者にリフォームを依頼しましょう。



リノリウムとは?

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リノリウムとは、1683年にイギリスで開発された素材のことです。原料は、亜麻仁油・ロジン・ジュート・松ヤニ・天然色素などであり、すべて天然のものです。壁材や家具の仕上げ材などに使用されています。なかでも、開発以来主に床材として広く普及してきましたが、コストがかかることや施工が難しいことが難点でした。そのため、後に開発された安価で生産性の高い塩化ビニルに取って代わられました。

しかし、近年SDGsへの取り組みが進んでおり、再びリノリウムが注目されています。かつては、東リ株式会社が国産初のリノリウムである「リノリユーム」を発売していました。現在は製造を中止しており、日本では、田島ルーフィング株式会社を通じてオランダのファルボ社が製造する「マーモリウム」という製品が普及しています。

再びリノリウムが注目されるようになると、リノリウム風の商品が数多く販売されはじめました。似ているものも総称してリノリウムと呼ぶこともありますが、リノリウム本来の性能は持っていないため注意が必要です。

リノリウムの床にするメリットは?

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リノリウムを床材に使用するメリットとして、抗菌・抗ウイルス作用があることや耐久性・耐火性に優れていること、お手入れが簡単であることなどが挙げられます。それぞれ詳しく解説します。

抗菌・抗ウイルス作用がある

リノリウムには、抗菌・抗ウイルス作用があります。リノリウムの主な原料である亜麻仁油に含まれるオメガ6系リノール酸が持つ作用によるものです。実際にノロウイルスや黄色ブドウ球菌・腸管性出血性大腸菌O157に対して抗菌・抗ウイルス効果があることが実証されています。

さらに、リノリウムには脱臭効果もあります。実証実験では、空気中のアンモニア臭が3時間でほぼ0%になりました。

耐久性・耐火性に優れている

耐久性・耐火性に優れてることもリノリウムを床材に使用するメリットのうちの1つです。リノリウムの寿命は、約30〜40年といわれています。ほかの床材と比較すると、長いことが特徴です。適度に弾力があり、傷がつきにくい傾向にあります。家具の重さによるへこみも残りにくく、模様替えする頻度が多い方にもおすすめの床材です。

また、発火温度が高いため、燃えにくいことも特徴です。万が一、火事が起こった際でも燃え広がりにくい傾向にあり、被害を抑えられます。

お手入れが簡単

リノリウムは、お手入れが簡単です。リノリウムはほこりやハウスダストが付着する原因とされている静電気が発生しにくい傾向にあります。基本的にワックス掛けなどのメンテナンスも不要であり、負担を軽減できる点も魅力です。

また、表面がなめらかで水をはじきやすいため、飲み物や食べ物などをこぼした際でも簡単に拭き取れます。小さな子供やペット、アレルギー体質の方がいる家庭にもおすすめです。

人や環境に優しい

リノリウムは天然素材であるため、人や環境に優しい点がメリットです。化学物質が含まれていないため、床材や壁材などに使用してもシックハウス症候群を引き起こすリスクを抑えられます。

さらに、製造から廃棄の過程において有害物質が発生しないことに加え、生物分解性があるため堆肥化させて土に返すことが可能です。これらのことから、SDGsへの取り組みが推進される現代において、リノリウムが再び注目されています。

リノリウムの床にするデメリットは?

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リノリウムを床材に使用するデメリットとして、特有のニオイが発生することや紫外線・アルカリ性に弱いこと、価格が高いことが挙げられます。それぞれ詳しく解説します。

特有のニオイがする

リノリウムには特有のニオイがあります。リノリウムの主な原料である亜麻仁油が発するものです。体に害はありませんが、特有のニオイを苦手に感じる方もいます。基本的には、換気をすれば気にならない程度であり、時間の経過とともに消えていきます。ニオイが苦手な方はこまめに換気するようにしましょう。

紫外線やアルカリ性に弱い

リノリウムは、紫外線やアルカリ性に弱いことがデメリットです。日光や蛍光灯などの紫外線により変色する恐れがあります。また、リノリウムの原料である木粉やコルクなどは、アルカリ性により傷んだり変色したりすることが考えられます。

価格が高い

リノリウムは、ほかの床材と比べて、価格が高い傾向にあります。天然素材であり、原料にコストがかかることや製造に手間がかかることが理由です。また、リノリウムは施工が難しく、対応できるリフォーム業者が限られていることも影響しています。

近年、安価なリノリウム風の床材が普及されていますが、リノリウムならではの抗菌・抗ウイルス作用や耐火性などの利点はありません。リノリウムの床へリフォームしたい方は、コスト面を含めてメリットやデメリットを考慮しつつ検討しましょう。

床材の主流であるクッションフロアや塩ビタイルについて

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近年、環境に優しいリノリウムが再注目されていますが、床材の主流はクッションフロアや塩ビタイルです。クッションフロアと塩ビタイルについてそれぞれ詳しく解説します。リノリウムとの違いにも注目してニーズに合った床材を選びましょう。

クッションフロアとは?

クッションフロアとは、塩化ビニル系のシート状の床材であり、クッション性に優れていることが特徴です。クッション性を活かして、さまざまなメーカーがペット対応の商品を販売しています。爪による傷が付きにくいことに加え、滑りにくい性質を持っており、ペットがいる家庭でも安心して使えます。

また、耐水性に優れているため、洗面所・トイレ・キッチンなどの水回りでの使用にぴったりです。飲み物だけではなく、食べ物をこぼしても手軽に拭き取れるため、清潔を保ちやすいことも魅力です。

さらに、リノリウムと比較して安価であるうえ、カラーやデザインの種類が豊富にあります。コストを抑えつつリフォームできることが人気の理由のうちの1つです。

塩ビタイルとは?

塩ビタイルとは、ポリ塩化ビニルをタイル状にした床材であり、耐久性に優れています。表面がかたく傷がつきにくいため、多くの人々が利用する商業施設でも利用されています。

また、プリントができるため、クッションフロアよりもさらにデザイン性に優れている点も魅力です。木目や大理石のようなデザインもあり、好みのものを見つけやすい傾向にあります。加工がしやすく安価なため、DIYにも適しています。

デメリットとしては、目地が生じるため、汚れが溜まりやすいことや水が侵入しやすいことが挙げられます。対策するためには、こまめに掃除したり水分を拭き取ったりすると良いでしょう。

リノリウムの活用場所は?

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リノリウムは、一般住宅以外にも医療施設や介護施設、教育施設などあらゆる場所で活用されています。抗菌・抗ウイルス作用を有することや 耐火性・耐久性に優れていることなどから衛生面や安全面に配慮できる素材であるため、多くの人々が集まる公共施設での使用に適しています。

一般住宅では、耐火性や耐水性、脱臭作用などのさまざまな利点があるため、キッチン・脱衣所・トイレなどにぴったりです。また、滑りにくいことや有害物質が発生しにくいことから、子供や高齢の方の部屋に使用する方が多くいます。滑りにくい性質には定評があり、ヨガスタジオやバレエ教室などでも使用されるほどです。

リノリウムを床材に使用する際の注意点は?

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リノリウムを床材に使用する際の注意点は、中性のワックスや洗剤を使用することや紫外線のあたる場所は避けることです。それぞれ詳しく解説します。

中性のワックスや洗剤を使用する

リノリウムは、アルカリ性により変色や劣化の可能性があるため、中性のワックスや洗剤を使用しましょう。
リノリウムは耐久性が高いことが特徴ですが、長年使用することにより表面が擦り減る場合があります。表面が擦り減ると、水分を吸収して劣化を早める原因となることが考えられます。
基本的にリノリウムはワックスによるメンテナンスが不要な素材です。ただし、表面が擦り減った場合は、耐水性を補うためにワックスをかけて定期的にお手入れすることが大切です。

紫外線のあたる場所への使用は避ける

リノリウムを使用する際は、紫外線があたる場所は避けましょう。
先述したとおり、紫外線はリノリウムが変色する原因とされています。

どうしても紫外線があたる場所にリノリウムを使用したい場合は、窓に紫外線対策を施すことをおすすめします。
紫外線をカットできるフィルムを貼ったりLow-E 複層ガラスを使用したりなど工夫をしましょう。

リノリウムの床へリフォームする場合の費用相場は?

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リノリウムの床へリフォームする場合、1平方メートルあたりの費用相場は、約3,000〜10,000円です。リノリウムの本体価格に加え、運搬費・交通費・施工費用・撤去した床の処分費などもかかります。

施工法としては、既存の床材を剥がして張り替える方法と上から重ねて貼る方法があります。張り替えより重ね張りの方が安いことが一般的です。施工費用は張り替えの場合で約3,000〜5,000円、重ね張り場合で約1,000〜2,000円です。

また、リフォームする際に下地に問題があれば、補修する必要があります。問題の度合いにもよりますが、下地補修だけで数十万かかることも考えられます。

リフォーム業者の選び方のポイントは?

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リフォーム業者の選び方のポイントとして

・信頼できる業者であること
・希望する施工の実績があること
・詳細な見積もりを出してくれること
・アフターサービスや保証が充実していること

が挙げられます。

リフォーム費用は、決して安くはありません。
トラブルを避けるためにも慎重にリフォーム業者を選びましょう。

信頼できる業者である

信頼できる業者に依頼しましょう。困り事があった際には、リフォーム後も業者の方と関わる可能性があります。コミュニケーションを円滑にするためにも少しでも違和感がある場合は依頼を避けましょう。
電話や実際に対面した際の対応を確認してみてください。しっかり状況や要望を ヒアリングしてくれるか、自社の都合を押し付けることなくプランを提案してくれるかなどに注目してみましょう。

希望する施工の実績がある

業者を選ぶ際は希望する施工の実績があるか確認することも大切です。
先述したとおり、リノリウムは施工が難しいため、対応できる業者が限られる可能性もあります。納得いく仕上がりとなるように、リノリウムの施工を得意としており実績がある業者に依頼することをおすすめします。
リフォーム業者の実績は、公式ホームページに載っていることが一般的です。なかには、写真付きで施工事例を載せている業者もあるため確認してみましょう。

また、実際に業者を利用した方の口コミを調べることも推奨します。口コミには、業者の対応や仕上がりの感想などさまざまな情報が記載されているため役に立ちます。
リノリウムの床にするメリットやデメリットも分かることがあるため参考にしましょう。

詳細な見積もりを出してくれる

詳細な見積もりを出してくれる業者を選ぶこともおすすめします。リノリウムの床へリフォームするには本体価格だけではなく、業者の交通費や施工費なども必要です。何にどれほどの費用が発生しているのか具体的に記載しているか確認してください。

また、どのようなサービスが含まれているか把握しておくことも大切です。施工後に追加で費用がかかるようであればトラブルの原因になる恐れがあります。追加費用の可能性に関しては、事前に確認しましょう。

見積もりを出してもらう場合は、複数の業者から出してもらうことをおすすめします。1社だけでは比較ができないため、3社以上に見積もりを出してもらって検討しましょう。

アフターサービスや保証が充実している

アフターサービスや保証が充実しているか確認することも業者を選ぶ際のポイントのうちの1つです。施工後に不具合が起こる可能性も考えられます。アフターサービスや保証が充実していれば、再度施工が必要になった際に無料もしくは費用を抑えて行ってくれる場合もあります。保証期間やサービス内容などは業者によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

リノリウムの床にリフォームして快適に暮らそう

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今回の記事では、リノリウムとは何かをはじめとし、メリットやデメリット、リフォームする際の費用相場などを紹介しました。
リノリウムは人や環境に優しく、安全面や衛生面などにおいてさまざまな利点があります。
ただし、リフォーム費用は決して安くはありません。納得いく仕上がりとなるように業者選びは慎重に行うことをおすすめします。

信頼できる業者にリノリウムの床へのリフォームを依頼して、快適な住まいにしましょう。

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