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今回は、階段の形状やデザイン、素材ごとに特徴を解説します。
実例をピックアップしながら見ていくので、ぜひ最後までご覧ください。

階段を設置する際の注意点もご紹介します!
おしゃれな階段を手に入れたい方は、要チェックですよ!



階段とは

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高さが異なる場所に移動するための、段差のある通路を「階段」と呼びます
階段の種類やデザインに触れる前に、意外と知らない各箇所の名称や建築基準法について見てみましょう。

階段の各箇所の名称

階段の各箇所の名称について、それぞれ解説します。

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名称 特徴
踏み板 階段において足を乗せる板
蹴込み板 段差と段差の間にある垂直部分に設置される板
ささら桁 階段を支えるために両端に設置される板
踏み面 階段を上り下りするときに足を乗せる踏み板の上面、または板の面の奥行き
蹴上げ 階段一段あたりの高さ
踊り場 階段の途中に設けられる、少し広い平らなスペース

踏み板を広く・蹴上げを低くすると、安全性の高い階段に。
その場合、階段の面積が大きくなる分だけ他のスペースがせまくなるので、使いやすさと間取りに応じて寸法を調節する必要がありますね

階段の寸法・幅に関する決まり

階段を設置する際は、建築基準法が定める寸法と幅を守らなければいけません
建築基準法に記載されている住宅の階段に関するルールを、簡単に以下にまとめました。

建築基準法第23条
・階段または踊り場の幅……75cm以上
・蹴上げの寸法……23cm以上
・踏み面の寸法……15cm以下
※共有住宅の共用の階段は除く
参考URL:建築基準法施行令 | e-Gov法令検索

学校や店舗、住宅など用途によって寸法・幅が定められているので、事前にチェックしておきましょう。

階段の形状の種類

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階段の形状の種類は、主に5つあります。

・直階段
・かね折れ階段
・折り返し階段
・回り階段
・らせん階段

種類ごとに特徴を解説していきます。

直階段

こちらは、インスタグラマー「c o n e @ i n t e r i o r」さんのご自宅の階段です。
シンプルな構造の直階段は、面積をとらないのでスッキリとした印象を与えられます。

直階段とは、途中で折れ曲がらないストレートな形状の階段のこと
見通しがよいので上り下りしやすい点が特徴です
構造がシンプルな分、費用を抑えられますよ。

ただし、階段を踏み外すと一気に下まで落ちてしまうので注意が必要です。
途中で踊り場を設けたり、手すりを設置したりすると、転がり落ちるリスクを軽減できるでしょう。

かね折れ階段

「殿ママ」さんのご自宅にあるかね折れ階段。
スタイリッシュなアイアンテイストの手すりが素敵ですね。

「ちー」さんのご自宅にあるかね折れ階段は、踊り場部分に本棚を設置しています。
踊り場部分に何を置くかで、大きくイメージが変わりますね。

階段の途中で90度に折れ曲がる階段を「かね折れ階段」といいます
途中に踊り場が設置されることで、一気に下まで転がり落ちる心配がありません
また、部屋の角部分を有効活用できるのも嬉しいポイントです。

直階段と比較すると、スペースが必要となり設置コストが上がる点がデメリットといえます。

折り返し階段

こちらは「yuka」さんのご自宅にある折り返し階段です。
白を基調とした壁と、ナチュラルな木の色合いがマッチしています。

折り返し階段とは、途中に踊り場を設けて180度折り返すタイプのものです
面積の広い踊り場は休憩スペースとしても活用でき、学校や商業施設でよく用いられる形状ですね

なお、直階段よりも安全性が増す分、コストがかかる傾向にあります。

回り階段

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かね折れ階段または折り返し階段の踊り場に、段を設置したタイプを「回り階段」と呼びます
踊り場ではなく段差にすることで、スペースを節約できるのがメリットです

折り返し部分にある階段の内側の幅が狭く、足を踏み外しやすいので注意してください。
バランス感覚が鈍い小さなお子さんやお年寄りの方が生活するならば、ケガを防止するために手すりを設置するとよいですね。

らせん階段

「Saki」さんのご自宅にある階段です。
滑らかな曲線が美しく、まるでカフェやホテルにいるような気分になりますね。

こちらは「Shoya」さんのご自宅にある螺旋階段。
床と壁、階段の色合いが統一されており、まとまった雰囲気になっています。

螺旋階段は、名前の通りらせん状に回りながら昇降する階段です
デザイン性に優れ、設計の自由度が高いところが人気の秘訣
「他人とかぶらない階段がいい」や「階段部分も見た目にこだわりたい」といった方にピッタリの形状ですよ。

他の階段よりも造りが複雑なため、コストが高くなります。
加えて、中心部分は足の踏み場が狭く、踏み外さないように気を付けなければいけません。

階段のデザインの種類

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次に、階段のデザインの種類をご紹介します。

・箱型階段
・オープン階段
・片持ち階段

それぞれメリットとデメリットを解説するので、参考にしてみてくださいね。

箱型階段

「chii」さんのご自宅にある箱型階段です。
階段に日差しが当たる感じも、お気に入りなんだそう。

「箱型階段」とは、長方形の箱を積み上げたような見た目の階段を指します
「ボックス階段」とも呼ばれ、古くから日本の住宅に取り入れられてきました。
階段下に収納スペースやトイレを設置するのが、デッドスペースをなくすコツです

よく見られるタイプの階段なので、おしゃれさを重視したい方にとっては味気なく感じるかもしれません。

オープン階段

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蹴込板がない「オープン階段」は、骨組みを活かした開放感のある造りが魅力です
「スケルトン階段」や「ストリップ階段」と呼ばれるケースも。
デザイン性が高く、階段自体がおしゃれなインテリアとして活躍しますね

小さなお子さんがいる場合、すき間部分から落下する危険性があります。
ネットを取り付けておくと、落下による事故を防止できるでしょう。

片持ち階段

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片方が壁に固定され、もう片方が固定されていないタイプを「片持ち階段」といいます
宙に浮いているような見た目が印象的で、採光性・風通しに優れているデザインです

片方だけで階段を支える必要があり、安全面に配慮した正確な設計が不可欠です。
また、壁に固定される部分が少ないため「不安定そうで怖い」と感じる方もいます。

階段の素材の種類

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階段の素材の種類は、主に3つに分けられますよ。

・木製
・石製
・アイアン系

以下で詳しく見ていきましょう。

木製

一般住宅で取り入れられることの多い木製階段
質感がナチュラルで、空間に温かみをプラスしてくれます
木の香りを楽しんだり、時間の経過による色味の変化を味わったりするのも素敵ですね。

床材と踏み板、蹴込み板の色味をそろえると、統一感が出やすいです。
「木製」と一口に言っても、ナラやウォールナットなど多種多様な種類があります。
種類によって色味や木目が異なるので、好みに合わせて選んでみてください。

石製

石製の階段は高級感があり、ホテルやレストランのような気品ある雰囲気に仕上がります
金属や木とも相性がよく、どの場所に階段を設置しても、まとまりのある空間を演出できるでしょう

ただし、他の素材よりも高額になるため、予算に応じて導入を検討してみてくださいね。
強度の高い石製の階段で転倒すると、大怪我につながる可能性も……。
「段差を低くする」または「一段ごとの奥行きを広くする」などの転倒を防止する工夫が求められます。

アイアン系

「スタイリッシュな雰囲気にしたい」や「よく見られる木製階段よりも個性を出したい」と思っている方には、アイアン系の素材がおすすめです
無機質なアイアンテイストは、近代的でおしゃれな印象を与えられますよ

骨組みや手すりをアイアン、ステップは木製……とミックスするのもアイデアのひとつ。
加えて、アイアン素材の直線的なラインを活かせば、メリハリのある空間に仕上げられるでしょう。

階段を設置するときの注意点

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階段を設置するときの注意点は、以下の通りです。

・生活スタイルに合わせて設置場所を決める
・間取りと使いやすさを考慮して種類を選ぶ

設置してから後悔しないために、注意点を把握しておきましょう。

生活スタイルに合わせて設置場所を決める

階段の設置場所は、ご家庭の生活スタイルに合わせる必要があります

玄関に階段を設置すると、上下階が明確に区切られてプライベート空間を確保できるでしょう
しかし、帰宅後は自室に直接行けるため、家族間のコミュニケーションが取りにくいです。

リビングに階段を設けた場合、必ずリビングを通ってから自室へ向かうので、自然と家族間での会話が増えます
ただし、音や匂いが上下階へ伝わりやすく、冷暖房効率が悪化しやすい点がデメリットです。

間取りと使いやすさを考慮して種類を選ぶ

階段の種類を選ぶ際は、間取りと使いやすさを考慮しましょう
たとえば、住宅の床面積が狭くコストを最小限に抑えたい方には、直階段が向いています。

小さなお子さんやお年寄りの方がいるならば、安全に上り下りできる配慮が欠かせません。
現在は夫婦で生活していて安全面での対策が必要なくても「将来的に子どもが増える可能性」や「老後の暮らしやすさ」を考えておくことが重要です。

階段にまつわる5つのポイント

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最後に、階段にまつわる5つのポイントをピックアップしました。

・滑り止めや手すりを設置して安全性を高める
・踊り場を設置すると安全性・デザイン性がアップする
・階段下収納で空間を有効活用する
・階段照明は明るさにこだわる
・リメイクシートによるDIYで印象を変えてみる

ひとつずつ見ていきます。

滑り止めや手すりを設置して安全性を高める

小さなお子さんやお年寄りの方、ペットがいるご家庭は、滑り止めや手すりを設置して安全性を高めると安心です
滑り止めにはテープやシール、マットタイプなどがありますが、洗えるものを選んでおくと衛生的ですね。
購入する際は、滑り止め本体が滑らないかを確認しましょう。

2000年の法改正により、階段の高さが1メートルを超える場合には、手すりの設置が義務付けられました

建築基準法第25条
・階段には、手すりを設けなければならない。
・階段及びその踊場の両側(手すりが設けられた側を除く。)には、側壁又はこれに代わるものを設けなければならない
・階段の幅が三メートルをこえる場合においては、中間に手すりを設けなければならない。ただし、けあげが十五センチメートル以下で、かつ、踏面が三十センチメートル以上のものにあつては、この限りでない。
・前三項の規定は、高さ一メートル以下の階段の部分には、適用しない。
参考URL:建築基準法施行令 | e-Gov法令検索

法改正以前に建てられた住宅には、手すりが設けられていないことも。
中古物件に住むときは、手すりの有無をチェックしてみてください。

踊り場を設置すると安全性・デザイン性がアップする

踊り場を設置すると、足を踏み外して一番下まで転がり落ちるリスクを減らせます
加えて、踊り場に家具や雑貨、照明などを配置すればデザイン性も高められるんです。

「階段の上り下りがしんどくて、毎回息切れしてしまう……」というお年寄りの方は多いはず。
そんなときは、昇降する際の休憩スペースとして踊り場を設けるのもおすすめです。

階段下収納で空間を有効活用する

デッドスペースになりがちな階段下は、収納を作って空間を有効活用しましょう
つっぱり棒や棚を使えば、簡単に階段下収納を作れます。
生活感が出やすいストック品や、かさばりやすい掃除用品などを置いてみては。

ただし、階段下は通気性が悪く、湿気がたまりやすいのでカビ対策が必要です
物を詰め込みすぎると、より一層風の通りが悪くなってしまいます。
収納扉を開けたり、扇風機やサーキュレーターを使ったりして定期的に換気することを心がけてください。

階段照明は明るさにこだわる

階段は「家の中で事故が起こりやすい場所」と言われています
足元が暗いと、つまづいたり踏み外したりする原因になることも。

そのため、足元がよく見えて、階段全体に光が広がっている階段照明を選ぶことが大切です
明るすぎても目がくらむ危険性があるので、適度な明るさの照明を探しましょう。

リメイクシートによるDIYで印象を変えてみる

「既存の階段の印象を変えたい!」という方には、リメイクシートを使ったDIYがピッタリです
木目やレンガ、大理石など……おしゃれなリメイクシートが多数販売されています。
階段に貼って余った分は、家具に貼ると部屋全体に統一感が生まれますね。

切って貼るだけなので、DIY初心者でも手軽にチャレンジできる点が嬉しいポイントです
失敗したときは、シートを貼り直せば問題ありません。

形状や素材の特徴を理解しておしゃれな階段を手に入れよう

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今回は、階段の形状やデザイン、素材ごとに特徴をご紹介しました。
階段の寸法や幅には決まりがあるので、設計する前に建築基準法を確認しておきましょう。

直階段は低コストで配置できますが、足を踏み外すと一気に下まで落ちる恐れも。
間取りと使いやすさを考慮して、自分たちにピッタリの種類を選ぶことがポイントです。

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