オール電化のメリット・デメリットは?電気代を節約するコツも解説の画像01

「オール電化を検討しているので、メリット・デメリットを知りたい」
「最近電気代が高騰しているけれど、オール電化で節約するコツはあるのかな」
このようにお考えの方は、多いのではないでしょうか。

今回の記事では、オール電化のメリット・デメリットのほか、設備・費用・電気代を節約するコツなどを紹介します。オール電化をうまく活用して、快適に暮らしましょう。



オール電化とは

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オール電化とは、料理や冷暖房など生活に必要なエネルギーをすべて電力で賄うことをいいます。近年、電力小売自由化や環境への配慮、ZEH(ゼッチ)への取り組みなどによりオール電化住宅が普及しています。

なお、ZEHとは、消費エネルギーより創出エネルギーのほうが上回る住宅のことであり、Net Zero Energy Houseの略語です。ZEHの実現のため、オール電化にするケースも多く見られます。

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オール電化の設備

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オール電化にするためには、さまざまな設備が必要です。オール電化の代表的な設備は、以下のとおりです。

オール電化の代表的な設備
●電気温水器・エコキュート
●IHクッキングヒーター
●床暖房・蓄熱暖房機

それぞれ詳しく解説します。オール電化に欠かせない設備について理解しましょう。

電気温水器・エコキュート

オール電化の給湯設備として、電気温水器やエコキュートが挙げられます。電気温水器は電力のみを用いる一方で、エコキュートは大気中の熱を移動させるヒートポンプも利用してお湯を沸かします。エコキュートは、ヒートポンプも利用している分、電気温水器と比べて、電気消費量が少ないです。

また、電気温水器もエコキュートも電気料金が安い深夜・夜間電力を利用して沸かしたお湯を貯められます。電気代を抑えられる点が魅力です。

IHクッキングヒーター

オール電化住宅には、電力により加熱調理できるIHクッキングヒーターも欠かせません。IHクッキングヒーターは、火やガスを使用しないため、火災や一酸化炭素中毒のリスクを軽減できます。また、表面が平らなため、凹凸があるガスコンロと比較すると、お手入れしやすいです。

ただし、調理方法や使用する調理器具に制限があります。調理器具を購入する際は、IH対応のものか確認しましょう。

床暖房・蓄熱暖房機

オール電化で用いられる空調設備は、暖房や蓄熱暖房機です。床暖房は、床下に張り巡らせたパイプに温水を循環させて暖めます。熱源は、電気温水器やエコキュートなどです。蓄熱暖房機は、電力を利用して貯めた蓄熱・耐火レンガの熱を放出させて暖めます。

床暖房も蓄熱暖房機も電気料金が安い深夜・夜間電力を利用して貯めた熱を昼間に放出させれば、節約できます。

オール電化のメリット

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オール電化を検討している方は、メリットが気になるのではないでしょうか。オール電化のメリットは、以下のとおりです。

オール電化のメリット
●光熱費の負担を軽減できる
●火災のリスクを抑えられる
●キッチンの手入れがしやすい
●災害に備えて対策できる

それぞれ詳しく解説します。オール電化にしてメリットを享受しましょう。

光熱費の負担を軽減できる

オール電化は、光熱費の負担を軽減できます。理由として、電気・ガスの一本化や深夜・夜間電力の利用が挙げられます。

電気もガスも使用した分だけではなく、基本利用料金を支払うのが一般的です。オール電化にすれば、 ガスの基本利用料金がかからないため、その分節約が可能です。

また、電力会社のなかには、電気を使用する時間帯により料金が異なり、夜間・深夜電力を安く設定したオール電化向けのプランを提供するところがあります。空調・暖房設備などにおいて、深夜・夜間電力をうまく活用すれば、節約につながります。

以上のことから、オール電化は、光熱費の負担を軽減できる点がメリットです。

火災のリスクを抑えられる

オール電化にすれば、火災のリスクを抑えられます。IHクッキングヒーターは、火が不要なためです。火災の原因として知られているコンロは、火を使用するため、消し忘れや燃え移りなどの不注意で火災になる恐れがあります。火が不要なIHクッキングヒーターであれば、不注意による火災のリスクを減らせます。

また、ガスも使用しないため、一酸化炭素中毒のリスクを軽減できる点も魅力です。なるべく火災や一酸化炭素中毒などのリスクを抑えたい場合は、オール電化の導入を検討しましょう。

キッチンの手入れがしやすい

オール電化は、キッチンの手入れがしやすいです。IHクッキングヒーターは、ガスコンロのような凹凸がなく、平らであるためです。平らであることにより、油汚れや焦げなどの拭き取りが容易にできます。家事に対するストレスの軽減や時間短縮にもつながります。

また、IHクッキングヒーターを利用すれば、換気扇の手入れもしやすいです。火やガスを使用しないため、調理時に水蒸気や上昇気流が発生しにくく、カビ・結露・油成分の付着を抑制できるためです。オール電化でIHクッキングヒーターを利用して、家事の負担を減らしましょう。

災害に備えて対策できる

オール電化にすれば、災害にも備えられます。電気温水器やエコキュートに貯めた水は、災害時に生活用水として使用できるためです。災害時は、水道が止まり、トイレや洗濯などに支障が出る可能性があります。電気温水器やエコキュートに貯めた水を利用できれば、少しでも災害時における生活の役に立ちます。

また、災害時の復旧は、ガスよりも電気のほうが早い傾向です。オール電化住宅のなかには、太陽光発電システムを導入しているケースも多く、自家発電や電力の備蓄も可能です。災害時においてライフラインの確保ができる点は、オール電化のメリットといえます。

オール電化のデメリット

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オール電化は、メリットだけではなく、デメリットもあります。後悔しないためには、導入前に理解しておくことが大切です。オール電化のデメリットは、以下のとおりです。

オール電化のデメリット
●初期費用が高額である
●停電すると日常生活に支障が出る
●昼間の電気代が高い場合がある
●エコキュートの設置場所が必要

それぞれ詳しく解説します。メリットだけではなく、デメリットも考慮したうえでオール電化の導入を検討してください。

初期費用が高額である

オール電化は、高額な初期費用がかかります。オール電化にするためには、さまざまな設備の導入が必要だからです。オール電化の設備として電気温水器・エコキュート・床暖房などが代表されますが、本体価格に加え、工事費用もかかります。

しかし、長期的に見れば、光熱費を抑えられるため、経済的です。初期費用はかかりますが、将来への投資と考えましょう。

停電すると日常生活に支障が出る

オール電化は、停電が起きた際に日常生活に支障が出る恐れがあります。料理や給湯など生活に必要なエネルギーをすべて電力で賄っているためです。停電が起きた場合は、すべての熱源が断たれてしまいます。ガスと比べて、災害時の復旧がはやい点がメリットですが、停電への対策は必要です。

停電対策として、カセットコンロ・ボンベの常備や太陽光発電システムの導入が挙げられます。太陽光発電システムを導入すれば、電力を備蓄できるため、停電時や災害時にライフラインを確保しやすい傾向です。オール電化のデメリットである停電時の影響に備えるためには、対策を施しておきましょう。

昼間の電気代が高い場合がある

電力会社のなかには、オール電化のためのプランを設けているところがありますが、昼間の電気料金が高くなる可能性が考えられます。深夜・夜間電力の電気料金を安くしている分、昼間の電気料金が割高に設定されているケースが多いためです。

近年、テレワークの普及に伴い、昼間に自宅にいる方が増えています。昼間に電力を使用する機会が多ければ、電気代が高くなる可能性が考えられ、オール電化向けのプランが不適な場合があります。生活スタイルに合わせて、電気料金のプランを決めてください。

エコキュートの設置場所が必要

エコキュートを設置する場合、場所を確保しなければなりません。エコキュートは、大型機器であるうえ、作動音が生じるためです。エコキュートの本体は、屋外に設置しますが、近隣の住宅と距離が近ければ、騒音トラブルが起こる可能性もあります。

騒音対策として、防音グッズを使用するのも1つの手です。防音グッズは、ホームセンターや100均などでも購入できます。エコキュートを導入する前に、サイズや騒音を考慮して設置場所の確保を行い、トラブル対策もしておきましょう。

オール電化にかかる費用

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オール電化にかかる費用は、以下のとおりです。

オール電化にかかる費用
●初期費用
●毎月の電気代

それぞれ詳しく解説します。事前にオール電化にかかる費用の目安を知り、予算を立てましょう。

初期費用

オール電化にかかる初期費用は、50〜100万円ほどであり、太陽光発電システムも設置する場合は、さらに100〜300万円ほどかかります。

オール電化は初期費用が高額である点がデメリットです。オール電化にするためには、さまざまな設備を導入しなければなりません。機器自体が高額なうえ、工事費用もかかるため、費用がかかります。

しかし、長期的に見れば、光熱費の削減につながるため、メリットがデメリットを上回ることが考えられます。オール電化導入後に経済的負担がかからないためには、初期費用を把握したうえで、しっかり予算を立てておきましょう。

毎月の電気代

オール電化の毎月の電気代は、家庭により異なりますが、15,000円ほどであり、1人暮らしの場合は、10,000円ほどです。電気とガスを併用している住宅と比べると、安い傾向にあります。

ただし、料金プランや電力の使い方によっては、電気代が高額になる可能性が考えられます。電気代を抑えるためには、定期的に料金プランを見直したり、深夜・夜間電力を使用したり工夫しましょう。

オール電化で後悔しないために電気代を抑えるコツ

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オール電化は、さまざまなメリットがありますが、導入して後悔したという話も耳にします。とくに、電気代に関して後悔している方が多い傾向です。オール電化で後悔しないために電気代を抑えるコツを紹介します。

オール電化で後悔しないために電気代を抑えるコツ
●電気代が安い時間帯に設備を利用する
●定期的に電気の料金プランを見直す
●設備の温度は季節に合わせて変更する
●住宅の断熱効率を高める
●太陽光発電システムを導入する

それぞれ詳しく解説します。オール電化をうまく活用しましょう。

電気代が安い時間帯に設備を利用する

オール電化をうまく活用するためには、電気代が安い時間帯に設備を利用しましょう。多くの電力会社は、深夜・夜間電力が安いオール電化向けのプランを提供しています。電気代を抑えるためには、できるだけ深夜・夜間電力で対応することが大切です。

例えば、電気温水器やエコキュートでお湯を沸かす場合は夜間に行い、昼間に追加で沸き増しすることはなるべく避けましょう。また、洗濯機・食洗機・炊飯器などは、タイマー機能を活かして夜間に運転させるのも1つの手です。電気代を抑えるためには、設備や電化製品を利用する時間帯を工夫してください。

定期的に電気の料金プランを見直す

オール電化の電気代を抑えるためには、定期的に料金プランの見直しが大切です。合っていない料金プランの場合、かえって電気代が高くなる可能性があるためです。

オール電化向けのプランは、深夜・夜間電力が安い分、昼間の電気料金が割高である傾向です。オール電化向けの料金プランの場合、昼間に自宅にいることが多い方は、かえって電気代が高くなることも考えられます。ライフスタイルや家族構成などを考慮して、定期的に料金プランを見直しましょう。

設備の設定温度は季節に合わせて変更する

設備の設定温度は、季節に合わせて変更しましょう。蓄熱暖房機やエコキュートなどの設備の消費電力は、外気温と設定温度の差があるほど、大きくなるためです。

例えば、外気温が低ければ、設定した温度にするまでに時間がかかり、消費電力が大きくなります。蓄熱暖房機やエコキュートなどの設備の設定温度は、外気温を考慮して季節に合わせて変更しましょう。

また、設定温度だけではなく、湯量も季節に合わせて変更してください。料金プランによっては、昼間に沸き増しすると割高になる可能性があるためです。寒い時期は、使用する湯量が増える傾向にあります。できるだけ電気料金が安い時間帯にお湯を準備するためには、必要な湯量を考慮して、季節に合わせて変更しましょう。

住宅の断熱性を高める

電気代を抑えるためには、住宅の断熱性を高めることをおすすめします。蓄熱暖房機・床暖房・エアコンなど空調設備の効率を上げられるためです。住宅の断熱性を高めることにより、外気の影響を受けにくくなります。

住宅の断熱性を高める方法として、効果の高い断熱材の使用や断熱カーテンの設置などが挙げられます。電気代を抑えるためには、空調設備を効率的に使用できるように住宅の断熱性を高める工夫をしてください。

太陽光発電システムを導入する

オール電化の電気代を抑えたければ、太陽光発電システムを導入するのも1つの手です。太陽光発電システムで得た電力を電気代が割高になる昼間の時間帯に使用できるためです。

太陽光発電システムを導入するには、高額な初期費用がかかりますが、長期的に見れば、節約につながります。太陽光発電システムによる電力と電力会社から購入する電力をうまく使い分けて電気代を抑えましょう。

オール電化に関するよくある質問

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オール電化に関するよくある質問は、以下のとおりです。

オール電化に関するよくある質問
●オール電化の電気代はやばい?高い原因は?
●オール電化住宅がおすすめな人は?

それぞれ詳しく解説します。オール電化を導入する前に疑問を解決しておきましょう。

オール電化の電気代はやばい?高い原因は?

オール電化は、うまく活用すれば電気代を抑えられるため、節約につながります。オール電化の電気代が高いという話を耳にすることがありますが、考えられる理由は以下のとおりです。

オール電化の電気代が高い原因の一例
●古いもしくは性能が劣る設備を使用している
●昼間に消費する電力が多い

オール電化の電気代は、導入している設備や性能により、左右されます。古い設備や性能が劣る設備を利用している場合、消費電力効率が悪く、電気代が高くなる可能性があります。必要に応じて設備の買い替えをしたり、性能の高い設備を購入したりしましょう。

また、料金プランによっては、昼間の電気料金が割高に設定されているため、消費する電力が多ければ、電気代が高くなることが考えられます。電気代を抑えるためには、なるべく深夜・夜間電力で対応したり、料金プランを見直したり工夫してください。

オール電化は、ポイントを押さえれば、電気代を節約できます。メリットも多いため、うまく活用しましょう。

オール電化住宅がおすすめな人は?

オール電化住宅が向いているケースは、以下のとおりです。

オール電化住宅が向いているケース
●光熱費を抑えたい
●日中は自宅以外で過ごすことが多い
●災害時に備えたい
●火災や一酸化炭素中毒のリスクを抑えたい
●家事の負担を軽減したい

オール電化住宅は、メリットだけではなく、デメリットもあるため、必ず導入したほうが良いとは限りません。オール電化住宅は、向いているケースもあれば、向いていないケースもあります。

なお、オール電化が向いていない人は、以下のとおりです。

オール電化が向いていない人
●日中は自宅で過ごすことが多い人
●調理方法や調理器具を制限されたくない人
●設備の設置場所を確保できない人

オール電化のメリットやデメリットを考慮したうえで、ライフスタイルやニーズに合っていれば、導入を検討しましょう。

オール電化をうまく活用して快適に暮らそう!

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今回の記事では、オール電化のメリット・デメリットのほか、設備・費用・電気代を節約するコツなどを紹介しました。オール電化は、光熱費の負担や火災リスクを軽減できる点がメリットである一方、高額な初期費用がかかる点や停電時に影響を受けやすい点がデメリットです。

しかし、初期費用はかかりますが、長期的に見れば光熱費の節約につながります。また、太陽光発電システムや蓄電池を導入すれば、さらに光熱費を抑えられるうえ、停電時にも備えられます。オール電化をうまく活用して、快適に暮らしましょう。

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