50代から考える、住み替えをおこなうメリット
三井不動産リアルティが2013年におこなった「シニア世代の住まいに関する意識調査」では、定年後・老後の生活を迎えるにあたって、50歳以降に住み替えやリフォームをおこなった方を対象に、その実態や意識について調査しています。その結果、住み替えた人の9割が「満足」と回答していました。
なかでも総合的に満足度が高かったのは「中古マンションへの住み替え」です。コストパフォーマンスの観点で高評価でした。また、マンションに住み替えた人の4割強は「以前の住まいよりも都心寄りのエリア」に住み替えており、その理由については「生活の利便性の高いところに住みたかったから」が1位だったという結果も目をひきます。
シニア世代の夫婦2人暮らしであれば広さもそれほど必要ではなく、それよりも買い物や移動に便利な場所に住めば生活は楽になります。若いころは何でもなかった一戸建ての段差や階段移動が、歳を重ねていくうちにつらくなることもあるでしょう。また、家のメンテナンスや庭の草刈りなども自分でおこなう必要があります。
その点、マンションであれば管理業務を管理会社におまかせすることができます。もちろん、その分、管理費や修繕積立金などがかかる点は注意が必要ですが、体力面を考えるとメリットといえるのではないでしょうか。また、マンションは物件数も多く、居住エリアや住居の設備などの選択肢も豊富で、中古物件であればさらに手が届きやすいといえます。
また、住み替えを検討するにあたって、もうひとつ注目すべきポイントがあります。それは30代以下の若い世代と60歳以降の住み替えをおこなった理由の違いです。@niftyニュースがおこなった「家を選ぶ時にゆずれないポイント」の調査において、注目すべきポイントは、若い世代が「間取り」を重要だと考えているのに対し、60歳以上では「日当たり・風通し」「周辺環境や立地」「耐震性」「駅から近い」が上位にきました。これは、まさにライフスタイルの変化にともなって生まれた差であると考えられます。
このことから、50代のうちに上記のことを参考に住み替えを検討できれば、より充実した住み替えができる可能性高まるといえるでしょう。
住み替えの注意点
このように利点の多いシニア世代の住み替えですが、満足できる住み替えにするためには注意すべき点もあります。
資金繰り
住み替えに多いパターンとしては、「郊外の一戸建てを売却し、都市部の便利なマンションへ住み替え」が挙げられます。この場合、「新居の購入費用をまかなえる金額で一戸建てを売却できるか」「一戸建ての売却後に住宅ローンの返済が残るのか」が大きなポイントです。
近年は郊外の大きな一戸建て住宅はあまり売れず、売却できたとしても安価になってしまうというケースが増えています。一方で、利便性の高いマンションは値上がり傾向にあり、場所によっては高額になることもあります。売却後も住宅ローンの返済が残るならなおのこと、新居の購入に回せる金額が限られたものになります。
購入? 賃貸?
住居を購入するということは、「住む場所の確保」に加えて「資産形成」にもなります。老後の賃貸契約は、収入面や健康上の理由から賃貸物件探しが難しくなる可能性もあるため、資金繰りが可能なのであれば購入のほうが安心できます。
新築? 中古?
中古のほうがより安価で物件の選択肢を広げることが多いですが、構造部分の経年劣化には留意すべきです。とくに耐震性能は時期によって求められる基準が異なり、建築基準法の耐震基準(1981年、2000年に改定)の前後で耐震性に違いがあります。旧耐震基準である場合は耐震補強工事の有無などを必ず確認しておきたいところです。
一戸建て? マンション?
マンションのメリットは前述のとおりです。一戸建ては隣家と直接接していない分、マンションほど騒音を気にしなくていいですし、プライバシーも守りやすくなります。反面、階段など生活上の移動が楽かどうか、バリアフリーになっているかどうかといったところをチェックしましょう。
売却せず賃貸して住み替え
住み替えにあたり今の住まいを売却せずに賃貸し、賃料収入をもとに都心部の便利な場所に賃貸物件を借りる方法もあります。そういったシニア向けには(一社)移住住み替え支援機構が提供している「マイホーム借り上げ制度」などを検討してみるのも良いかもしれません。
おわりに
「人生100年時代」といわれる現代、老後の生活に何が必要か、どういう家なら快適に住むことができるかを考えて新たな住居を探してみるといいでしょう。昨今は高齢者ドライバーの運転が不安視されている時代でもあります。こういった時代の流れなども意識しつつ住み替えを考えてみてください。
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