敷金・礼金とは?その意味やゼロゼロ物件のメリット・デメリット

本記事では、これから賃貸物件を探す人に向けて、敷金・礼金とはなにか、敷金・礼金の相場、敷金・礼金なしの物件を選ぶメリット・デメリットについて解説します。物件選びで損をしないためにも、敷金・礼金について正しく理解しておくことが大切です。ぜひご一読ください。



敷金・礼金とは

敷金・礼金とは?その意味やゼロゼロ物件のメリット・デメリット

敷金礼金とは、どちらも賃貸物件を借りる際の初期費用として、大家や不動産会社などの貸主に支払うお金です。あくまでも初期費用のため、契約時に一度支払えば家賃のように毎月支払うものではありません。

まとめて支払うイメージのある敷金と礼金ですが、それぞれの持つ役割は異なります。敷金と礼金がそれぞれどのような意味を持つのか確認していきましょう。

敷金とは

敷金とは、部屋を借りる人(借主)が部屋を貸す人(貸主)に預けておく保証金のことです。例えば何らかの理由で借主が家賃を支払えなくなったときや、借主の過失で部屋の修繕費用が発生したときの担保となります。

国土交通省が発表する「令和3年度 住宅市場動向調査 報告書」によると、令和3年度に賃貸契約をした世帯のうち、60.0%の世帯が敷金を支払ったという報告がされています。つまり、賃貸物件を借りる半数以上の人が契約時に敷金を支払っているのです。

敷金を支払うタイミングは、入居の際におこなう契約時の1回のみです。それ以降は契約更新のタイミングでも敷金は支払う必要がありません。

また、敷金はあくまでも家賃の滞納や修繕費用が発生した場合の保証金のため、特に問題なく住んでいた場合は、退去時に返還されるものです。ただし多くの場合、退却時に部屋の「原状回復費用」として、ハウスクリーニング代や備品の交換代などから差し引かれた金額が返却されることになります。

礼金とは

礼金とは、部屋の借主が貸主に対して支払うお礼の意味をもつお金です。

国土交通省が発表する「令和3年度 住宅市場動向調査 報告書」によると、令和3年度に賃貸契約をした世帯のうち45.9%の世帯が礼金を支払ったという報告がされています。敷金と比べると割合はやや低くなりますが、賃貸物件を借りる約半数の人が契約時に礼金を支払っていることがわかります。

礼金を支払うタイミングは、敷金と同様に賃貸契約時です。ただし、礼金は貸主へのお礼として支払うお金のため、敷金と違い後に返還されるものではありません。

敷金・礼金の相場

敷金・礼金とは?その意味やゼロゼロ物件のメリット・デメリット

敷金と礼金の金額は、貸主の都合によって決められ、その上限は明確化されていません。しかし、あまりに敷金・礼金が高い物件は入居者が見つからず、貸主にとってもメリットがないため、一般的にどちらも家賃の1~2ヶ月分が相場とされています。

敷金と礼金は、どちらも契約時に1回のみ支払う費用のため、支払う額の多少が後々借主の生活に大きく影響することはありません。ただし、敷金の場合は退去時に原状回復費用を差し引いた金額が返還されるので、多めに払っていればその分多く戻ってきます。

国土交通省の発表する「令和3年度 住宅市場動向調査 報告書(下記参照)」によると、全国で敷金・礼金があった世帯のうち、敷金の金額が家賃1か月分の割合は65.9%、家賃2か月分の割合は19.0%となっています。また、礼金の金額が家賃1か月分の割合は72.1%、家賃2か月分の割合は14.7%で、いずれも家賃1か月分だった世帯が家賃2か月分だった世帯よりも割合が多かったことがわかります。

     
【全国の賃貸物件の敷金・礼金の割合】
家賃1か月分の割合 家賃2か月分の割合
敷金 65.9% 19.0%
礼金 72.1% 14.7%

参照:国土交通省「令和3年度 住宅市場動向調査 報告書」

上記のことから、敷金や礼金を家賃1ヶ月分としている物件は多く、比較的探しやすいことがわかります。初期費用を極力抑えたい人は、敷金・礼金が家賃1ヶ月分の物件を探してみるのもありですよ。

敷金・礼金なしの「ゼロゼロ物件」とは

敷金・礼金とは?その意味やゼロゼロ物件のメリット・デメリット

賃貸物件の中には、敷金・礼金がどちらもかからない「ゼロゼロ物件」と呼ばれる物件があります。何かと出費の多い引っ越しで初期費用が抑えられる「ゼロゼロ物件」は借主にとって大変魅力的です。

貸主側としても、なるべく長く空き室を作りたくないという意向があります。契約時の金銭的負担が少ない「ゼロゼロ物件」として売り出すことで、入居者を早く見つけやすくする狙いがあるのです。

特に、築年数が古かったり、駅から遠かったり、他の物件と比べて何かしらの条件が不利となる物件に多くみられるのも特徴です。

こうした背景から必ずしも「ゼロゼロ物件」がお得とは言い切れない場合もあります。後々損をしないためにも 「ゼロゼロ物件」のメリットとデメリットの両方をしっかり把握しておきましょう。

敷金・礼金なしの物件を選ぶメリット

敷金・礼金とは?その意味やゼロゼロ物件のメリット・デメリット

敷金・礼金なしの物件を選ぶメリットは、なんといっても契約時の初期費用を抑えられるという点です。

仮に敷金・礼金がどちらも家賃1ヶ月分の部屋を契約したとすると、合わせて家賃2ヶ月分の初期費用がかかります。家賃6万円の物件であれば12万円、8万円の物件であれば16万円にもなり、なかなかの金銭的負担となるでしょう。敷金・礼金なしの物件であれば、こうした費用は全て免除されます。

新居用の家具や生活用品の準備もあり、新生活にお金は何かと入用です。浮いた費用を別のことに活用できるのは大きなメリットといえます。

敷金・礼金なしの物件を選ぶデメリット

敷金・礼金とは?その意味やゼロゼロ物件のメリット・デメリット

一見お得に映る「ゼロゼロ物件」ですが、入居から退去までのことを考えると、中にはデメリットもあります。敷金・礼金がない分、家賃や退去時の費用が割高となる場合があるためです。

このようなデメリットを理解していないと、敷金・礼金なしの物件を選んでかえって高くついてしまうこともあるので注意しましょう。

毎月の家賃が割高な場合がある

敷金・礼金なしの物件は、毎月支払う家賃にその分の諸費用が上乗せされ、家賃が割高になる傾向があります。貸主の立場で考えると、たった1回の礼金よりも、毎月の家賃を多く支払ってもらえた方が利益になるためです。

例えば、家賃6万円で敷金・礼金各1ヶ月ずつ(12万円)の賃貸物件を1年契約した際の合計費用は84万円。一方で、家賃8万円で敷金・礼金なしの賃貸物件を1年契約した際の合計費用は96万円となり、結果的に敷金・礼金なしの物件の方が高くついてしまうのです。さらに、2年、3年と住み続けるとなると、その差はもっと広がっていくことになります。

このように損をしないためにも、物件を探す段階で、付近にある物件の家賃の相場をしっかりと下調べしておくことが大切です。初期費用の額に惑わされず、何年住む予定なのか、長期的に必要な費用も踏まえて、結果的に損をしない物件を選びましょう。

退去費用で損する場合がある

敷金・礼金なしの物件では、退去時に部屋の原状回復費用を別途請求される場合があります。

国土交通省が平成23年8月に発行している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改定版)」では、「原状回復とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義され、基本的には経年劣化によって発生した修繕費用は貸主の負担とされています。

ところが上記を前提として、貸主の大半は賃貸借契約において、原状回復にかかる一部の費用を借主負担とする特約を契約書に明記しています。例えば、ハウスクリーニング代、畳や襖、壁紙クロスの交換代などがよくある一例です。これは、「契約自由の原則」によって、借地借家法26条以下並びに消費者契約法8条以下の強行規定(契約の内容を規制する規定)に反しない限り、当事者間でどのような契約を取り交わすかを自由に決めることが認められているためです。

一般的には退去時に必要な原状回復費用は敷金から差し引かれますが、敷金なしの物件の場合、退去時に別途請求されます。言い換えれば、契約時に支払わなかった敷金分を退去時に支払うわけなので、必ず損というわけでもありません。しかし、敷金がないことを理由に他の好条件の物件より優先したり、退去時の費用が想定よりも高くついたりすることで、結果的に損をしてしまうこともあります。

こうした失敗をしないためにも、契約時に契約書の内容はよく目を通し理解することが大切です。特に、退去時の原状回復費用については、どこまでが借主の負担となるのか、費用はどのくらいかかるのか、わからないことは全て聞いてメモに残しておきましょう。

デメリットは特にありません。ただし、注意点としては、フリーレント物件は条件として大体1~2年は住み続ける必要があり、万が一短期間で退去する場合は、違約金が発生する、またはフリーレント分の家賃を支払うなどの必要が出てきます。そのため、転勤や短期間での引っ越しの可能性がある場合は、フリーレントではない物件がいい場合もあります。

入居後は、退去時の借主負担の出費を減らすために、日ごろから部屋を綺麗に使うことを心がけ、なるべく床や壁などに傷をつけないように心がけます。入居時点で既に傷や汚れがあった場合は、自分がつけたものではないことが証明できるように写真を撮っておくのもおすすめです。また、退去時の立会いでは、必ず借主と貸主の双方で負担箇所を確認しましょう。費用に関して納得のいかない場合は、安易にサインせず貸主に必ず確認をとってください。

まとめ

本記事では、混同されやすい敷金・礼金のそれぞれの役割と相場、敷金・礼金がかからない「ゼロゼロ物件」のメリット・デメリットについてご紹介しました。一見お得に映る「ゼロゼロ物件」も、敷金と礼金のもつ役割を考えると、必ずしもお得であるとは限りません。大切なのは、敷金・礼金のみにとらわれず、長期的・総合的にみて自分にとって納得のいく物件を探すことです。ぜひこの記事で知ったことを参考に、失敗しないためのお部屋探しに役立ててください。

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