住まい探しや投資目的で物件を選んでいる方のなかには、
「0円物件という言葉を見かけたけれど、どのようなものかわからない。」
「0円物件はタダで良さそうだけれど、デメリットはあるのかな。」
「0円物件を買ってみた方は、実際どう思っているのだろう。」
このように疑問に感じている方は多いのではないでしょうか。
今回の記事では、0円物件とは何かのほか、メリット・デメリットや活用方法の例を解説します。
実際に0円物件を購入した方の声も紹介しています!0円物件の購入を検討している方、気になっている方はぜひ参考にしてみてね!
- 0円物件とは?
- 0円で物件を譲渡する理由
- 0円物件を譲り受けるメリット
- 0円物件を譲り受ける際のデメリット
- 0円物件を探す方法
- 0円物件に投資して活用する方法
- 0円物件を実際に買ってみた人の声
- 0円物件を購入して有効活用しよう!
0円物件とは?
0円物件とは、土地や建物を無償で譲渡している物件のことをいいます。
基本的に土地や建物を売買する際は、周辺環境や築年数などさまざまな要因をもとに不動産の価格が決められます。
0円物件の場合、所有者の税金の負担軽減や地域の活性化などを目的に無償でも譲渡したい物件であり、ほとんどが空き家です。
0円物件は、都市部から離れたところに多く、自治体が窓口となって紹介しているケースもあります。
0円で物件を譲渡する理由
0円で物件を譲渡する理由は、以下のとおりです。
・地方の過疎化が進んでいる
・少子高齢化に伴い人口が減っている
・物件を解体しなくて済む
・税金対策ができる
それぞれ詳しく解説します。
地方の過疎化が進んでいる
地方では過疎化が進んでおり、空き家を含めた物件の需要が低下しています。
雇用の多さや利便性を理由に、若者だけではなく高齢者の人口も地方から都市部へ流出している傾向です。
地方の過疎化により、空き家が増えると、老朽化による倒壊のほか、放火や不法占拠など犯罪の温床となるリスクがあります。
自治体としても空き家によるトラブルを避けたいため、無償で譲渡を行い、対策を講じています。
少子高齢化に伴い人口が減っている
少子高齢化に伴い人口が減っており、空き家が増えていることも0円で物件を譲渡する理由のうちの1つです。
また、高齢者のなかには、住み慣れた地方を離れ、都市部にいる子どもと同居する方や老人ホームへ入居する方もおり、空き家が増える原因とされています。
さらに、日本では、人口が減っているにもかかわらず、住宅戸数が増えている傾向です。
築年数が浅い住宅のほうが人気のため、ますます空き家の需要が低下しています。
このように少子高齢化により、需要が低い空き家が増えており、無償での譲渡が行われています。
物件を解体しなくて済む
0円で物件を譲渡する理由として、解体せずに済むことが挙げられます。
誰も住まなくなったとはいえ、生まれ育った家を解体することを寂しく思う方は多いでしょう。
また、解体するためには、高額な費用がかかります。
売主にとっても感情面や金銭面から考えると、費用をかけて愛着のある建物を解体するよりも、0円で譲渡したほうがメリットが大きいというケースがあります。
税金や維持コストの負担軽減になる
0円でも物件を譲渡することにより、税金対策ができます。
土地や建物のような不動産は、所有しているだけで税金がかかるためです。
不動産を所有することにより発生する税金として、固定資産税や都市計画税が挙げられます。
親から財産として不動産を相続する場合は、相続税も発生します。
また、不動産は、活用していなくても、老朽化対策や手入れなどが必要で、維持費が発生します。
不動産を所有することにより、お金だけではなく手間もかかります。
0円でも物件を手放したほうが、金銭面や手間の負担を軽減できる場合は、無償で譲渡されることがあります。
0円物件を譲り受けるメリット
0円物件は、所有者や自治体などの売主だけではなく、買主にもメリットがあります。0円物件のメリットは、以下のとおりです。
・無償で物件が手に入る
・補助金・助成金を利用できる可能性がある
・自由に活用できる
それぞれ詳しく解説します。0円であること以外のメリットも知りましょう。
無償で物件が手に入る
0円物件の1番のメリットは、物件が無償で手に入ることです。
物件を購入する場合、建物や土地の費用だけでも高額であることが一般的です。
0円物件は、建物や土地が無償であるため、初期費用を抑えつつ、リフォームやリノベーションなどにお金を充てられます。
実際、リフォームやリノベーションありきで、0円物件を探している方もいます。
0円物件は、無償で建物や土地を手に入れて、自分好みにリフォームやリノベーションして有効活用を楽しめる点が魅力です。
補助金・助成金を利用できる可能性がある
0円物件を譲受することにより、補助金や助成金を利用できる可能性があります。
自治体は、空き家による家屋倒壊や犯罪発生のリスクを抑えたり、地域を活性化させることに注力しているためです。
0円物件は、築年数が古い空き家が多く、修繕や耐震工事などが必要になる可能性も考えられます。
自治体のなかには、修繕費や耐震工事費などに対して数百万円の補助金や助成金を支給しているところもあります。
ただし、補助金や助成金を利用するためには、条件を満たさなければならないことがあるので、事前に自治体に確認しておきましょう。
補助金や助成金を受け取ることができれば、コストを抑えつつ、0円物件を有効活用させられます。
自由に活用できる
0円物件のメリットとして、自由に活用できることが挙げられます。
0円物件の活用方法は、買主が住むことだけではありません。
リフォームやリノベーションにより、賃貸物件や宿泊施設などさまざまな方法で活用できます。
0円物件は、土地や建物が無償であるため、リフォームやリノベーションにお金を充てられます。
さらに、補助金や助成金を利用できる可能性もあります。
目的に合わせてリフォームやリノベーションを行い、0円物件を自由に活用しましょう。
0円物件を譲り受ける際のデメリット
0円物件は、メリットだけではなく、デメリットもあります。
0円物件のデメリットは、以下のとおりです。
・手続きを自分で手配する必要がある
・瑕疵(かし)があっても自分で対処しなければならない
・税金がかかる
・リフォームやリノベーションが必要
・立地が不便な可能性がある
それぞれ詳しく解説します。
メリットとデメリットの両方を知ったうえで、0 円物件の譲受を検討しましょう。
手続きを自分で手配する必要がある
0円物件は、不動産の譲渡・譲受に必要な手続きを自分で手配しなければなりません。
宅地建物取引業者(宅建業者)を仲介しないことが多いためです。
不動産を譲渡・譲受する場合は、宅建業者が仲介して、書類作成や登記申請依頼などさまざまな手続きを行ってくれることが一般的です。
0円物件物件の場合は、手続きに関して自治体がアドバイスしてくれることがありますが、自分で行うことは難しいため、司法書士や行政書士などへ依頼をおすすめします。
士業へ依頼すると、費用が発生しますが、手続きに必要な手間や労力が省けます。
0円物件は、宅建業者が仲介しないため、仲介手数料がかからない点が魅力ですが、自分で手続きを手配する必要があることがデメリットです。
瑕疵があっても自分で対処しなければならない
多くの0円物件は、瑕疵があっても自分で対処しなければなりません。
以前の所有者や自治体は、無償で譲渡する分、事前の物件確認などの責任を負わないケースが多いためです。
0円物件は、築年数が古く老朽化が進んでいる可能性が高いです。
例えば、シロアリによる被害を受けていたり、柱や床が腐食していたりなどが考えられます。
0円物件は、瑕疵を理由にした契約解除や損害賠償請求ができない場合があります。
0円物件を譲受する際は、リフォームやリノベーションにお金をかけなければならない可能性が高いことを念頭に入れておきましょう。
税金がかかる
0円物件は、土地や建物は無償ですが、通常の不動産を取得した時と同様に税金がかかります。
かかる税金として、贈与税・登録免許税・不動産取得税・固定資産税・都市計画税などが挙げられます。
0円物件だからといって、まったく費用がかからないわけではありません。
税金以外にも登記申請依頼費用やリフォーム・リノベーション費用などがかかるケースがほとんどです。
0円物件の譲受を検討する場合は、不動産の代金以外の出費が必要であることを知っておきましょう。
リフォームやリノベーションが必要
0円物件のデメリットとして、何度も記載してきた通り、リフォームやリノベーションが必要であることも挙げられます。
0円物件の多くは、築年数が経っているため、設備が古かったり老朽化が進んでいたりするためです。
0円物件の活用方法はさまざまですが、いずれにせよ目的に合わせてリフォームやリノベーションをしなければならないことがほとんどです。
築年数が古く、シロアリの被害や柱や床の腐食がひどければひどいほど、リフォームやリノベーションの費用も高額であることが考えられます。
0円物件のリフォームやリノベーションは、自治体からの補助金や助成金を利用できる可能性があります。
少しでも負担を軽減させるために、補助金や助成金の制度や条件について事前に調べておきましょう。
立地が不便な可能性がある
0円物件は、不便なところに立地している可能性があります。
無償で物件を譲渡する利用の背景には、その物件が不人気という原因が考えられるからです。
利便性に優れた立地の物件は人気がある一方で、不便な立地の物件は需要が低く、無償でも譲渡したいケースが多い傾向です。
利便性に優れた都心部に人口が流れて過疎化が進んでいる地域の活性化や定住化を目的として、自治体が0円物件を紹介していることもあります。
0円物件は、立地が不便な可能性がありますが、都心から離れた田舎で生活したい方は自分に合った物件が見つかるかもしれません。
0円物件を探す方法
0円物件を探したい場合は、自治体による空き家バンク制度を利用しましょう。
空き家バンク制度とは、自治体が空き家を売却もしくは賃貸したい所有者の情報を集めてウェブサイト上に公開し、利用したい方に紹介する制度のことです。
自治体は、犯罪リスクの軽減や地域の活性化などさまざまな目的のもと、空き家の減少に注力してきます。
気になる0円物件がある場合は、自治体の窓口に連絡して、見学できます。
自治体が管理しているため、地域の良い点や悪い点のほか、補助金や助成金制度などについて聞ける点が魅力です。
0円物件に投資して活用する方法
0円物件は、居住だけではなく、さまざまな方法で活用できます。
0円物件に投資して、利益目的で活用する方もいます。
0円物件に投資して活用する方法の例は、以下のとおりです。
・住宅やテナントとして貸し出す
・宿泊施設にする
・シェアオフィスとして運営する
・トランクルームとして活用する
・社会福祉施設にする
それぞれ詳しく解説します。
0円物件の有効活用を検討している方は、参考にしてください。
住宅やテナントとして貸し出す
0円物件の活用方法として、住宅やテナントとして貸し出すことが挙げられます。
賃貸物件にすることにより、家賃収入を得られます。
住宅として貸し出す場合、もともと住まいとして活用されていた物件であるため、大掛かりな間取りの変更が不要です。
また、テナントとして貸し出す場合は、リフォームやリノベーションを可能にしてみることも1つの手です。
自身で行うリフォームやリノベーションの費用を抑えることができます。
できるだけ必要最低限のリフォームやリノベーションで済ませたい方は、住宅やテナントとして貸し出してみてはいかがでしょうか。
宿泊施設にする
0円物件を宿泊施設にすることもおすすめです。
近頃、古民家をリフォームやリノベーションした旅館や民泊が人気を集めています。
全室洋室の家に住んでいる方も多く、古民家の和の要素や風情に魅了される人々が増えています。
また、都会から離れた自然豊かな環境に立地していることも魅力のうちの1つです。
0円物件は、古民家を活用した宿泊施設の経営にぴったりです。
ただし、古民家の造りは、現在の建築基準法を満たしていない可能性があります。
0円物件を活用して宿泊施設にする場合は、現在の建築基準法に合わせたリフォームやリノベーションを行いましょう。
シェアオフィスとして運営する
0円物件をシェアオフィスとして運営することも1つの手です。
近年、IT環境が整ってきていることもあり、テレワークする方や働く時間や場所に縛られないノマドワーカーが増加傾向です。
テレワークの普及やノマドワーカーの増加により、シェアオフィスの需要が高まりつつあります。
また、どこでも働けることを利用して、田舎への移住も注目を集めています。
Wi-Fi環境やコンセントなどビジネス環境を整えて、シェアオフィスを運営してみてはいかがでしょうか。
トランクルームとして活用する
0円物件に投資したいなら、トランクルームとして活用することもおすすめです。
トランクルームは、国土交通省の許可が不要であるため、ほかの業種と比較して簡単にはじめられます。
トランクルームとして活用する場合は、盗難を防ぐために、セキュリティを強化しましょう。
また、収納物の劣化もトラブルの原因とされているため、空調設備や給排気設備を整えることも大切です。
0円物件の活用方法を探している方は、簡単にはじめやすいトランクルームを検討してみてください。
社会福祉施設にする
0円物件を活用したいなら、社会福祉施設にしてみてはいかがでしょうか。
ほとんどの0円物件は、都市部から離れた田舎に立地しており、高齢者が多い地域であることが考えられるためです。
社会福祉施設として運営する場合、部屋の広さや防火設備などさまざまな項目で基準が設けられています。
大幅なリフォームやリノベーションが必要となる可能性があることも念頭に置きましょう。
0円物件を実際に買ってみた人の声
0円物件を実際に買ってみた人は、満足しているのでしょうか?また、どんな点を後悔しているのでしょうか?0円物件を購入した方の声を集めてみました。
急に転勤することが決まり貯金もそんなにない中、新居を探さなければいけなくなったため、0円物件を購入しました。タダで家を手に入れることができたため、金銭面ではだいぶ楽でしたが、シロアリが大量にいて駆除しなければいけないので手間がかかったり、雑草がたくさん生えていたので、自分で草刈りするのに時間がかかった点はデメリットに感じました。雑草もシロアリもものすごい量だったので、事前に対策グッズを用意しておくべきです。
0円である以上は何かしら問題を抱えている物件なので、それなりの覚悟はしておいたほうが良いと思います。
camicami・会社員・東京都 ・男性 ・30代
親族から売れずに放置された空き地を0円で譲り受けました。土地代を考えずに、簡単に不動産を手にすることができましたが、譲渡手続きに伴う手続きが複雑で、維持費が想定以上にかかることは譲渡を受けてから知りました。
「タダほど怖いものはない」という言葉を噛み締めつつ、全体的に行うべき手続きを調べました。もう少し経験談を事前に聞いておけばよかったと感じています。これから購入する人は、実際に経験した人のエピソードに触れながら、将来的にお得であるかどうかを見極める必要があると思うので、ぜひいろいろ調べてみてください。
オキーユ・会社員・東京都・男性・30代
古民家が好きで、リノベーションに挑戦したかったので、0円物件を購入しました。良かった点は、自分の好みに合わせて家を作り変えることができたこと。デメリットに感じたのは、リノベーションにかかる費用や手間が予想以上に多かったことです。
事前に準備しておいてよかったと感じたのは、物件の場所や周辺環境の調査です。
準備しておけばよかったと後悔したのは、物件の構造や設備の詳細をよく確認するべきだった点。また、リノベーションに必要な許可や手続きもいろいろあったので、事前に調べておけばもっといろいろスムーズに進んだと思います。
これから0円物件を購入しようと思っている方に伝えたいこととしては、物件の選び方やリノベーションの方法について専門家や経験者からアドバイスをもらうことと、物件の状態やリノベーションにかかる費用や時間を見積もる際には余裕を持って計画することの2点です。
はやて・自営業・兵庫県・男性・50代
お店を開くための物件を探していた際、0円物件を知り、購入に至りました。自分好みのデザインができる点が最大のメリットです。デメリットとしては、物件取得は0円ですが、リフォームやら税金やらでなんだかんだお金はかかるという点。
DIYをどうしていくべきなのかしっかりとあらかじめ準備しておくことが大事だと思います。自分の場合は、買ったからブレたら大変でした。
購入検討時はしっかり下見をして、活用する際のイメージをしっかりと持つことが大事です。
なみなみ・自営業・北海道・女性・20代
不動産投資に興味があっていろいろ調べたところ、0円物件を知り購入しました。購入資金0円で資産が増えたというメリットを感じている一方、リフォームする費用や維持費が高いことをデメリットに感じています。購入前の準備としては、維持費を試算して用意しておくことと、リフォームは業者に頼むのではなくできるだけ友人など手伝ってくれる人に依頼できるようにしておくことをおすすめします。0円物件の購入と維持は思ったよりも大変ですので、お金はある程度余裕を見ておいた方が良いと思います。
westmadkun・会社員・福井県・男性・30代
0円物件を購入して有効活用しよう!
今回の記事では、0円物件とは何かのほか、メリット・デメリットや活用方法の例などを紹介しました。
0円物件とは土地や建物を無償で譲渡している物件のことで、居住だけではなく、賃貸物件や宿泊施設などさまざまな活用方法があります。
ただし、メリットだけではなく、デメリットもあるため、両方を考慮したうえで、0円物件の譲受を検討することが大切です。
メリットのほうが上回るようであれば、空き家バンク制度を利用して0円物件を探してみましょう。
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