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騒音トラブルは可能な限り、シャットアウトしたいものですよね。
そこで、ここでは騒音の測定方法から防音対策まで徹底解説します!



「騒音」とはどのような音を指すのか?

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騒音と言うと、多くの方は「大きな音」をイメージするかと思いますが、音には「大きさ」「高さ」「音色」の3つがあります。
人がうるさい音・不快な音と感じるものを「騒音」と言いますが、騒音にはこの3つの要素が深く関係しています。

音の大きさ

まず、誰もがうるさく感じるのが「大きい音」
例を挙げるならば、自動車の騒音や建設現場の音です。

音の高さ・音色

次に、騒音には小さくても「不快な音」があります。
これは音の大きさよりも、「音の高さ」や「音色」が関係しています。

例えば、上手ではないバイオリンの「ギー」という音は、それほど大きくなくても不快な騒音と言えるでしょう。
また、マンションなどで他の部屋から足音や水の流れる音が聞こえる場合も、大きい音ではなくても不快な音として感じられます。

オシロスコープで音を測定してみると…

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音を測定する場合には騒音計を使いますが、もっと細かく調べる場合にはオシロスコープを使います。
これは音の形を肉眼で確認できる機械で、音の大きさや音の高さ、音色を「波の形」として見られます

このオシロスコープでは、下記のように音が表示されます。
・音の大きさ→「波の高さ」
・音の高さ→「波の幅」波の幅が狭いと音が高く、広いと音が低い
・音色→「波の形」

先に挙げたバイオリンの音のように、オシロスコープで音を測定してみると、「心地良い音」と「不快な音」の違いが明確になります。

騒音の伝わり方は2種類ある

ここで騒音の伝わり方について紹介したいと思います。
音は空気の振動と言えますが、建物内での音の伝わり方を考える場合には、「空気音」と「固体音」の2種類に分けられます。
それぞれについて、簡単に説明していきます。

空気音

空気音とは、文字通り空気の波として伝わる音のことです。
人の声やテレビの音などは、この空気音で伝わります。

騒音としての空気音は、居室の外に騒音の発生源があって、そこから空気を伝わって耳に届く場合が多いでしょう。
空気音は騒音の発生源が遠かったり、壁や窓などの遮蔽物があったりすれば、ある程度は防ぐことが可能です。

固体音

固体音とは、建物の床や壁などを伝わってくる音のことです。
マンションなどでは、足音や水の音、ピアノの音などが床や壁などの構造部分を振動させて音が伝わります。
特にピアノの音は、空気音としても伝わる可能性があるので、騒音トラブルの原因になりやすいと言えます。

騒音レベルと測定について

騒音は「大きさ」と「高さ」にもよりますが、特に問題になりがちなのは音の大きさ
そこで、ここでは騒音の大きさを表す単位「デシベル(dB)」と、騒音測定の方法について紹介します。

音の単位・デシベルとは?

デシベルというと、オーディオなどの機器でよく見られる単位ですが、その正体は意外に知られていないかと思います。
音の大きさについては、何が基準になっているか、分かりにくいからです。

実はデシベルは、「基準値と比べてどれくらい大きいか」を表す比率の単位です。
ただし、この比率は増え方が通常と違い、下記のように数えるので、注意が必要です。

基準値 0デシベル
基準値の10倍 20デシベル
基準値の100倍 40デシベル
基準値の1000倍 60デシベル

それでは、一番小さい0デシベルは、何が基準となっているのでしょう?
これは「人間が感じることが出来る最小の音」が基準となります。
人が感じられる最小の音を基準値として、10倍、100倍、1000倍とカウントしていくのがデシベルなのです。

騒音とデシベルの関係は、以下の音の目安を参考にしてみてください。

デシベル 具体例
120デシベル 飛行機のエンジン近く
110デシベル 動車のホーンの警笛(前方2m)
100デシベル 電車の通るときのガード下
90デシベル 大声による独唱・騒々しい工場内
80デシベル 電車の車内・ピアノ
70デシベル 掃除機・騒々しい事務所・電話のベル
60デシベル 普通の会話・チャイム
50デシベル 静かな事務所
40デシベル 深夜の市内・図書館・昼の静かな住宅地
30デシベル ささやき声
20デシベル 木の葉のふれあう音

出典:東京都環境局

騒音はどのように測定するか?

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騒音は騒音計で測定しますが、物理的に同じ大きさの音であっても、人間の耳では周波数によっては、音の強さが違って聞こえることがあります。
そのため、騒音の計測は人間の聴力を加味して補正をかけた特性(A特性)で行われます。

防音のための手段とアイテム

次に、防音について解説したいと思います。
騒音を防ぐ「防音」には、「遮音」と「吸音」の2つの要素があります。
それぞれの違いや使われるアイテムについて、見てみましょう。

遮音とは?

「遮音」は、音の波を何かで跳ね返すことによって成り立ちます。
例えば、外から騒音がするときに窓を閉めると、静かになりますよね。
これは「窓を使って音を遮蔽する」ことであり、遮音の一例と言えます。

遮音性の高いアイテムとしては、コンクリートや鉄板、ガラスなどの素材が挙げられます。
そのため、マンションなどの鉄筋コンクリートの建築物は、遮音性が高く、室内の静かさが保たれやすいのです。

吸音とは?

「吸音」は、音を吸収する素材で音の反射を防ぐ方法です。
小さな穴の開いている素材などの中に音を取り込み、拡散させることでその音を吸収します。

吸音に有効なのは、住宅の壁などに入れる断熱材。
断熱材のグラスウールやロックウールは、音をよく吸収し、音の透過を防ぎます。
また、吸音材の中には、音のエネルギーを熱に変えて放散するものもあります。

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新しい騒音対策

ここで、新しい騒音対策について挙げてみます。
真空を使った技術音をぶつけて騒音を消す技術です。

真空を使う技術

音は空気の振動で伝わるので、空気の振動を遮断できれば高い防音効果が得られます。
これを応用したのが真空ガラスです。
真空ガラスは2枚のガラスの間に薄い真空の層を設けて、真空の層で音の伝わりをシャットアウトします。

騒音に別な音をぶつけて消す技術

最近になって登場した技術に、騒音に別な音をぶつけて消す方法(アクティブ消音)があります。
音は波として伝わりますが、騒音の波と、反対の形(逆位相)の波を発生させてぶつけることで、音を消すというものです。
こちらは建設現場や自動車などで、騒音対策として導入されつつあります。

騒音対策で快適な家づくりを!

騒音の説明から測定、そして防音の技術までご紹介しました。
音に対しては、人間の感覚を織り交ぜた測定をしていることが、お分かりいただけたと思います。
また、真空や別の音を利用する方法など、騒音技術は日々めまぐるしく進歩しています。

住宅の静かさは、生活上の必要条件です。
良い防音対策の手段を取捨選択して、快適な家づくりに活かしてくださいね。

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