家賃が払えなくなる前にできること|確認すべき助成金・給付金・支援金とは?

災害に見舞われたり、ケガや体調を崩して収入が減った時のために、生活防衛資金として家賃も含めた生活費を最低3ヶ月分は準備しておきたいものです。
貯金をする余裕もない、減ってしまった収入が回復しそうにない場合には、少しでも余裕のある暮らしができるように、今より家賃の安い物件への住み替え等、生活の立て直しが必要となってきます。

ここで、都内在住の男性Kさんの例をご紹介します。
社会人2年目となり忙しくも充実した日々のKさん。趣味にお金を使いがちで生活費はギリギリの状態でしたが、あまり気にせず過ごしていました。休暇中の旅先で、保証会社から留守番電話が入っていたことで、残高不足で家賃の引き落としがされていなかったことに気がつきます。すぐに振り込まねばと思いつつも、日々の忙しさの中、つい後回しにしてしまっていました。(これが後々の不幸をまねく結果に、、、)

家賃が払えなくなる前にできること|確認すべき助成金・給付金・支援金とは?

ある日、上司から「家賃を滞納していると連絡が来ているんだがどうなってるの?会社に迷惑を掛けるようなことはやめてほしい。」と言われ、思っているより話が大きくなっていることに青ざめます。

程なくして、内容証明で催告状が届き、Kさんはやむなく親にも相談してお金を借り、滞納分を支払うことで法的な手続きは免れることができました。
しかし、職場での信用もなくなったように感じて、居づらさから退職することになったのでした。



家賃の滞納で起こること

家賃が払えなくなる前にできること|確認すべき助成金・給付金・支援金とは?

家賃を滞納してしまうと最悪の場合、立ち退きとなりますが、具体的にどのような流れで立ち退きをすることになるのでしょうか。
支払いが少し遅れてしまったからといって、すぐに立ち退きになるわけではありませんが、払えない理由や、払う意思を迅速に伝えることも大切になってきます。

家賃滞納(発生~2ヶ月)
大家さん、もしくは保証会社から電話や訪問、書面による家賃支払いの催促が来ます。
まずは、このタイミングで重要なのが、大家さんや保証会社からの「連絡に出ること」です。
連絡がつかないと勤務先などに連絡が行くことになります。(勤務先に連絡が行くことで働きにくい状況が生まれたりしますので、そうならないように対応しましょう)
起きてしまった「滞納」から逃げずに真摯に払う意思がある旨を伝え、対応を検討しましょう。 反対に電話には出て払う意思は伝えているのにも関わらず、勤務先や保証人宛に連絡を入れる行為は過剰な催促となり法的にNGな行為ですので毅然と対処しましょう。

内容証明郵便での催告状到着(家賃滞納から2ヶ月)
「これ以上滞納した場合は賃貸契約を解除し、法的な手段を取ります」という内容が書かれた書面が届きます。裁判になる前に連帯保証人や家族などに相談し、一刻も早く支払いができるようにしてください。

内容証明郵便での賃貸契約解除通告(家賃滞納から3ヶ月)
家賃を滞納しているという理由から賃貸契約が解除され、大家さんと借主の関係は破綻しました。
この段階で未だ支払いが滞ってる場合、ここから法的手続きが始まります。

明け渡し請求の申し立て
明け渡し(立ち退き)請求の申し立てが行われ、訴状が届きます。
この請求には、部屋の明け渡し以外にも滞納した家賃のほかに遅延損害金の請求も含まれていることが一般的です。
裁判が行われ、半年ほど(もっと早い場合もある)で判決が出る流れとなります。

強制執行の申し立て
判決後、明け渡しの日程などの交渉が行われます。この交渉が決裂した場合、今度は強制執行の申し立てがされます。
裁判所から「1ヶ月以内に退去してください」という内容の催告状が届きます。

強制執行
催告状に書かれた期日までに退去しなかった場合、強制執行となります。
荷物はすべて運び出され、売却できそうな家具家電等はすべて差し押さえられ支払いに充てられます。また、給料の差し押さえのため、勤務先へ連絡がいきます。

一連の滞納の情報は信用情報機関に記録され、いわゆるブラックリストに登録されたことになります。

一度ブラックリストに登録されると、その後5年間は、賃貸物件の保証会社の審査は当然ですが、住宅ローン、カードローン、携帯電話購入時のローン審査等は通らなくなります。また、住民票が取得できない状況であれば、再就職も困難となります。

家族の信用はもちろん、社会的な信用もなくなってしまいます。家賃は滞りなく支払いましょう。そのために、家賃の支払いで生活が厳しいと感じたら、早めに対策を取ることも大切です。
ここからはその対策の候補についてご案内します。

家賃の安い住宅に住み替えする

家賃が払えなくなる前にできること|確認すべき助成金・給付金・支援金とは?

公営住宅

低所得者向けの賃貸住宅を提供しているのが、公的機関が建築や管理をしている公営住宅です。住宅に困っていて収入が少ない方のための公共の住宅となります。お住まいの地域の公共団体が定める入居基準を満たした方が対象となります。
単身者向け、世帯向け、若年夫婦・子育て世帯等、様々な要件に分かれており、決まったタイミングでの募集があります。抽せんとなっていることが多いので、計画的な応募が必要です。

セーフティネット住宅

住宅確保要配慮者(低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子育て世帯)の入居を拒まない住宅、もしくは住宅確保要配慮者のみが入居できる住宅として登録された住宅です。
公営住宅の増加が見込めない中、民間の空き室が増加していることを活用した制度となります。

助成金・給付金・保護制度を確認してみよう

家賃が払えなくなる前にできること|確認すべき助成金・給付金・支援金とは?

家賃助成制度

家族構成、収入要件によって、助成制度を受けられる地域があります。お住まいの自治体でもこのような制度があるかどうか調べてみましょう。

以下の情報は2023年7月調べとなります。詳しい内容は各自治体のホームページからご確認ください。

千代田区:次世代育成住宅助成
対象:区内に引き続き5年以上居住する親がいる新婚世帯または子育て世帯
助成額:月額2万円~8万円(1年目・世帯人数による)

新宿区:民間賃貸住宅家賃助成
対象:子育てファミリー世帯
助成額:月額3万円(最長5年間)

北区:ファミリー世帯転居費用助成
対象:区内に1年以上居住しているファミリー世帯
助成額:上限30万円(礼金と仲介手数料の合算額)

目黒区:ファミリー世帯家賃助成
対象:18歳未満の子を扶養し同居している世帯
助成額:月額2万円

目黒区:高齢者世帯等居住継続家賃助成
世帯全員が60歳以上で、そのうち65歳以上のかたが1人以上いる世帯
助成額:月額1.5万円~2万円(世帯人数による)

厚生労働省|住宅確保給付金

厚生労働省が実施している生活困窮者自立支援制度の事業で「住宅確保給付金」があります。
離職や解雇、やむを得ない休業等で生活に困窮する方が対象です。市区町村ごとに定める額を上限に、家賃が最大9ヶ月支給されます。
具体的な要件は特設ホームページでご確認ください。

参考:厚生労働省|生活困窮者自立支援制度
参考:厚生労働省|住宅確保給付金

厚生労働省|生活保護制度

資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度となります。
親族からの支援もなく、預貯金や住宅にも困り、働いて収入を得ることも難しいなどの要件があります。

参考:厚生労働省|生活保護制度

支援金がもらえる移住先を調べてみよう

家賃が払えなくなる前にできること|確認すべき助成金・給付金・支援金とは?

地方創生|移住支援金

東京23区に在住または通勤している方が、地方創生移住支援事業を実施している都道府県、市町村へ移住し、起業や就職をすると、単身で60万円、世帯で100万円が交付される事業です。

勤務先の契約上可能であれば「移住先でテレワークで働く」ということでも交付金はもらえます。思い切って家賃も物価も高い東京から離れて、余裕のある暮らしに切り替えるというのも策の1つかもしれません。
移住応援サイトなど移住に向けた情報はたくさんあるので、実際に移住した人の声や、住みやすさなど調べてみてはいかがでしょうか。

18歳未満の子どもがいる場合は1人につき30万円が加算されますが、2023年4月の改定で子ども1人につき100万円に増額されました。お子さんが2人いるご家庭なら、合わせて300万円が支給されます。

関連記事:テレワークで今の仕事をしながら地方移住(補助金最大100万円!)

まとめ

衣食住の中で、暮らしの軸となる住まい。
衣食については月々の節約が可能ですが、家賃はすぐに減らすことはできません。困ったときのために、対策できることを確認しておくことも大切です。
理想の家賃の住まいが見つかるといいですね。

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