敷金は返金?礼金との違いは?原状回復費用を知ってトラブル回避の画像01

「どうせ、敷金も礼金も返ってこないんでしょ?」と思っているなら大間違い!
知識を持っていれば、敷金を全額取り返せるかもれしないよ。
ではさっそく「敷金」について、しっかりと勉強していこう!



敷金(保証金)とは?相場は?礼金・仲介手数料との違いは?

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敷金とは、下記の場合にそなえて、部屋を借りるときに大家さんに預けておくお金です。
・借主が部屋をお返しするときの修繕費
・家賃をうっかり滞納してしまったときの担保 など

「敷金」は、地方によっては多少違いがあり、関西では「保証金」「敷引き」と呼ばれ あらかじめ一部もしくは全額を大家に納めるお金となっている場合があります。 地方によって違いがあるので物件を探す際には前もって不動産屋さんに確認をしておきましょう。
「礼金」や「仲介手数料」は支払ったきり返ってこないお金ですが、敷金は残った金額が自分のもとへと返ってくるのです。

敷金は部屋を出るときの「原状回復費用」に充てられることがほとんどですが、このときに借主と貸主との間でトラブルがよく起こります。
知識がなくて損をしてしまわないためにも、ここでしっかりと学んでおきましょう。

敷金なし物件は退去時にハウスクリーニング代の請求あり

賃貸物件の中には「敷金0、礼金0」という物件も、じつは数多く存在しています。
初期費用を抑えたいからといって、敷金なしの物件に安易に入居してしまうと、室内清掃費用やハウスクリーニング代が後から請求されることもあるので注意しましょう。

更にタバコを吸っていたり、自分で傷を付けてしまったりなど、自分の過失があれば、退去時に「原状回復費用」が請求されます。
とはいえ、原状回復費用は普通に住んでいれば、それほど心配はいりません。

「敷金礼金なし物件」については、こちらの記事で詳しく紹介しているので、参考にどうぞ。

<関連記事>敷金礼金なしの不動産賃貸物件 初期費用いくら?デメリットは?

敷金(保証金)の相場はいくら?礼金・仲介手数料の違いは?

敷金の相場について調査すると、家賃の1ヶ月相当の金額が多いことが分かりました。

令和2年度「住宅市場動向調査報告書」によれば、
「1ヶ月ちょうど」が 60.0%
「2ヶ月ちょうど」が 25.2%
という結果が出ています。

しかし、中には敷金が家賃の2か月以上という物件もあるので、部屋を借りる際はしっかりとチェックするようにしましょう。
敷金が1ヶ月分違うだけでも、入居時の費用は大きく変化します。

敷金(保証金) 礼金 仲介手数料
相場 家賃1~2ヶ月分 家賃1~2ヶ月分 家賃1ヶ月分
何のため 部屋の修繕費用など 貸主へのお礼 仲介のお礼
返金の有無 あり なし なし

・礼金とは:大家さんにお礼の気持ちとして支払うもの
・仲介手数料とは:仲介してくれた不動産会社に手数料として支払うもの

敷金や礼金、仲介手数料については、場合によっては交渉次第で値引きできることも。
賃貸契約の前に、不動産会社や大家さんに相談してみるとよいでしょう。

部屋を借りるときに必要となる費用は、賃貸料金だけと思っていませんか?
じつはほかにもたくさんあるのです。
「ニフティ不動産のお悩みコラム」では、賃貸住宅の契約時に必要な初期費用や入居時の費用について紹介しているので、ぜひ併せて読んでみてくださいね♪

<関連記事>一人暮らしの初期費用 賃貸契約時・引越し業者・家具家電の総額を計算!
<関連記事>同棲の初期費用と月々の生活費目安 賃貸物件探しで節約&トラブル回避
<関連記事>仲介手数料無料(なし)の賃貸物件は本当に安い?デメリット・相場・値引き交渉術

敷金=原状回復費用、返金についてのトラブルが多いから要注意

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原状回復費用とは、賃貸物件を原状回復するための費用なので、「借主に過失」がなければ基本的に敷金は返金されます
自分で部屋に傷をつけたり汚したりした場合にのみ、原状回復費用として直す費用を請求されると覚えておきましょう。

注意!
原状回復費用を必要としない場合でも、契約時の特約に「クリーニング代○○円を請求」などと書かれていれば、敷金からハウスクリーニング代が請求されるのでご注意を。
そのようなケースでは、返還のトラブルを防ぐためにも、契約時に具体的にいくらなのかを確認しておくといいでしょう。


そもそも原状回復ってどういうこと?

原状回復とは、借りていた物件をもともとの自然な状態に回復することをいいます。
もとの状態といっても「借りた当時の状態」に戻すというわけではなく、普段通りに生活していく中で自然に汚れたものや、日光の日焼けなどは回復に含まれません

そのため普通に生活していれば、原状回復する必要はありません
そのことを知らないでいると、「原状回復費用」として、ハウスクリーニング料金などを請求されるトラブルに巻き込まれてしまうのです。

原状回復費用っていくらかかるの?

原状回復費用は、使っている素材や状態などによって大きく違ってきます。

一応の目安としては、こんなイメージです。

・床の張り替え:6畳で6~10万円程度
・壁紙の張り替え:1平米で950~1,500円程度(6畳は約30平米)
・柱の修繕:1~3万円程度

例えば、壁紙の一部分を汚してしまった場合、自分で汚した部分は「借主」が負担します。
国土交通省の「ガイドライン」によると、具体的には汚した部分の壁紙一面の張替え費用を借主が負担することになります。

それにより、壁紙の色が一部変わってしまっても、「借主」は部屋全体の張替えをする必要はありません
知らずに全ての金額を負担しないように気を付けましょう。

敷金と原状回復費用でトラブル多発!

令和2年度「住宅市場動向調査報告書」によると、敷金と原状回復費用に関するトラブルが多いことが分かります。
退去する時によく起こっているトラブルの内容を見ていきましょう。

・「修繕費用の不明朗な請求」 17.4%
・「家賃、敷金の清算」 20.6%

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【出典:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」

ここ数年の傾向をみても、修繕費用の不明朗な請求や、家賃・敷金の清算時におけるトラブルが多く発生しています。
それでは、退去時のトラブルを防ぐには、どのようなことに注意すればよいのでしょう。

敷金が返金されるケースと原状回復費用を請求されるケース

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敷金の原状回復費用については、国土交通省から「ガイドライン」が設けられているので、一度目を通しておくといいでしょう。
事前に知っておくことで退去時に損をしたり、トラブルになったりする確率が減少します。

今回は、原状回復をめぐるトラブルとガイドラインをもとに、敷金が「返金されるケース」と「返ってこないケース」を紹介していきます。
あとで「失敗した!」とならないように、しっかりとチェックしてみてください。

「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」をチェック!

敷金が返金されるケース(貸主負担の原状回復費用)

・畳の裏返しや畳替え
・家具による床やカーペットのへこみ
・テレビ・冷蔵庫の後ろの黒ずみ
・壁に貼ったポスターの跡
・ハウスクリーニング代金

このように、普通に生活をしていて出来た汚れや傷は、「貸主」の負担になります。
自分で貼ったポスターによって壁に日焼け跡がついても、自然の現象なので費用を負担する必要はありません。

敷金が返ってこないケース(借主負担の原状回復費用)

・カーペット等に飲み物をこぼしたシミ
・冷蔵庫下のサビの跡
・落書きなどの故意による汚れ
・結露を放置して出来たカビ汚れ
・タバコのヤニ・臭い

こちらのように、掃除を怠ったためにできた汚れやたばこのヤニなどは、「借主」の責任なので、原状回復費用を支払わなくてはなりません。
ただし、日ごろから掃除を心がけるようにしていれば、避けることも十分に可能と言えるでしょう。

敷金の返還トラブルを回避する対処法

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敷金の返還トラブルについての対処法を紹介します。こちらでは、「契約時」「入居時」「退去時」それぞれにおいて、気を付けるポイントをまとめました。
敷金が少しでも多く戻るように、ポイントを頭に入れておきましょう。

【契約時】賃貸契約書を細かく確認

まずは、賃貸契約書の「控除対象」や「特約」を確認すること。
退去するときに、常識の範囲内で掃除をしていれば、ハウスクリーニング代金は通常大家さんの負担になります。
しかし、「重要事項説明書」にハウスクリーニング代金は「借主負担」と書かれていると、掃除の状態にかかわらず敷金から差し引かれるので、必ずチェックしてください!
これらの確認不足が、あとでトラブルの原因につながります。

ちなみに、壁紙・畳・カーペット・クッションフロアは消耗品のため、6年でほぼ価値がなくなります。
そのため、例えば入居してから6年以上住んだ場合には、それらの修繕は自己負担の原状回復費用にはならないので、こちらも覚えておきましょう。

【入居時】管理会社や大家とチェックリストを作成

まずは、こちらのチェックリストをご覧ください。

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【出典:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」

入居するときにこのチェックリストを使って、管理会社や大家さんと一緒に、部屋の状態をしっかりと確認しましょう。
玄関やLDK、バス、トイレなど、部屋の場所ごとにチェック項目があるので、うっかり見落としてしまうこともなくなります。

▼現状の劣化を撮影してデータ保管すれば安心

部屋のチェックをしている時に、元々損傷している部分があれば、データとして残しておくことが大切です。
スマートフォンなどで写真を撮っておくとよいでしょう。

例えば、壁に傷があった場合、入居時の日付の入った新聞と一緒に写真を撮ります
そうすることで、この傷がいつのものか明確になります。
もちろん管理会社や大家さんにも、一緒に確認してもらってくださいね。

【退去時】完璧に掃除をして退去時の立会いに参加

部屋を退去するときは、できるだけ部屋を完璧に掃除しておきましょう。
そうすることで印象が良くなりますし、原状回復費用も必要なくなるかもしれません。

特に以下の場所は、徹底的に掃除をしておくといいでしょう。

・水回り
・玄関
・カーテンレール
・お風呂のカビ など

敷金礼金0物件などで、あらかじめハウスクリーニング代を負担するとわかっているなら、掃除は最低限でも大丈夫。
ただし、ハウスクリーニング代金を負担するからといって、汚れたままにするのもよくありませんので、簡単な掃除はしておく方が無難です。

▼退去時の立ち合いは絶対に参加

原状回復費用については、本人不在のなか、管理会社や大家さん、工事業者だけが立ち会って、何となく見積もってしまうことがあります。
これですと納得いかない結果になりかねませんので、退去時の立ち会いには必ず参加しましょう

そのときに分からないことがあれば、きちんと相談や話し合いをするようにしてください。そうすることで、敷金を少しでも多く返金してもらえるチャンスがうまれます。

敷金トラブルを防いで快適な新生活!お部屋探しはニフティ不動産

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敷金のトラブルについて、概ねご理解いただけたでしょうか?
知っていると知らないとでは、大きな差になってしまうのが賃貸物件の現実です。
ここでしっかりとした知識を身につけて、トラブル無くお部屋探しをしてくださいね。

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