専任媒介契約とは|特徴やメリットを知って利用価値を確認!

この記事では、媒介契約の中でも「専任媒介契約」に絞って、その基本やメリット・デメリットを分かりやすく解説していきます。



専任媒介契約とは

専任媒介契約とは|特徴やメリットを知って利用価値を確認!

専任媒介契約とは、不動産会社と結ぶ媒介契約の一つです。媒介契約には、専任媒介契約を含め、次の3種類があります。

  • ・住宅ローン金利の上昇
  • ・住宅ローン控除の変更
 

それぞれの違いを一覧で確認しましょう。

【専任媒介契約・専属専任媒介契約・一般媒介契約の違い】
専任媒介契約 専属専任媒介契約 一般媒介契約
契約期間 最長3ヵ月 最長3ヵ月 規定なし
自分で買主を探して直接取引
不動産会社との契約 1社のみ 1社のみ 複数契約可能
レインズへの登録義務
契約から7日以内

契約から5日以内

義務なし
販売状況の報告義務
14日に1回以上

7日に1回以上

規定なし
 

一般媒介契約

一般媒介契約では、複数の不動産会社との契約が可能です。売主自身で買い手を見つけられるなど、比較的自由な契約となります。

ただし、レインズへの登録義務と販売状況報告義務がないため、販売状況の把握がしにくい点には注意が必要です。また、複数の不動産会社と契約できることから、不動産会社にとって販売活動の優先度が下がる恐れもあります。

専任媒介契約の特徴

専任媒介契約とは|特徴やメリットを知って利用価値を確認!

ここでは、専任媒介契約の特徴を詳しく見ていきましょう。

大きな特徴として、次の5項目を解説していきます。

  • ・契約可能な不動産会社の数
  • ・自己発見取引の可否
  • ・契約期間
  • ・レインズへの登録義務
  • ・営業活動状況の報告
 

契約可能な不動産会社の数

専任媒介契約は、専属専任媒介契約同様、1社の不動産会社としか契約できません。例えば、3社媒介を希望する不動産会社があった場合、専任媒介契約ではそのうち1社しか契約できず、契約期間中はほかの2社と契約を同時に結ぶことができないのです。

一般媒介契約では、複数の不動産会社との契約が可能なため、希望する3社と同時に契約を結べます。ただし、ほかの不動産会社と契約を結んでいる状態では、自社で契約成立できない可能性もあることから、不動産会社も営業を熱心にしてくれないケースもあります。

反対に、1社のみと契約する専任媒介契約や専属専任媒介契約では、不動産会社の積極的なサポートを期待できる可能性があるのです。

自己発見取引の可否

専任媒介契約では、売主が自分で買い手を見つけた場合、直接と売買取引が可能です。仮に、A社と専任媒介契約期間中であっても、自分で購入希望者を見つけて直接売買契約を進められれば、仲介手数料なしで売却できます。

自己発見取引は、一般媒介契約でも可能となり、専属専任媒介契約では不可となります。

契約期間

契約期間は最長3ヵ月です。3ヵ月以下であれば、1ヵ月といった短い期間での契約も可能です。契約終了時には、契約の更新か契約を終了して他社との契約し直すこともできます。

専任媒介契約であっても、売却できるまでずっと1社に縛られ続けるわけではありません。売却状況や対応などをみて、期間終了後に他社を選択できるので安心して売却に臨むとよいでしょう。

レインズへの登録義務

レインズとは、「不動産流通標準情報システム」という不動産情報を共有するネットワークシステムのことをいいます。レインズに不動産情報を登録することで、全国の不動産会社で不動産情報を共有できるので広く目に留まり、買主を探しやすくなるのです。

専任媒介契約で契約日から7日以内、専属専任媒介契約で契約日から5日以外にレインズへの登録が義務付けられています。

営業活動状況の報告

営業活動報告では、次のような情報を売主に報告します。

  • ・レインズへの登録状況
  • ・広告やサイト掲載などの営業活動
  • ・内覧など問い合わせの状況
 

専任媒介契約の場合、販売状況を14日に1回以上報告する義務があります。売主から問合せしなくても定期的に販売状況が報告されるので、状況の把握がしやすくなるでしょう。

専任媒介契約のメリット

専任媒介契約とは|特徴やメリットを知って利用価値を確認!

専任媒介契約のメリットとして、次の3つが挙げられます。

  • ・買主を見つけやすい
  • ・仲介手数料が不要
  • ・複数の会社とのやり取りが不要
 

買主を見つけやすい

専任媒介契約は不動産会社1社のみと契約するので、不動産会社も営業を熱心にしてくれる傾向にあります。専任媒介契約であれば、不動産会社は買主を見つけられれば確実に仲介手数料が得られるので優先度が高くなるのです。

また、レインズへの登録義務もあることから物件情報が多くの目に留まり、買主を見つけやすくなるというメリットもあります。

自己発見取引なら仲介手数料が不要

専任媒介契約では、自己発見取引が可能です。親戚や知人に声をかけて購入希望者を見つけられれば、不動産会社の仲介なしで売却を進められます。

仲介せずに売却した場合、仲介の成功報酬である仲介手数料を支払う必要もないのです。仲介手数料は、売却金額によっては百万円を超える場合もあり、大きなコストでもあります。仲介手数料を省くことで、より多くのお金を手元に残せるようになるでしょう。

知り合いなどで購入してくれそうな人がいる場合は、仲介と自己発見の両方の選択肢を残せる専任媒介契約がおすすめです。

複数の会社とのやり取りが不要

1社のみとしか契約しないため、問い合わせや報告などのやり取りもその1社のみで済みます。一般媒介契約で、複数の不動産会社と契約すると、やり取りも不動産会社の数だけ増えてしまいます。

仕事などで忙しい人にとっては、複数の担当者と連絡を取り合うのが難しい人や煩わしく感じる人もいるでしょう。専任媒介契約ではやり取りを簡潔にできるというメリットがあるのです。

専任媒介契約のデメリット

専任媒介契約とは|特徴やメリットを知って利用価値を確認!

専任媒介契約にはデメリットもあるので、デメリットを把握してうえで契約方法を選ぶことが大切です。デメリットとしては次の2つが挙げられます。

  • ・選択した不動産会社の力量に左右される
  • ・囲い込みされる可能性がある
 

選択した不動産会社の力量に左右される

1社のみとしか契約できないので、販売できるかどうかはその1社の力量次第になってしまいます。売りたいと思っている不動産の売却が得意でない不動産会社と契約してしまうと、なかなか売却できない場合や売却できでも予定よりも安値での売却になってしまう可能性もあるでしょう。

3ヵ月で契約終了できるとはいえ、3か月間はその会社に縛られてしまいます。無駄な期間となってしまわないように、不動産会社選びは慎重に行うことが大切です。

囲い込みされる可能性がある

囲い込みとは、不動産会社が他の不動産会社からの問い合わせに応じてくれない状況のことをいいます。他社から不動産への問い合わせがあっても「すでに売却が決まっている」などの嘘の情報で、ほかで売れる可能性を潰してしまうのです。

不動産売却では、売却契約が成立すれば不動産会社は仲介手数料を得られます。この仲介手数料は売主・買主からそれぞれ得られるものであり、片方から得ることを片手取り、両方から得られることを両手取りといいます。

両手取りがもっとも不動産会社にとって利益が大きくなるため、買主を自社で見つけるために囲い込みされてしまうケースがあるのです。

囲い込みの問題性

囲い込みされてしまうと、他社の購入希望者からの問い合わせが排除されるため、買い手が限定されます。媒介契約を結んだ会社でしか購入できない不動産になってしまうことで、ほかで売却できる機会を失いなかなか売却できない可能性があるのです。また、なかなか売却できない状態が続くと値下げされてしまうケースもあるでしょう。

囲い込みが無ければ、より高く・早く売れていた可能性があり、売主にとって大きな損失となってしまうのです。

専任媒介契約を結ぶ不動産会社を選ぶ際のポイント

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専任媒介契約を結ぶ場合は、不動産会社選びが重要なポイントとなります。不動産会社を選ぶ際には、次の3つのポイントを意識するとよいでしょう。

  • ・売却実績を確認する
  • ・囲い込みが無いかを確認する
  • ・複数の不動産会社に査定を依頼する
 

売却実績を確認する

不動産会社にも得手不得手があります。マンションが得意な会社や戸建てが得意な会社、得意なエリアなど強みは異なります。自分の売りたい不動産と不動産会社の強みがあっていれば、より早く・高く売却することも期待できるでしょう。

反対に、不得手とする不動産会社と契約してしまうと、買い手を見つけるのに時間がかかるなど、満足いく売却ができない可能性が高くなるのです。不動産会社の実績を確認することで、強みのある不動産やエリアを判断しやすくなります。

また、担当者の力量も重要なポイントになります。レスポンスの早さや人柄なども問い合わせや査定の際にチェックすることをおすすめします。

囲い込みが無いかを確認する

不動産会社に囲い込みがないかを確認してみましょう。確認したところで、実際に囲い込みされているかは返答してくれないでしょう。

しかし、囲い込みについて理解があることを担当者に認知されれば、牽制の役割を果たせるものです。

複数の不動産会社に査定を依頼する

不動産会社を選ぶ際には、できるだけ多くの不動産会社を比較し、検討することが大切です。最初から一社に絞って契約を進めると、売却額が適正化の判断もできません。多くの不動産会社の査定額や査定時の対応などを比較することで、売却額の相場を把握でき、信頼できる不動産会社を選べるようになるでしょう。

複数の不動産会社一社ずつに査定依頼するのは手間も時間もかかります。そのような場合はニフティ不動産の「SUUMOの無料一括査定」がおすすめです。簡単な入力だけで複数の不動産会社の査定結果を入手できるので、手軽に比較できより高値で売却できる不動産会社とであえるでしょう。

専任媒介契約に関するよくある質問

専任媒介契約とは|特徴やメリットを知って利用価値を確認!

最後に、専任媒介契約に関するよくある質問を見ていきましょう。

専任媒介契約はどんな人におすすめ?

専任媒介契約は、仲介で売却を進めつつ、自分でも買い手を見つけられる可能性がある人におすすめです。また、営業の優先度も高くなることから、早く売却したい人や複数の不動産会社とやり取りしたくない人にも適しています。

専任媒介契約の契約期間はいつまで?

専任媒介契約の契約期間は法律によって3ヵ月まで決められており、3ヵ月を超える契約はできません。3ヵ月以下であれば、1か月や2ヵ月での契約も可能です。

契約終了後はそのまま終了するか更新かを選ぶことができます。

まとめ

今回は、専任媒介契約の基本やメリット・デメリットについてお伝えしました。専任媒介契約は、不動産会社1社のみとしか契約できませんが、自己発見の取引が可能な契約です。不動産会社に営業優先度も上がり、レインズへの登録義務や販売活動報告義務があるなど、売却しやすい契約方法ともいえます。

ただし、1社のみとしか契約できないため、売却できるかは不動産会社の力量に大きく左右される点には注意しましょう。売りたい不動産に強みを持つ不動産会社を選べるように、複数の不動産会社を比較することが大切です。不動産会社の比較なら、ニフティ不動産の「SUUMOの無料一括査定」がおすすめです。簡単な入力で複数の査定結果を比較できるので、より高値で売却できる不動産会社とであえるでしょう。

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