不動産評価額とは?種類とそれぞれの調べ方をわかりやすく解説

この記事では、不動産評価額とは何か、種類や調べ方などを解説します。不動産評価額について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。



不動産評価額とは

不動産評価額とは?種類とそれぞれの調べ方をわかりやすく解説

不動産評価額とは、各評価方法に基づいて算出された不動産の価値のことです。例えば、不動産の所有者に対して課される固定資産税は、固定資産税評価額という不動産評価額に基づいて納税額が算出されています。

不動産を相続する際の相続税は、相続税評価額という不動産評価額に基づいて納税額が算出されるといったように、目的によって使用する不動産評価額が異なるのが特徴です。

不動産評価額の種類

不動産評価額とは?種類とそれぞれの調べ方をわかりやすく解説

目的によって使用する不動産評価額が異なるといったように、以下のように不動産評価額には多くの種類があります。

  • ・固定資産税評価額
  • ・相続税評価額
  • ・公示価格
  • ・路線価
  • ・実勢価格
 

それぞれの不動産評価額について詳しく見ていきましょう。

固定資産税評価額

固定資産税評価額とは、不動産の所有者が毎年納める固定資産税を算出する際の基準となる不動産評価額です。不動産を取得した際に納める不動産取得税、各種登記手続きで納める登録免許税などの算出にも使用します。

【固定資産税評価額の使用用途】
  • ・固定資産税の算出
  • ・不動産取得税の算出
  • ・登録免許税の算出
 

土地の固定資産税評価額は、3年に1回見直しが実施されています。固定資産税評価額について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

関連記事:固定資産税評価額とは?調べ方や土地・建物の評価額の計算方法を解説

相続税評価額

相続税評価額とは、相続が発生して被相続人の遺産を相続する際に、遺産に不動産が含まれていた場合の相続税の算出に使用する不動産評価額です。現金の場合は額面金額がそのまま相続税評価額になりますが、不動産の場合は額面金額と相続税評価額が同じにはなりません。

不動産の相続税を算出する際は、相続税路線価という国税庁が調査・公表している特別な評価方法を使用します。また、相続税だけでなく、贈与税を算出する際にも相続税評価額が用いられます。

【相続税評価額の使用用途】
  • ・相続税の算出
  • ・贈与税の算出
 

毎年7月頃にその年の1月1日時点での価格が公表され、毎年見直しが実施されています。

公示地価

公示地価とは、国土交通省が地価公示法によって公表しており、不動産売却で売却価格を算出する際の目安として使用する不動産評価額です。相続税評価額や固定資産税評価額の目安を算出する際、公共用地を取得する際、金融機関の担保評価、企業所有の土地の時価評価の基準や指標としても使用されます。

【公示地価の使用用途】
  • ・売却価格を算出する際の目安
  • ・相続税評価額や固定資産税評価額の目安
  • ・公共用地の取得
  • ・金融機関の担保評価
  • ・企業所有の土地の時価評価の基準・指標
 

その年の1月1日時点における標準値の1㎡の価格を、2名以上の不動産鑑定士が現地調査によって決定します。

路線価

路線価とは、相続税や贈与税、固定資産税を算出する際に使用する不動産評価額です。路線価は国税庁公表の相続税路線価と、各都道府県公表の固定資産税路線価に分類されます。路線価という言葉を使用する際は、相続税路線価を意味するのが一般的です。固定資産税路線価は公示価格の70%程度といわれているため、公示価格から逆算できます。

【路線価の使用用途】
  • ・相続税の算出
  • ・贈与税の算出
  • ・固定資産税の算出
 

道路に面する標準的な宅地1㎡あたりの価格を、地価公示価格や鑑定評価価額などから決定します。路線価について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

関連記事:路線価とは?調べ方・見方・計算方法をわかりやすく解説【図解あり】

実勢地価

実勢価格とは、実際の不動産売買で取引された価格で、不動産売買において売主が売却価格を決める際や、買主が適正な価格かどうかを判断する際に使用する不動産評価額です。時価とも呼ばれています。

【実勢地価の使用用途】
  • ・売主が売却価格を決める際の目安
  • ・買主が適正な売出価格かどうか判断する目安
 

実勢地価は個別の要素を踏まえて決定された価格です。売却理由や取引された時期によって価格が大きく異なるので参考程度に使用しましょう。

不動産評価額の調べ方

不動産評価額とは?種類とそれぞれの調べ方をわかりやすく解説

不動産評価額は不動産会社のような専門家でなくても、自身で調べることが可能です。

それぞれの不動産評価額の調べ方について詳しく解説していきます。

固定資産税評価額の調べ方

1月1日時点で不動産を所有している方は、毎年4~5月頃に各自治体から送られてくる納税通知書を確認すれば知ることが可能です。もし、納税通知書を紛失してしまった場合は、固定資産評価証明書で確認できます。固定資産評価証明書は、市区町村で発行することが可能です。

もし、不動産の購入を検討していて固定資産税評価額がいくらか知りたい場合は、仲介を担当している不動産会社や不動産の所有者に問い合わせることで確認できます。所有者の許可があれば、委任状をもらって市区町村に行くことで固定資産評価証明書を発行することも可能です。

また、固定資産税評価額は公示地価の70%程度といわれているため、公示地価から逆算できます。

相続税評価額の調べ方

相続税評価額は相続税路線価を使用して算出します。相続税路線価は国税庁が管理している「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で確認できます。

市区町村を選択して路線価図で路線価を確認しますが、以下のように計算式が複雑である点に注意が必要です。

相続税評価額=路線価×地積×補正率

 

基本的には路線価図に記載されている路線価に面積をかけて算出しますが、不整形地やがけ地のように利便性の低い土地については補正率をかけて評価を下げる必要があります。

相続税評価額は公示価格の80%程度といわれているため、おおよその相続税評価額を知りたい方は公示価格から逆算しましょう。

公示地価の調べ方

公示地価は国土交通省が管理する「標準地・基準地検索システム」で確認できます。まずは調べたい土地が所在する都道府県を選択します。各都道府県のマップが表示された後は、調べたい土地の所在する市区町村を選択し、条件を入力すれば公示地価を確認できるでしょう。

条件入力画面では、以下のような項目を設定します。

  • ・対象
  • ・調査年
  • ・用途区分
  • ・地価
 

検索地域指定で検索することも可能ですが、検索結果がうまく表示されないケースも多いです。そのため、上記の手順で検索することをおすすめします。

路線価

相続税路線価については相続税評価額と同様の方法で確認することが可能です。まずは国税庁が管理している「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」にアクセスします。市区町村を選択すれば、相続税路線価を確認できます。

固定資産税路線価は一般財団法人資産評価システム研究センターが管理している「全国地価マップ」で調べることが可能です。全国地価マップは固定資産税路線価だけでなく、相続税路線価や地価公示、都道府県地価調査といった全ての公的不動産評価額を調べられるので便利です。

表示された価格に地積をかけることで、相続税路線価・固定資産税路線価ともに算出できますが、手間がかかります。固定資産税の納税通知書を確認する、公示地価から逆算して求めたほうが早いでしょう。

実勢地価

実勢地価については国土交通省が管理する「土地総合情報システム」で確認できます。土地総合情報システムでは、不動産取引価格情報検索で実勢価格、地価公示・都道府県地価調査で他の不動産評価額を調べられます。

不動産取引価格情報検索では、取引対象の時期を選択し、物件種別(土地、土地の建物、中古マンション、農地、林地)を選択する、最後に該当地域の情報を選択することで実勢地価を調べることが可能です。

ただし、地域によっては取引事例が少なく、価格差が大きいというケースも少なくありません。実際の価値とは大きく異なる可能性があるため、あくまでも参考程度に留めておきましょう。

【目的別】必要な不動産評価額

不動産評価額とは?種類とそれぞれの調べ方をわかりやすく解説

不動産評価額には数多くの種類があることがわかりましたが、すべてが同じ目的で使用されるわけではありません。例えば、不動産を売却するためにおおよその相場を知りたい、固定資産税をどのくらい納めなくてはならないのか知りたい場合では目的がまったく異なります。

目的によって最適な不動産評価額が異なるため、自身がどのような目的で不動産評価額を知りたいのかを明確にする必要があります。不動産評価額を目的別に分類すると、以下の通りです。

目的 不動産評価額
不動産売却で売却価格を知りたいとき 実勢価格、公示価格、路線価
不動産を相続した際の相続税を知りたいとき 土地:相続税路線価
建物:固定資産税評価額
市場価格を知りたい場合は実勢価格
不動産を贈与した際の贈与税を知りたいとき 土地:相続税路線価
建物:固定資産税評価額
市場価格を知りたい場合は実勢価格
固定資産税や不動産取得税がいくらかかるか知りたいとき 固定資産税評価額
 

上記のように、目的によって最適な不動産評価額は異なります。また、不動産売却で売却価格を知りたいときは、上記の方法で調べるよりも、不動産会社に査定を依頼したほうが正確な価値を知ることが可能です。また、財産分与のように不動産の正確な価値を知る必要がある場合は、上記いずれかの方法ではなく、不動産鑑定士に鑑定を依頼します。

どのような目的で不動産評価額を知る必要があるのか、目的をまずは明確にしましょう。

まとめ

固定資産税評価額、相続税評価額、公示地価のように不動産評価額には数多くの種類があります。固定資産税を知りたい場合は固定資産税評価額、相続税を知りたい場合には相続税評価額といったように、目的によって使用する不動産評価額が異なるので注意してください。

また、目的によっては専門家による評価が必要な場合もあります。例えば、不動産の売却を検討している場合は、実勢価格や公示価格、路線価などを調べるよりも、不動産会社に査定を依頼したほうが正確な価値を把握できます。また、財産分与のように正確性をさらに求められるケースでは、不動産鑑定士に依頼します。

目的によって最適な不動産評価額は異なるため、どのような目的で不動産評価額を知りたいのか目的を明確にしてから調査を開始しましょう。

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